1/23 『 爆 』 初投稿、次席
目が合って落ちた気がする爆弾でわたしの過去は更地になった

1/24 『 独楽 』
縛られて放り投げられ回りゆく息絶えるまで回るしかなく

1/28 『 椿 』
別れ際手の振り方の違う君 ヒールが刺した椿の血飛沫

1/29 『 狐 』首席🌹
「ほんとうに人間はいいものかしら」手袋嵌めて仕事へ向かう

1/30 『 叶 』
「諦めず願えば叶う」まっすぐな君の未来を想い続ける

1/31 『 寄 』
もう少し寄せてくれたら届くのに隣に座るきみの小指に

2/1 『 合 』
桜色、たんぽぽ、すみれ、若葉色 この春にあうアイシャドウ探し

2/4 『 国 』首席🌹
教室に夕陽がかかるカーテンでふたりぼっちの国をつくろう

2/5 『 位 』
花びらが立春越えたと頬に触れ白木の位牌抱えて歩く

2/6 『 駆 』
駆け落ちか、それもいいねと降る声は芝居がかって夜闇に沈む

2/7 『 人生が360°変わる一首』
回り道しても結局一緒ならそれでいいかと鳴く青い鳥

2/8 『 魔 』
魔が差したなんて言ったら許される？友達だったきみにキスした

2/9 『 遅 』
掲示板赤い文字列並ぶとき君の既読も遅延している

2/10 『自由詠』
夢に出てほしくて想う君のこと まんまと寝られなくなりました

2/11 『 千 』首席🌹
千切られるよりは供養になるでしょう想いのように焦げていく文字

2/12 『 自 』
ああきっとこれは恋だと自覚する真っ黒にしたホットケーキで

2/13 『 ラメ 』
手の甲に流れるラメの天の川夜デートなら大粒がいい

2/14 『 裾 』
右側の裾だけ伸びた母の服まだかまだかと弟を待つ

2/15 『 迷 』おとの日
首傾げマップを見るふり寄せた頬このまま二人迷子でいよう

2/24 『 場 』
先生の寝癖に春が来てたから歩みゆるめる踊り場の端

3/11 『 常 』
この世から常に誰かがいなくなることを忘れて生きるしあわせ

3/12 『 ボタン 』
いい子だと言われて育つ首元の釦を留める無意識の枷

3/14 『 遥 』
遥かからおかえりつばめ呼ぶ声が紺色の筒抱いていること

3/15 『 運命 』
タタタタン鼓動のようなティンパニーあなたが聴いた《運命》の音

3/16 『 地 』
まろやかに光る水面が春だから君と一緒に地獄へ行こう

3/22 『 潔 』
潔く散るのが良いとした国で君とのんびり花見に行こう