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【ISS×actcoin】学校のランチタイムに中高生がNPO団体とZoomで対話!?【Chiritumo対話会のイベントレポート】

こんにちは、actcoinスタッフの小畑です。
今回は、東京学芸大学附属国際中等教育学校(以下、ISS)とactcoinで実施している「ISS×actcoin Project」で開催したイベント「Chiritumo対話会」をレポートします。

なんとこのイベント「学校のランチタイムを使って、ZoomでNPO団体と会話を行う」というチャレンジングな企画でした。ただ30分という短い時間ながら、生徒たちのとても熱心な質問に、NPOスタッフも弊社スタッフも感心しきりでした

ぜひ記事を読んでみてくださいね!




【ISS×actcoin】Chiritumo対話会とは?

「ISS×actcoin Project」では、ISSの生徒が学内で実行したソーシャルアクション(=社会貢献活動)を、アプリ及び特設ページで見える化しています。

さらに生徒のアクションの総数に応じてNPOへの寄付を行い、総数が増えれば金額が高くなります。加えて、寄付先の団体は生徒の投票によって決まるようになっており、「顔が見える寄付体験」を実現しています。

そして「Chiritumo対話会」は、生徒の投票によって選ばれた3つのNPO団体と、生徒が対話をする企画です。2023年10月16〜10月19日のランチタイムに開催しました。

Vol.1:PIECES ~子供が子供でいられる社会を目指して~

認定NPO法人PIECES(ピーシーズ)からは藤田 奈津子(ふじた なつこ)さんが登壇してくださいました。

PIECESは「子どもが子どもでいられる社会」を目指して活動しています。誰にも相談できない、孤立してしまう状況から子どもたちを救うため、大人たちにできることを広める活動を行っています。

藤田さんは5年ほど前にPIECESに参画し、現在はPR活動や広報、外部の方とコミュニケーションを取る役割を担当しています。
藤田さんはPR活動を通じて、子どもたちを助けたいと考えている大人たちに向けて講座を開いたり、記事を執筆されています。

例えば、暮らしの中で起こった「優しい」「温かい」「ほっこり」「モヤモヤ」なストーリーを紹介するなどして、子どもの過ごしやすい環境づくりに一人でも多くの市民が関わるようになる活動に取り組まれています。

PIECES 藤田 奈津子さん

生徒からの質問タイムでは、「子どもの貧困問題に携わる中での難しさは何ですか?」という質問がありました。
実はPIECESさんでは「困っている子どもを探す」ということはしていないそう。子どもを助けたいと考えてる大人の方から「困っている子どもを見つける方法が分からない」と時折相談を受けますが、その目線では本当に困っている子どもは見つけられないというのがPIECESさんの考えです。

誰かに助けてもらうことに萎縮してしまう子どももいるため、まずは子どもたちの友人、知人、隣人として関わるということを広げ、信頼関係を築いた上で子どもが相談しやすい環境を整えるアプローチを取っています。

直接問題に触れにいくのではなく、水が染み渡るような緩やかさでゆっくり、じっくりと子どもに寄り添っていきたい。
PIECES 藤田さんのお話でした。

▼認定NPO法人PIECES


Vol.2:DeepPeople ~デザインの力で社会課題を解決~

NPO法人DeepPeopleさんからは中尾 榛奈(なかお はるな)さんがお話してくださいました。中尾さんは大学卒業後、DeepPeopleに就職し12年間活動を続けていらっしゃいます。

DeepPeopleは「デザイン」をキーワードに社会に貢献する人の育成を目指す団体。日頃から学生たちと共に社会課題を解決する商品開発を行っており、直近の2019年には食べ残しNOゲームという商品を開発しました。

「食べ残しNOゲーム」とは、その名の通りフードロスについて学べるボードゲームです。プレイヤーは飲食店の店長となり、いかに自店のフードロスを減らせるかを競います。お客さんの食べられる量に合わせて料理を選ぶことや、食べ残しになる要因などを学ぶことができ、「社会課題解決」という言葉の難しさを感じさせない画期的なゲームとなっています。

こちらのゲームは12月に東京ビックサイトで開催されるエコプロ2023ゲームマーケットでも展示予定される予定なので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

DeepPeople 中尾 榛奈さん

生徒からは「社会課題に興味のない層からも手に取ってもらえる商品のデザインは、どうしたらできるのか?」という質問が出ました。

これに対し中尾さんは「食品ロスを学べるということを打ち出すだけではなく、ゲームとしての楽しさも重視している」と回答。また、ゲームマーケットのようなゲーム好きの人々が集まるイベントにも出店することで、社会課題に関心のない層にもアプローチしていけるとお話してくださいました。

目的・機能・用途を考えたデザインや発想で、様々な人の興味を社会課題解決に向ける。
DeepPeople 中尾さんのお話でした。

▼NPO法人DeepPeople

https://www.deeppeople.jp/


Vol.3:SET ~「誰かのため」は「ワクワク」から~

特定非営利活動法人SETからは山本 晃平(やまもと こうへい)さんが、ご登壇。山本さんは大学卒業後すぐに岩手県の陸前高田市広田町に移住し、SETの職員として活動を始められています。

SETさんは一人一人の「やりたい」を「できた」に変え、日本の未来にGoodなChangeを起こす。というミッションの元、ワクワクを起点にした地方創生を目指して活動しています。

皆さんが交通が不便な田舎で具体的な解決案を出すとしたらどうでしょうか? 
恐らく多くの方が「バスの本数を増やす」「個人タクシーを増やす」といった提案をするでしょう。

しかし、SETさんのアイデアは一味違います。
例えば、1人のお婆さんと仲良くなったとします。SETさんが話を聞くと、どうやらもっと人と話したいという希望があるそう。そこで「地域内タクシーのような形で地域の人々が市街地に行く際にお婆さんも乗せていってはどうか」というアイデアが生まれ、その結果お婆さんは車の中でお話ができ、交通の便も解決します。
このように、SETさんは誰かのワクワクや、やってみたいを形にすることで課題解決にも繋げています。

SET 山本 晃平さん

生徒さんからは「ワクワクを求めると本来の目的から外れてしまう気がするが、ワクワク以外にも大事にしていることはあるか?」という質問が。この質問に対し山本さんは「自分にとって楽しいこと」も「誰かのためになること」も両方大切にしていると回答。

ワクワク感を持っていないまま「誰かのために」を追求し続けるとその内自分がすり減っていくことになります。そのため、SETではまず起点をワクワクに起き、その先で誰かのためになる事に繋げるということを重視しているようです。

ワクワクから誰かのためを発想する。
SET 山本さんのお話でした。

▼NPO法人SET


以上、全3回のChiritumo対話会でした。
どの回でも、この記事に収まらない、たくさんの質問が出ていました。中学1年生でもしっかり質問が出来ており、日々の教育の質の高さを感じました。

このChiritumoの取り組みは、第二回・三回と続いていく予定です。今後も「ISS×actcoin Project」の様子を取り上げていきますので、ぜひフォローいただけますと幸いです。

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