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【声優・堀江瞬さんインタビュー】京都画壇の青春展 音声ガイド収録を終えて

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京都国立近代美術館の開館60周年を記念した展覧会「京都画壇の青春―栖鳳、松園につづく新世代たち」。皆さん、もうご覧になりましたか?
明治末から昭和初期を近代京都画壇の青春時代ととらえ、京都で活躍した芸術家たちに注目する展覧会。革新的な日本画を目指した土田麦僊を中心に、仲間の小野竹喬、先輩の上村松園、師匠の竹内栖鳳らの代表作約100点が紹介されています。

本展の音声ガイドナビゲーターを務めるのは、声優の堀江瞬さんです。収録後、堀江さんに、お話を伺いました。

―音声ガイド初挑戦ですね。収録で気を付けた点や意識したことなどはありますか?

堀江さん 原稿をいただいて、家で練習をしている時、現場でディレクションが加わっても対応ができるように、実は色々なパターンを考えていました。セリフとして誰かが喋っているような芝居口調の箇所が多かったので、淡々とクールに読むのを用意したり、ポップに少し崩しながらも、伝えるべきところはきちんと伝えるようなものを用意したり・・・。皆さんが聴いて、“耳が楽しい”読み方が出来ると良いな、と思って収録に臨みました。
それに、混雑などを考慮したテンポ感も意識することで、読み方に様々な奥行きが見えてきて、すごく楽しかったですし、僕自身勉強になることが多い収録でした。

【音声ガイドのナレーション収録に臨む堀江さん】

―今回音声ガイドを読んでいただいた中で、気になる作品はありましたか?

堀江さん どれも印象に残る作品ばかりだったのですが・・・。特に気になったのは、上村松園の《舞仕度》です。松園さんは、周りから何を言われようが、自分のやりたいことを貫き、自分の表現を守る、そういう人だったのかなと思います。
声優という仕事にも少し似た部分があって、みんなが望んでくれることをやる一方で、自分というものを確立するということも、あるべき表現の仕方だと思うんです。だから、彼女の生き方が素敵だなぁ~と。

上村松園《舞仕度》1914(大正3)年
京都国立近代美術館

―ガイドに登場する個性豊かな芸術家たちの中で、好きなキャラクターはいましたか?

堀江さん 土田麦僊と小野竹喬の二人です。「青春物語」の主人公的な存在である麦僊と、彼を支えてくれる良きライバルの竹喬。二人は真反対な性格なのに、切磋琢磨して、お互いを高め合っていくうちに、どんどん共鳴して親友になる・・・。少年漫画みたいで、とても良い関係性だなと思いました。
声優というお仕事をしていると、「俺、今ノッてる!」って自信がある時とか、逆に「スランプかも・・・」と思っている時とかは、そういう“空気”が表現に乗るんです。多分、麦僊や竹喬も、描いた絵にそういう“空気”が乗ってたりするんだろうなぁと。そういうことを想像しながら見るのも楽しそうですよね。

―展覧会テーマ「青春」にちなんで、堀江さんご自身の「青春」エピソードがあれば教えてください。

堀江さん 実は僕は学生時代、みんなが経験するような、いわゆる“青春行事”をあまりやったことがなくて・・・。でも逆に、今のほうが青春してるかな?と思います。色々な場所に友人と出かけたりして、今まさに、青春を取り戻すように生きてるのかもしれないです。
そうそう!この前、プライベートで沢田研二さんのライブに行ってきたんですけど。僕の後ろのほうの席で、乙女三人組みたいなおばあちゃんたちがいて。キャーキャー言いながら、「あの頃と何にも変わらないわね」とか言っているのが聞こえてきて、「この方たちはずっと青春してるんだ!」と思いました。青春って、年齢じゃないんです。今、心を動かされるものがあって、それに向かってキラキラした心を持っていたら、それが青春なんだなぁ・・・って、すごくほっこりしました。

―素敵なエピソードですね!最後に、音声ガイドを楽しみにしている方へ、メッセージをお願いします。

堀江さん 音声ガイドのナビゲーターをやるのは、僕の夢のひとつでした。仲の良い役者がナビゲーターに選ばれているのを見ると、実はちょっとうらやましいなと思っていて。本当にずっとやりたいと思っていたので、嬉しかったです。
収録前はすごくドキドキしていたんですけど、実際は、緊張よりも「どういう風に読もうかな」と考えて挑戦する楽しさが上回りました。色々な表現を声に乗せることが出来た収録だったので、ぜひ皆さんに聴いていただきたいです。会場でお楽しみください!

【音声ガイドナレーション収録後の堀江さん】

―堀江さん、素敵なお話をどうもありがとうございました!

まさに“今”青春を感じている、という堀江さん。そのエモーショナルな語りとともに、京都画壇の若き芸術家たちの素晴らしい作品の数々を、ぜひご堪能ください。(オノデラ)

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Twitter: @ADaudioguide @kikubi_AG
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―展覧会概要

「開館60周年記念 京都画壇の青春―栖鳳、松園につづく新世代たち」
会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町26-1)
会期:2023年10月13日(金)~12月10日(日)
※会期中、一部の作品は展示替があります。
休館日:月曜日
開館時間:午前10時~午後6時(金曜日は午後8時まで夜間開館)
※入館は閉館の30分前まで

ー音声ガイド概要

【会場レンタル版】
展覧会会場入り口にて、専用ガイド機を気軽にレンタル!

収録時間:約35分
貸出料金:お一人様1台600円(税込)
※展示替に伴い、一部欠番がございます。

【アプリ配信版「聴く美術」(iOS/Android)】
アコースティガイド・ジャパン公式アプリ「聴く美術」でも好評配信中!

配信期間中は、いつでもどこでも何度でも視聴可能。
アプリ販売価格:700円(税込)
配信期間:2023年10月中頃~12月末までを予定
※一部の作品は、画像の表示がございません。

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※事前にダウンロードしてからご来館いただくことをお勧めします。
※お使いのOSのバージョンや機種によって、ダウンロードできない場合がございます。
※展覧会場内でご使用の場合は、ヘッドホンもしくはイヤホンをご利用ください。
※会場内での通話、スマートフォンのカメラ機能の使用はご遠慮ください。

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