貧すれば鈍する
コロナ期の雇用調整助成金ですが、従業員を休業させていないにもかかわらず、休業させたと偽り、助成金を不正受給した会社で判明しているものを和歌山県が先日、公表しました。
本当に恥ずかしい話なのですが、高野山内の寺院も2つほどリストアップされていました。近いうちに、高野山内の寺院すべてに監査が入るでしょうね。場合によっては今後、さらに数が増えていくかもしれません。
今回の助成金問題以外にも、お寺というのは非常に特殊な存在で、『修行』という大義名分を振りかざして、タダ同然で人を使いつぶした挙句に、少しでも反抗的な態度を見せようものなら、『ここから出ていけ』と追い出してしまうというのは高野山内でも割とよく聞く話です。恥ずかしいし、嘆かわしいですね。寿命を全うした後で、あなたたちは空海様にどの面下げて会いに行くつもりですか?と問いたいところです。
第二次世界大戦が終わって間もない頃の話ですが、山口良忠という検事がいました。この方は戦後の食糧難の時代にあって、闇米に手を付けることを拒否して、最終的には栄養失調が原因となり亡くなってしまいました。
ここまでいくと極端すぎますが、人一倍の高潔さを求めたいですし、自分自身もそうあらねばと思います。
お坊さんというのは他者からの施しによって生かされています。その本分に立ち返らない事にはいつまでたっても、「これだから、お坊さんというのはだらしのない人種だ」と世間から冷たい目を向けられてしまうことでしょう。仏教離れを嘆く前に、私たち僧侶がやらなければならないことは他にいくらでもあるはずです。
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