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株主との対話と開示の事例紹介①

皆さま、こんにちは。
アクロポリス・アドバイザーズです。

今回含め今後3回に分けて、東京証券取引所が公表した『「株主との対話の推進と開示」に関する企業の対応状況とフォローアップ』の内容を受け、企業が対応・公表した具体的な開示の内容について紹介していきたいと思います。

そして今回は、KOBELCO(株式会社神戸製鋼所、以下KOBELCO)の対話と開示内容について紹介いたします。
KOBELCOが公表した資料については、以下の資料をご覧ください。
資本市場との対話について【2022年度】


■資本市場との対話と開示についての方針

開示の基本的な姿勢

KOBELCOは、情報発信は資本市場との対話のツールであり基盤である、という認識をしており、規則で要求される情報開示だけにとどまらず、積極的かつ分かりやすい情報発信を自発的に行うことを基本姿勢としています。

また、グローバルに事業展開を行う企業として、開示の英訳の充実や、HPの英語版・中国語版の作成に取り組むとしています。

資本市場との対話の体制

KOBELCOは、中長期的な株主の利益の向上につながる投資方針を持つ主要な株主との間で必要に応じて対話を行うという方針を定めています。

主に以下のような体制で、資本市場との対話を実施しています。
◎総務・CSR 部を総括する取締役が統括し、総務・CSR 部を担当する執行役員がこれをサポート
◎投資家が希望する面談の内容が多岐にわたることが考えられるため、その都度、その内容に応じて、経営陣または総務・CSR 部が選択した面談部門、メンバーが対応

■資本市場との対話について

KOBELCOが2022年度に実施した対話についての実績が開示されています。
誰が対応をしたのか株主はどのような属性だったのか面談の回数などについて示されています。

資本市場との対話について【2022年度】

また、対話の主なテーマや、実際に行った面談の具体例、加えてその対話の進行状況についても開示されています。

対話の主なテーマについては、ESG等の非財務情報に関する内容企業価値向上に関わる内容その他IRに関することが挙げられています。

資本市場との対話について【2022年度】

資本市場との対話の実例には、どのような要求・質問があり、どのように返答したかが示されています。
中央のアイコンは、対応実施・対話を継続・検討中を示すもので、対応を実施したものもあり、建設的な対話が企業活動の改新に繋がっていることが見て取れます。

資本市場との対話について【2022年度】

■社内の体制について

総務・CSR 部や、それを総括・サポートする取締役や執行役員が行った資本市場との対話の内容は、定期的に共有が必要な対象(取締役会メンバー等)に対しそれぞれ報告が行われます。
具体的な報告内容については以下の通りです。

資本市場との対話について【2022年度】

■対話を踏まえて取り入れた事例

KOBELCOがこれまで行ってきた資本市場との対話を踏まえて、実際に行った取り組みと実施予定の取り組みが紹介されています。

資本市場との対話について【2022年度】

■おわりに

ここまでご覧いただきありがとうございました。

今後、特にプライム市場上場企業の経営陣やIR担当の皆様は、株主との対話やその開示について、より一層求められることと思います。
この記事が上記の方々に限らず、株主との対話について検討している方々の前例の把握に役立つことを願っております。


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