今日のおやすみミュージック(2023年12月21日)

Michael Nyman ”The Departure”

生寄死帰、という言葉を知った。

生は寄なり死は帰なり、ということで、私たちはいま「生きること」に身を寄せているに過ぎず、つまり「死ぬこと」によって元いた場所へと帰ることができる、という意味である。

思い出す映画がある。1997年のSF映画『ガタカ』だ。

ラストシーン、宇宙へ旅立つ主人公(演じたのはイーサン・ホーク)のショットに、独白のモノローグが挿入される。
『Maybe I'm not leaving, I'm going home』
本編中での余命宣告の描写からして、その死を暗示するようなセリフだ。そして画面は切り替わり、広大な宇宙空間を映したカットで、映画は終わる……。

などと、柄にもなく物思いに耽ってしまうのが雪の日である。もちろん、外で実際に吹雪かれている時はそれどころではないわけだが、暖かい部屋から分厚い雲と舞い散る雪を見ていると、普段考えないことをいろいろと考えてしまう。

アンドリュー・ニコル監督の『ガタカ』は昔ずいぶん好きだった映画だが、もうしばらく観ていない。ついこの前、BSで放送されると知って録画予約をした。そういえばあれ、ちゃんと録れているだろうか。ここ最近、気になる映画が次々と放送されているので容量がちょっと気になる。チェックしておかなければ。クリスマスには『戦場のメリークリスマス』やるらしいし、年末にはあの『牯嶺街少年殺人事件』もやると聞いた。実は未鑑賞なので、この機会は逃せない。

なんてぬくぬくした日々だろう。こうして文章に書くと改めて、やはり客観的にそう思う。ここ最近いろいろ重なって気が滅入る夜が多いので、寝る前に「いや、自分の人生は悲観するほど不幸ではない」と自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着かせることを意識しているのだが、やはり悲観するような人生ではないと思う。
プリンスの曲に『自由であることに感謝しよう』という歌詞があったが、まさにその通りだ。謙虚さが大事。ん、なんて凡庸な締めだろう。

それでは、おやすみなさい。
(いや、もうちょっと作業する)
12月21日


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