親子で一緒に性のワークショップ
「ここからはじまるからだのはなし」。
4歳から小学校低・中学年向けの性教育ワークショップを開催しました。
親子で一緒に私達手作りのシール絵本をつかって、女性・男性の(生物学的な)からだの違い、生殖行為としてのセックス、受精の仕組みを学ぶ内容です。
今回はasobi基地さん主催で、ゆったりした、くつろげるリビングのような場所が会場。
『ここに住みたい!』と部屋に入るなり叫んだ子がいたほど。
私もその気持ち分かる。笑
そんな場所で参加者の親子が隣に座り、シール絵本を使ってワイワイとした雰囲気の中のワークショップとなりました。
まずはasobi基地さんからこの場のグランドルールの解説がありました。
いくつかあるのですが、その中の一つ『コドモもオトナも全ての人が平等』に則って、その場にいるこども、保護者、スタッフ全員で自己紹介。
名前、住んでる場所、好きなことを一人ずつ話します。
こども達は自分の親が自己紹介する姿を見て何故か盛り上がってました。
その後ワークショップがスタート。
シール絵本を配ると、こども達はみんな興味津々でページをどんどんめくり出します。
「とりあえず表紙から行こうか」、と促し生物学的な男女の外見の違いを確認することから始めます。
シール絵本の表紙に描かれた二人の裸を見ながら、二つの絵の違いをみんなで考えてもらいました。
『こっちはオッパイが大きい!』
『ちんちんがある人と無い人』
ポンポンと答えが出てきます。
『毛があるから大人だね』という声も。
外から見たからだの違いを確認しページをめくると、透明のOHPシートに心臓、肺、消化管といった臓器が描かれています。
すると、『体の中は同じだ!』と。
さらに『あれ、でもここは違う』とOHPシートから透けて見えるものに気づく子が出てきました。
OHPシートをめくると、子宮・卵巣、精巣が出てきます。
ここで(生物学的な)男女の臓器の違いの話を。
子宮を指差して『ここは何かな?』と私が聞くと、『赤ちゃんが育つ場所でしょ』とか『膣かな?』との答える子が。からだの事に興味を持っているらしく、ワークショップ中ずっとバシバシと答えてくれてました。
そして精巣を指差して聞くと『たまたま!』と元気な回答が。
一人の男の子は「僕、それ持ってないよー」と。横にいた保護者の方が「あるよ。今度お風呂で見てみよう」と教えてました。
まだ精巣が発達していないため小さく、自分にある実感が無い様子。
まずは『女の人のからだをもって生まれた人』。卵巣と子宮の話を。卵巣の中にはたくさんの卵子があると教え、卵子シールを卵巣にペタペタ。
このシール、シートから剥がしにくくちょっと苦戦する子もいますが、親子で協力する気持ちを生み出すきっかけになるとも考えています。
今度は『男の人のからだをもって生まれた人』。精巣の話に移ります。精子のシールを精巣に張ります。このシールは「金魚みたい」と好評でした。
そして生殖行動としての性行為の話へ。膣にペニスが入っている絵に射精された精子のシールを貼ります。「たくさんの精子が進むんだねー」と感心している子がいました。
受精卵が育っていく様子もシールを貼っていきます。精子と卵子が卵管の中で出会い、受精卵となる。その後卵管の中を移動しながら細胞分裂が進んでいく。この話は参加した保護者の方も知らない人が多かったです。
子宮内で胎児が育っていく様子にうつります。5週目の胎児のシールをみて「トカゲみたい」、「エイリアンみたい」とコメントするこども達。「小さな赤ちゃんだよ」と教えるとびっくりしていました。
子宮内で大きくなった赤ちゃんのページでは「これがへその緒でしょ」とすぐに答えてくれていました。
参加したお子さんは3歳から6歳。性の話に詳しい子もいましたが、多くの子にとっては聞いたことも無いことばかり。
そこで、学んだ内容が自分自身のことと繋がるように、保護者の方からこどもがお腹の中にいた時の思い出話もしてもらいました。
『よくお腹をキックしてて、カカトの出っ張りを触れた』
『予定よりずっと大きく産まれて驚いた』
『前置胎盤のため帝王切開になった』
子どもは自分が子宮の中にいたときの話を聞くのが好きなことが多いです。このワークショップでもこの思い出話は自分のことも、他の子の話もじっと聞いていました。
最後は表紙の裸体に色鉛筆でイラストを加えます。
そもそも、女の子、男の子ってなんだろう。子宮があれば女の子?精巣やおちんちんがあれば男の子?
性別は自分で決めていい! そして、性別などに関係なく好きな色、好きな形の服を着よう! そう説明した後とりかかってもらったのですが。。。
子ども達はそんな話は関係なく全く自由!!結婚式の衣装を書いたり、ゴールドとシルバーで前衛的な感じにしたり、秋の食べ物を描いたり。ひとりひとり個性的で素敵な洋服が仕上がりました。
最後に、性の発達についてのお話しを。
とある女の子が「○○ちゃん、おちんちんがある」と言うという話から始まったのですが、ちょうど4,5歳頃は自分の性別に気付き始めるころです。
男の子のからだを持って生まれたこと、女の子のからだを持って生まれたことに気付き、その違いも認識し始める時期。中には、自分のからだの性別に違和感を持ちはじめる子どもがいることもお話ししました。
このワークショップ一回では性の話を全てカバーすることは出来ません。またこどもによっては内容がちょっと難しく、理解するのが大変かもしれません。だけど、親子で性の話題を共有したことで今後家庭内で性教育を進めるきっかけになると考えています。
たまに私達のシールブックを見返しながら、性に関する疑問や興味を親子で深めて下さると嬉しいな。
(以下、2020.04.30追記)
こちらのワークショップの教材をもとに、説明の文章をいれた絵本を公開しています。無料ダウンロードも可能です。
こちらのシールブックのオンライン販売をはじめました。おうちワークショップを試してみたいかたは下記からどうぞ!
妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone