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ひとりで生きる、に命を懸けています。

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最近の記事

騙されているのではないか?("The Pretender" / Jackson Browne)

騙されているのではないか、と感じることがある。 社会の中で生きていて、ふとそう感じることがある。どこからどこまで、と具体的には分からない。もしかしたら物心ついた時から、自分はずっと騙され続けてきたのではないか。周りにある人や風景、あるいは自分自身さえ、ひどく虚ろなものに思えてくる。こんな虚構のためなんかじゃなく、たとえ多くも大きくもなかったとしても、確かな「真実」を掴むために生きてきたのではなかったか。 そういうことを考えるのは、心に直接ぶっ刺さる何かに出くわした時だ。鮮

    • 表現する、なんのために?

      表現すること、は難しい。 もっと正確に書くと、眠たいとかお腹空いたとか、わざわざ表現と呼ばないような日常的なコミュニケーション、には当てはまらない、繊細で曖昧な心の動きを伝えることは、それがどんなに烈しいものであったとしても、容易ではない。 誰もが知っている小説家や、音楽家みたいに、自分が共感した偉大な作品と同じように、自分の想いも伝わってほしい。しかし、取り組んでいくうちに悟る。あまり才能のある「表現者」ではないらしい。いまいち「伝わって」いないらしい。技量の不足か。内容

      • ノイズ、が人を変えてゆく

        学生時代は芸術系の専攻だった。 もちろん座学の講義もあったが、学校での大半の時間は、それぞれの自主制作に充てられる。好奇心だけだった「観客」の立場から、作品を「つくる」立場へ、テーマとかコンセプトとか考えながら、アイデアが出てくるのを待ちながら、講評会でのダメ出しを憂いながら、おのずと自分自身の過去とか未来に思いを馳せた。 その経験を通して分かったのは「自分はこう思っている、こう考えている、こう感じている」といった事柄というのは、予想以上に目まぐるしく変化していく、という

        • 世界中が誰もかも 偉い奴に思えてきて

          とは、中島みゆき『蕎麦屋』の歌詞である。 この後『まるで自分ひとりだけが いらないような気がする時』と続く。 その時、主人公は「おまえ」から電話を受ける。彼か彼女か、わからないけれどとにかく「おまえ」は主人公を『蕎麦でも食わないか』と誘う。 蕎麦を食べていると「あいつ」は『あのね、分かんない奴もいるさ』と主人公に語りかける。突然の言葉に、主人公は『泣きたく』なる。 これほど鮮明に描かれているのだから「世界中が誰もかも偉い奴に思える」感覚というのは、とても普遍的な、よくある

        騙されているのではないか?("The Pretender" / Jackson Browne)

          今日のおやすみミュージック(2023年12月21日)

          Michael Nyman ”The Departure” 生寄死帰、という言葉を知った。 生は寄なり死は帰なり、ということで、私たちはいま「生きること」に身を寄せているに過ぎず、つまり「死ぬこと」によって元いた場所へと帰ることができる、という意味である。 思い出す映画がある。1997年のSF映画『ガタカ』だ。 ラストシーン、宇宙へ旅立つ主人公(演じたのはイーサン・ホーク)のショットに、独白のモノローグが挿入される。 『Maybe I'm not leaving, I

          今日のおやすみミュージック(2023年12月21日)

          今日のおやすみミュージック(2023年12月11日)

          Peter Gabriel "Love Can Heal" 噂の新譜が届いた。 そもそもタ○レコで発売前から予約していたのだが、発売日当日になって「入荷が遅れます、おそらく来年一月になります」とメールで知らされ、どうしようかと途方に暮れて一旦キャンセル、そして前々から「利用してみたいなー」と思っていたイギリスの通販「Burning Shed」を思い出した。 日本の音楽ファンでも購入報告とかよく見かけていたし、サイトもアカウント登録から注文までとても簡単に進める感じだったの

          今日のおやすみミュージック(2023年12月11日)

          今日のおやすみミュージック(2023年11月10日)

          小沢健二 "おやすみなさい、仔猫ちゃん!" (何回見てもすごいタイトルだ。) 人の心は空っぽなのだ。そこに、いろんな出会いが、いろいろな想いを充たしていってくれるのだ。人の心を豊かにするのは、人である。自分以外の誰かだ。喜びも悲しみも、独りではなかなか学ぶことができない。生きていく中でそれを知れるのは、まったくもって自分以外の誰かのおかげだ。 今夜、僕は酔っぱらっている。だから、こうして酔っているうちに、こういうことを書いておこうと思う。こういう、相田みつをみたいな回もあ

          今日のおやすみミュージック(2023年11月10日)

          今日のおやすみミュージック(2023年11月7日)

          Scott Walker "Joanna" (今日初めて聴いたけど、好きです。この時代の音楽って、ふと聴きたくなる。) 靴がぶっ壊れている。具体的に言うと、かかとの部分がすり減ってしまったせいで靴底全体がカパカパなっているのだ。そういうわけで、今日は繁華街へ靴を買いに行った。 街に着いて、さっそくABCマートへ、とはならず、せっかく出てきたのだからと久しぶりのレコード店へ向かう。街でも少し入り組んだところにあるお店で、好きなんだけどなかなか行く機会がないところ、なのである

          今日のおやすみミュージック(2023年11月7日)

          今日のおやすみミュージック(2023年11月4日)

          The Beach Boys "Forever" (ブライアン・ウィルソンのドキュメンタリーを観た。この曲はデニスのほう。) こう、純粋なまでに聴く人をハッピーな気持ちにする音楽というものは、本当に偉大だと改めて思う。その辺って結局、メソッドうんぬんの問題じゃなく、ひとりの人間の感性から生み出されるものなのではないか、という気がしている。 トリュフォー監督が、ヒッチコック監督に向けて「後進たちは、あなたが作るスペクタクルは模倣できても、あの繊細な不安や恐怖は真似できないだ

          今日のおやすみミュージック(2023年11月4日)

          今日のおやすみミュージック(2023年11月2日)

          The Beatles "Now And Then" (解禁と同時に聴きました。デモとか全く聴いたことなく、こういう曲なんだ。) 先日観に行ったのは『オクス駅お化け』というやつで、韓国のホラーなのだが『リング』の高橋洋さんが脚本を担当した、というもの。掴みのシンプルさが結構好きだったのだが、後半はモロに、本当にびっくりするくらい『リング』そのまんまであった。だけど、あれほど純粋なエンタメ映画って久しぶりに観た気がして、結構楽しめた。最近はもう、観客を楽しませようという意気込

          今日のおやすみミュージック(2023年11月2日)

          今日のおやすみミュージック(2023年10月31日)

          The Weather Station "Tried to Tell You" (最近、見つけた「新しい」音楽の中から。と、云っても三年前の曲らしい。) 最近になって、ようやく「新しい」音楽とか映画に目を向ける気持ちが芽生えはじめてきた。少し前までは、今のトレンドには共感できない、前時代の良いものの方がすぐ見つかるし苦労して新しい無名のとこから探さなくても、と億劫だったのだが、ふとこの頃になって、今この時代に目を向けようという気分が湧いた。なにか明確なきっかけがあった、とい

          今日のおやすみミュージック(2023年10月31日)

          本日公開!伝説の怪奇ドラマ『キングダム』完結編のための手引き

          パルム・ドール作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』をはじめ『奇跡の海』『ドッグヴィル』『アンチクライスト』『ニンフォマニアック』『ハウス・ジャック・ビルト』など、数々の問題作を手がけてきた鬼才、ラース・フォン・トリアー監督。今や世界的巨匠となったトリアー監督が、1994〜1997年に母国デンマークで手がけた伝説のテレビドラマ、それが『キングダム』です。 主要俳優の急死によって制作続行が不可能となり、未完のまま封印されてしまったシリーズの、25年越し「まさかの」完結編が本日、日本に

          本日公開!伝説の怪奇ドラマ『キングダム』完結編のための手引き

          高橋幸宏さんと坂本龍一さん

          学生の頃、レンタルしたベスト盤で初めてYellow Magic Orchestraを聴いて、その時は正直『Rydeen』とか『Technopolis』を、懐メロとして「いい曲だな」と思っただけで、その他の曲はあまりピンときませんでした。オリジナルアルバムとかでちゃんと聴いたら解るのかも……なんとなく、そう思っただけでした。 その後、ある遠出の機会で訪れたショッピングモールに入っていたツタヤで、なんとなく評判で「最高傑作」と聞いていた、でも近所のレンタル店に置いていなかったア

          高橋幸宏さんと坂本龍一さん