シンプル
もうじき2月だ。
早いもので今年も1ヶ月が過ぎていった。
このぶんだと2月は逃げていき、3月は去っていくのだろう。
あっという間に桜の季節が訪れるのでしょうね。
さて、2月はプロ野球のキャンプがスタートする。
いよいよと球春到来を告げようとしている。
今年は何処がペナント・フラッグを立てるのか…。
楽しみだ。
海の向こうMLBも2月にはキャンプ・インし、こちらもスタートの位置につけようとしている。
大谷選手や、山本投手の所属するドジャースやダルビッシュ有投手や松井投手の加入したパドレスに、鈴木選手と今永投手が加入したカブスなど今年はナショナル・リーグの方が注目を集めるのかな?
対戦機会もそれなりにあるだろう。
今年も楽しみだ!
サッカーは国内Jリーグが2月24日から開幕する。
2023年はヴィッセル神戸の優勝で幕を閉じたJリーグ。
今年は一体何処が優勝トロフィーを手に入れるのか…。
さらに各地でサポーターの熱い声援がこだまするんでしょうね~。
野球もサッカーも、サポーターやファンの熱い声援が見応えでもあるので、その様子を見るのも楽しみの1つでもありますよね。
今年もきっと盛り上がるのだろう。
テレビで中継を見ていると、一生懸命に声援を送っている様子などを見ているのも、スポーツ観戦の1つの醍醐味でもある。
応援歌とか聴いてるのも自分は好きだ。
きっとスポーツ観戦がお好きな人には、お気に入りの応援歌や、テーマ曲があるのでは?
そんなスポーツ観戦で近年よく聴くであろう「セブン・ネーション・アーミー」という曲。
あの「オッオッオ、オ~オ」って掛け声が有名なチャントとして名高い曲ですね。
サッカーのチャントとしてよく聞くし、MLBなどでもゲーム途中でBGMとして掛かっていたりする。
観客の人も曲に合わせて一緒に掛け声を上げてる場面が中継で流れてたりしてて、セブン・ネーション・アーミーの浸透度がワールド・ワイドなのが伺える。
去年も「チャント」という記事で取り上げたが、もうじき始まるスポーツの季節に合わせて今一度書き起こしてみた。
まずこの「セブン・ネーション・アーミー」は、アメリカミシガン州はデトロイトのバンド「ホワイト・ストライプス」の曲。
1997年~2011年まで活動をしていたバンドで、姉妹と称していたが、実際は夫婦であり、離婚するもバンド活動を続けていた。
時は1990年代にポップや、R&B、ヒップホップに勢いを押されて、減速がちだったロックが、再び昔のように勢いを取り戻そうとしたムーブメント、「ロックンロール・リヴァイバル」の急先鋒のように語られるバンドだ。
このバンドの特徴として真っ先に挙げられるのが2ピースバンドだという事。
そう、極めてシンプルなのだ。
メグが叩くドラムスに、ジャックが弾くギター。
基本この二つでホワイト・ストライプスのサウンドは成り立っている。
ちなみにジャックはギターのみならず、オルガン、アナログシンセサイザーや、ピアノなども弾き、ドラムもこなすというマルチな才能を発揮している。
バンドの音楽性はジャックがその昔、サン・ハウスなどの古いデルタ・ブルースや1960年代のロックを聴いていた事などがあり、ブルースや、古典のロックのフィーリングが随所に漂っている。
不思議な事に2ピースなのに、あんまりそんな感じがしない、むしろその特徴を最大限に生かしているような節もあるサウンドが凄い。
ジャックのロックの猛々しさに、ブルースの曖昧さをエッセンス的に調合したようなギターサウンドがバンドの持ち味の一つだ。
音を轟音に響かせ、叫ばすようにしていたり、不思議なトーンで奏でてみたり、金切り声のような音を立ててみたり、思いっきり歪ませてみたりと、エフェクターを駆使し、そのシンプルさを最大限に生かしたものになっている。
独特なギターサウンドの研ぎ澄まされた荒々しさたるや…って感じか。
グラミー賞も多数獲得しており、バンドのイメージカラーを赤・白・黒に統一させるなどして、その特異性を際立たせている。
稀有なバンドだ。
バンドは2011年に解散。
現在ジャック・ホワイトはソロ活動をしている。
「セブン・ネーション・アーミー」は2003年に発売されたアルバム「エレファント」に収録されている。
一曲目のオープニングナンバーだ。
メグのバスドラに、ハイハット、フロアタムを中心とした立ち上がりと、ベース音を思わせるような単音フレーズをギターでジャックが弾き、そのリフがひたすら高い中毒性を発生させている。
曲の盛り上がりの部分ではギターをスライドさせて、メグがひたすらライド・シンバルを叩くインテンスな魅力が曲のシンプルさに加味されて、ひたすらその中毒性を盛り上げているようだ。
このラインが件のあの掛け声なんですよね~。
曲はアルバムから第一弾シングルとして発表されてイギリスで初登場7位を記録。
アメリカでは総合チャートのビルボード・ホット・100で76位を記録し、グラミー賞ではジャック・ホワイトが最優秀ロック・ソング賞を獲得している。
そして面白い事に「セブン・ネーション・アーミー」は後年になってヨーロッパ各地のシングルチャートで上位を記録している。
2006年イタリアで3位を記録し、2008年にはスイスで3位、ドイツで4位を獲得するなどして、発売された2003年からの時間差でシングルとして売れているわけなんですよね。
本曲が時間差でヨーロッパで売れたわけ…。
まず本曲は2003年にイギリスで本国アメリカよりも、チャート・アクションが良かったというのは外せない事実だ。
同年イタリアはミラノのバーで、サッカーチームである、クラブ・ブルッへのサポーターがチャンピオンズ・リーグを観戦していた際に、対ミラノ戦で本曲を大合唱していたそうだ。
時代は流れ、2006年サッカー、ドイツワールドカップでの事。
決勝でイタリア代表マテラッティに、ジダンが頭〇きををして、一発レッドカードになったと記憶をされている方も多いのでは?
それは良いとして、優勝したイタリア代表の選手達が「セブン・ネーション・アーミー」を大合唱した事がきっかけで大衆文化、取り分けサッカーでの応援歌、チャントして根付くようになり、2008年にスイスとオーストリアで共同開催されたUEFA・ユーロ・2008では試合前の入場曲に、続く2012、2016でもゴール後のアンセムとして使用されている。
そういった経緯もあり、ヨーロッパチャートでは2006年位から上位に入ったりしているんでしょうね。
こうして大衆文化、サッカーのアンセムとして根付いていった「セブン・ネーション・アーミー」は2018年FIFAワールド・カップロシア大会で、公式入場曲として、試合前の入場曲に使用された。
動画はユーロ大会2016年の一コマ。
大合唱がこだましてますね~。
ヨーロッパのサッカーシーンで根付いた本曲は他のスポーツにもアンセムとして、伝播し普及していったというわけか。
確かJリーグでも合唱している場面が見受けられますよね。
MLBでも試合間のBGMとして流れているし、調べてみるとプロ野球の日本ハムファイターズ所属、松本剛選手のチャンス・テーマになっているそうだ。
覚えやすい中毒性を秘めたリフに、シンプルなバンド・サウンド…。
色々な条件が重なり今や、一大アンセムとなったわけだ。
ちなみにタイトルの「セブン・ネーション・アーミー」。
ジャック・ホワイトがその昔、救世軍(Salvation Army)を(Seven Nation Army)と勘違いしていたらしく、このタイトルになったそうだ。
そして分かり易いリフと同時に、曲に込められたメッセ―ジ。
これもアンセムになった1つの要因たるかもしれない。
曲の序盤のリリックだ。
撃退や、相手が複数である事、そして押しとどめる事はできないといった言葉のニュアンスが、サッカーの試合中の一コマにピタリとハマったのかもしれない。
ドリブルをしていく選手に襲い掛かる相手ディフェンダーのような感じか。
そしてあのリフだ。
「オ~ッ、オッオッッオッオ~オ!!」
盛り上がらないわけないか(^^)/
果たしてホワイト・ストライプスが本曲が一大アンセムとなった事に対して、予想していたかどうかは分かりませんが…。
これからのシーズン、スポーツを観戦しているとひょっとしたら「セブン・ネーション・アーミー」がBGMとして流れていたり、観衆が掛け声を上げたりしている場面に出くわすかもしれない。
夏にはヨーロッパが舞台のパリ五輪も控えているし。
曲に潜んだ事や、アンセムとして広まった背景を知っていると、また感じ方も変わるかも。
本曲が収録された「エレファント」は発売から20年が経ち、それを記念して周年記念盤がリリースされた。
今聴いても色あせない、シンプルにして、メグのドラムと重なり合い、複合体として放たれ唸りを上げるジャックのギターもまた魅力的な好きなバンドだ。
最後にジャックがソロとなってから2022年に行われたグラストン・ベリーフェスから「セブン・ネーション・アーミー」のライブバージョンを。
観衆の合唱がいかに強固なアンセムになっているかが伺えますね~。
記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!
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