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行きつけの美容室の口コミを書いて浮かび上がるマイドリーム。

今住んでいる地域に越してきてから、かれこれ5年通っている美容室がある。

自分と同年代のご夫婦+アシスタントさん1名で営む瀟洒な美容室。指名料やシャンプーの売り込みもなく、いつも満足いく仕上がりな上、スピーディーで、過不足ないサービスに満足している。

そして今時珍しく、このお店はホームページがなく、SNS等もやっていない。

WEB広告の勉強を始めたばかりのとき、カットに行き、そういうのやらないんですか?と聞いてみたら、ご主人である店長さんが『あぁ、そういうの面倒でね…やった方がいいんだろうけどね』
という返答だった。

すでにリピート客が多くいるので、お客さんを増やそうとか、店を拡大させようとか、そういう願望がないようなことも言っていた。

もうここまできたら、そういうのをやらないという価値がありますね、隠れ家的な感じで。と私が言うと『それでいきます』と、笑った。

店長さんは口数少なく、ともすれば無愛想な部類に入るかもしれない。奥さんが『客商売なんだからもう少し愛想良くして欲しい』と思ってそうな雰囲気をたまに感じるほど。

ただ、私は営業トークしてくるような美容師さんが苦手なので、話しかければ普通に答えてくれるくらいの対応で十分満足している。

Google広告の勉強ついでに、Googleマップに出てくるお店への口コミ投稿で貢献できたらと、以下のように書いてみた。

スピーディーな上、いつも要望通りどころか、それ以上の仕上がりに感動します。伸びてきても粗が出ないのは、本当に技術が高いのだと思います。それなのにカットは3400円とリーズナブル。どこかいい美容室知らない?と友達に聞かれたら迷わずこちらを紹介してます。
追記:あと、シャンプーなどの商品の売り込み等も一度もされたことないです!

Googleマイビジネス

投稿してから2ヶ月くらいのときに『おめでとうございます!100人の人がこの投稿を見ています。もっと口コミを投稿しましょう』みたいな通知が来たりした。おっ、役に立ててたらいいなぁ、と思いながら、数日前、4ヶ月ぶりにカットで再訪した。

相変わらず朴訥とした店長さんが、シャンプーを終え、髪を切り始めて5分くらいしてから、もしかして口コミ書いてくれました…?と聞いてきた。

少し私も照れてしまって、えーと?あ、はい、しましたね、と言うと、

『以前店で働いていたときは、上司とか社長とか、お客さんでも、褒めてくれる人がいたんだけど、自分で店を出してからは、褒められるってことが全然なくて。自分ではできてると思ってても、お客さんがどう思ってるのかってわからなくて。だから…本当に嬉しかったです。ありがとうございます』と。

そうなのか…意外とみんな感謝や感想を伝えないもんなんだな…と驚きつつ、書いて良かったなと思った。

そして、良いと思うものに対してそれを表現しないのは、本当にもったいないと実感した。

サービスを提供してくれる側も人間なので、それを伝えることで人間関係も良くなるし、相手のモチベーションが上がれば、サービスやクォリティ向上に繋がることもあるのではないか。良いことしかない…

この出来事で、『魅力を言語化すれば皆が幸せになれる』と確信した私は、ゆくゆく自分が始めたいビジネスは、何かわからないけど、こういうことなんだよな。と思った。
そして、仕事だけじゃなく、人生の理念としても掲げたいと思った。

追記:そこからさらに半年後。
私のカットを嫌がるようになった長男も一緒に切ってもらおうと美容室を訪れたところ、会計の際に
「今日、息子さんのカット代はいりません」と言われた。
えっ?と聞き返すと、店長さんが照れたように
「書いてくれた口コミのおかげかな、と思うようなお客さんが増えたので、このくらいサービスします」
と言ってくれたのだった。

自分が好きでやっていることで、相手に喜んでもらえることというのは、モチベーションアップに繋がるな、と改めて感じ入った。これを生涯の生業にしていきたいとも。
この喜びで、しばらく温かい気持ちで過ごすことができた。

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