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紆余曲折という名のプロセス

人間生きていればそれなりに色々な経験をするであろう。

それは誰であろうと一緒か。

大小様々な経験。

その中で人によっては同じようなことを経験した時に、感じ方の違いにより出る言葉の違いはあるもの。

あんなことがあって、ツイてなかったな~。
あんなことがあったから今があるんだ。人間万事塞翁が馬だね。

人によって様々だ。

そして仕事でも、プライベートでも、夢中になっていることや、はたまた何かを追いかけている人でも一つの事を追求し、もしくは日常を過ごしてゆく中で試行錯誤を繰り返し、導きだした「結果」を辿るまでの紆余曲折を経たプロセスというのもこれまた誰しもにある事か。

どちらかと言うと結果の方が重要視されるのかな。

良い仕事が出来た。
良い作品が出来た。
美味しい料理が出来た。
テストの結果が良かった…

などなど。

まあ、結果として出たのであればその人の自信になるわけだし、周りの見る目も変わるわけでそれはそれで良いんだろう。

ただ、この紆余曲折という名の「プロセス」…

こちらも多分よく言われるように大事なんだろうと思う。

そのことに必死になって考え、試行錯誤を繰り返し、動き考え導きだした答えを基に実際に行動をし、それが結果として良かったり、残念な事に逆の結果もあったりする。

誰しも少なからず良い結果を望むはず。

悪い結果を最初から望む人はそうそういないはず。

だけど、そうはいかない時もあるし、夢を追いかける人にとっては夢破れる瞬間なのかもしれない。

仮にそうなってしまったとしても…

熱量のある、自らの試行錯誤という名のプロセスは、その人の経験値として一生残るものだ。

そういった経験値というのは、その人物の人間味を形成する上でも重要なものだ。

汗をかき、頭を動かし、考え行った経験は尊いものだ。

その経験の中で、色々な方に巡り合ったり、アドバイスを頂いたり…

そういった全てがきっと貴重なものであったり、大切なものであったりするんだろう。

まあ、あまり先の事を考えず取り敢えず大小さまざまな物事に取り組んでみる。

そうすると色々な試行錯誤をすることになる。

面倒くさいかもしれないが…

案外、自らの根本を強固にする血肉となってくれるのかもしれない。


アルケミスト 夢を旅した少年
パウロ・コエーリョ著

世界的にベストセラーな小説とも言っても過言ではない本書。

羊飼いの少年サンチャゴが、幾多の出会いと導かれるようにしてエジプトのピラミッドめざし、自らの夢に現れた宝物を探し求めていくという物語。

多くの人物と出会い、探し求めているものに対してのヒントとなる言葉を頂き、答えを導きだしてゆく。

錬金術師なども登場してファンタジー的な要素もあり、親しみやすい作品だと感じる。

どうかは分からないが、幅広い世代の人に読んでこられたのではなかろうか。

親しみやすい話でもあるし、一つ一つの言葉の思いや重みを感じる。

今から人生を主体的に歩んで行くであろうお子さんや、夢を追いかける人々、そして社会人として働く人々など立場は違えど、色々な方が読めばそれぞれに感想が違うだろうし、響き方が違うのではなかろうか。

ファンタジーの要素と物語に絡めて導かれるようにして発せられる言葉や、また実際に行動を起こして主人公が得た「プロセス」からの心の声、そのキーセンテンスが抜群なんじゃないかと感じている。

それほどに前向きながらも、考えさせられる言葉を投げかけている。

物語は良い事ばかりではない。

悪い事も起きてくる。

旅という名の人生においても一緒のことか。

その旅の行程で失うものもあれば、得るものもある。

そして必ず必要だと思っていたものが、実は対して必要ではないものなんだと考えさせられるような場面も出てくる。

障害が立ちはだかろうとした時に、投げ出すことは簡単にできる。

ただそれを諦めずに、コツコツと続けていくことは難しい。

だが、出会った人々の言葉や、自らの紆余曲折から生まれ、他人には生まれてこない内なる「自らの声」を信じ、やりつづけていく事の大切さを本書は教えてくれている気がする。

自らの意思で自分の人生を歩む…。

それはどの道であろうが、自分がその道を選んだということに間違いはない。

そして、どれも正解であり、どれも間違いではないのだ。

その選んだ道を一生懸命に歩んでいくことこそが、重要なことなのだと今更ながらに気付かせてくれる。

当たり前のことかもしれない。

だけど全ての異なる道を歩む人々の背中を押してくれ、異なる気付きを与えてくれるのではなかろうか。

夢を追うことも良い。
仕事に励むことも良い。
家族のために色々と頑張ることも良い。

どの事柄も紆余曲折を経て辿る「プロセス」がある。

それはその人にとってのオンリーワンだ。

そのプロセスがその人物の土台の一部になる。

そして自信にもなってゆく。

自分を信じ、紆余曲折を肯定して、この今の歩みは自らが選んで歩んでいるものなんだという主体性の気構えを忘れない。

きっとそれこそが人生において重要なことなんだろうと感じてしまう。

その先に何かの結果があるんだろう。

「これはわしの運命だ。おまえの運命ではない」と錬金術師が答えた。「しかし、わしはできるということをおまえに見せたかったのだよ」

アルケミスト 夢を旅した少年  184ページより

人生は運命を追求する者にとっては、本当に寛大だと少年は思った。

アルケミスト 夢を旅した少年  196ページより

少し印象に残った文を引用させて頂いた。

自らを比較せず、自分が歩んできた時間と経験を信じ、主体的に歩むことこそが個人としても、ひいては自分に関わる全ての周りの人や、物や、事にも良いのではないかと信じたい。

本書に紡がれた言葉達。
そしてストーリーとしてもファンタジーで読み応えのある内容。
そして色々な世代や、色々な立場の方々が読めば言葉の響き方がきっと違ってくると思う。

素晴らしい本だと自分は思う。

いずれにせよ、旅という名の紆余曲折を経た「プロセス」…

そして人との出会いというのもまたしかり

大事にしていこう。

記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!


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