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【カイ・フランク展】自然と、アートと、生活と。

神奈川県立美術館で行われてる「カイ・フランク展」を見に行ってました。カイフランクは、フィンランドのデザイナー。


有名どころでいうと、『イッタラ』のティーマとか、カルティオのデザインをした人。そのほか、アラビア、アルテック、ヌータヤルヴィ、などなどのデザインもしてます。

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(家にあるティーマやらカルティオやら)


私は、元々北欧食器のバイヤーをやっていたので、「これは、マストゴーでしょ!」ってことで行ってきました。


結果。

感動レベルでよかった!!!!



同じ場所でコレクション展として『音をみる、色をきく〜美術が奏でる音楽』というのもやっていて、それを見てからの、「カイ・フランク展」だったから、余計におもしろかった。


そのコレクション展では、「音楽」を「美術」で表現していて。説明文に、『抽象的な音色に色彩を当てはめるように表現している』というようなことが描いていて、「芸術家」ってつくづく、「目に見えないものをどう形にするか」なんだなーと思った。



そんなんで、カイフランク展。

写真、ほぼNGだったので、何もないんだけど。もうもう、感動しすぎて、胸が苦しくなって、しんどかった笑


特に特別なことはない、造形別、年代別に、カイフランクがデザインした作品が並べられているだけ、と言えば、そうだったんだけど、何でしょ。その作品の奥から感じ取れるものが、莫大にあったという感じ。

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この前、コミュニティメンバーと話してた時に、「縄文土器展に行って、縄文土器を見た時に、涙が止まらなかった」という話しを聞いていたのだけど言っていたのだけど、私は、それの北欧食器バージョン笑

彼女は、「自分が昔作っていたような感じ」と言っていたけど、私は、そういう感じではなく(年代的にも合わないし笑)、ただただ、その作品から感じ取れるものの情報量と、自分の持ってる「何か」がマッチしたという感じ。



特に、カイフランクは、「生活で使えるもの」としての作品作りをしていて、幾何学的でデザイン性の高いものではあるけど、日常でも使えるようなシンプルさと合理性も持ち合わせている。


私が好きなアーティストたちは、みんな、このバランスが良い。去年、同じ美術館でやっていた「アルヴァ・アアルト展」も、そうだった。高いデザイン性を持ち合わせながらも、実用的で長く使えるような設計になっていた。
(アルヴァ・アアルトは、建築家、家具インテリアのデザイナー)

私が敬愛する岡本太郎も、端から見たら「芸術は爆発だ!」としか見えないけど、ロジックと感性のバランスが天才的に良いとも言われている。



カイフランクは、生まれ育ったフィンランドの雄大な自然に影響を受けながらも、その自然の風味を作品に残しつつ、日常で使える作品をたくさん作り出していた。


私は、カイフランクの作品の「色」がめちゃめちゃ好きで。『作られた色』をしていないというか、「あー、きっと、フィンランドの森林はこういうモスグリーンをしてるんだろうな」「フィンランドの空は、こんなターコイズなのか」「このグレイは、フィンランドの冬の朝になりかけの空かな」と、それが合ってるかはわからないけど、その色から、「フィンランドの自然」を存分に感じられる。


そして、「造形」にかなりこだわっていたのは、その「自然」と「生活」の調和を取っているかのようだと感じた。

生前、日本に3回ほど来たことがあるらしく、来日時に撮った写真も展示されていて。そこで映し出されていたものは、農村の風景や、そこで働く人が主だった。あとは、松とか花とか枯山水の砂紋のような模様とかが写真に収められていた。当時の日本とフィンランドの生活は、結構近いそうだけど、何かシンパシーやインスピレーションを感じていたのかなーと思う。

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そんなんで。カイフランクが作り出す綺麗な造形とフィンランドや北欧の自然を彷彿とさせる色合い。万人に受け入れられるデザインと、日常的に使えるその機能性。

私が、好きな、「目に見えないもの」を「目に見える形」に、「アート的な感性」を「日常的な生活」に落とし込めている、その美しさに、胸が打たれて、もはや、これは恋なのではというくらい胸が苦しくなったのだけど笑

私も、もっと、色んなものを生み出したくなった。



全然関係ないけど、「アテネの朝」が、欲しい笑。やっぱ、実物は、綺麗だった。
(サンタさん・・いづこʕ•ᴥ•ʔ)

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★カイフランク展、激しく、おすすめ!もうすぐ、終わるので、お早めに。

【カイ・フランク展@神奈川県立美術館 葉山】
12月25日(水)まで
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2019_kajfranck


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