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知識探求2『最後の秘境 東京藝大』

最後の秘境 東京藝大 著:二宮敦人 様

私が大好きな作家である二宮敦人さんの人気作品であり、東京藝大の方々に話を聞いて如何程の変人の集まりなのかを本に残した作品である。
漫画化もされていてそちらの方は読んだことが無いが、後々読んでみたいと思う。

まず国立大である東京藝術大学は倍率が2桁、10倍を超えることが多い、入るのも高難度であり、自分の好きな専攻があるのであれば定員に入る為に個性を磨くのである。

またその努力が報われるとも限らない。
やはり天才が多いのだろう。
努力+天才=合格
芸術の道に入った事があまりない為私には分からない。

財力も必要で、器楽なら楽器やレッスン代、ドレス代。
油絵なら高価な絵の具やキャンバスを大量に消費する。

やはり何かを学ぶことはお金がかかるもので、親が負担する事が多い為、生まれた家庭の財力の有無で決まりやすい。

個人的に面白いと感じたのは工芸科漆芸専攻の佐野さんと大崎さんのお話。
個人趣味で絡操り人形を製作し漆塗について学んでいる佐野さんと、漆塗りについて語っている大崎さん。
何方も理由は違えど漆塗りの美しさに取り込まれた人達で、漆で手がかぶれようとも漆塗りを続けている。

佐野さんについて調べてみた所、漆芸家 佐野圭亮として活動されていたようだ。

佐野圭亮さんのサイトURL↓


作品の写真も載せてあったので拝見したのだが、「揺らぎに咲く」や「風の原石」の様に、表面装飾が絢爛であったとしても中の棗(?)の漆塗りが丁寧に塗られていた。

また、個人的に1番気になったのは「現の秤」で、全体的に滑らかな形をしていて、そこに光が当たることによって曲線に光のラインが出来ているのがとても艶やかに感じた。

芸術に触れる事が少ない私にとってこの本は、自分自身の常識というのがどれだけ凝り固まった物なのかということを認識させてくれる本だったと思う。
目の前の仕事や勉強に縛られず、自由に生きる藝大生達の話を知り、常識から外れていく面白さという物も知れて良かった。


ここまで読んで下さり有難う御座います。
次の本を読み終わりましたらまた知識をまとめに来ます。

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