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人はすでに自由なんだと思う

リチャード・バック『イリュージョン』の作品中、こんな話があった。

(あいまいな記憶を頼りに書いているので、正しくない箇所があるかもしれませんが、大筋はこんな感じ)

ある晩、主人公リチャードと、ドンが焚き火を囲んで話していると、一人の見知らぬ男が現れた。

警戒して2人が立ち上がり、その男を見つめた。
その男は申し訳なさそうに、こう切り出した。

見知らぬ男「言いにくいのですが、血を、少し飲ませていただけませんでしょうか。私はヴァンパイアでして、毎日少しだけ生き血を飲まなければ行けない体なのです。」
リチャード「なんだって!生き血を分けてやるだなんて、ごめんだね!どうして僕が血を分けてやらなければいけないんだ!」
見知らぬ男「…私だって、好きでヴァンパイアをやってるわけではありません!このようにして生まれてしまったんです!お願いです!少しだけで構わないんです。」



リチャードは結局生き血をやらず断り、見知らぬ男は立ち去った。

ドンはリチャードにこう告げた。
ドン「わかるかい?君が生き血を与えるか与えないかは、君の自由なんだ。誰に強制されるわけじゃない。あの男が生き血をもらえなくて悲しむのも、あの男の自由だ。人はみな自由なんだよ。」

と、細かい部分は違うが、こんな感じの話だった。

人は生まれながらにして、自由である。法律とか、道徳とか、世間の目とか世の中には色々あるように見えるけど、自由なんだ。それは幸福とか不幸とか関係なく、現実のそれとしてすでに存在することなのではないかと思う。

ありがとうございます。マイペースで発信していくので、ゆるりと楽しんでください。