サラのこと？そうね…

久しぶりに聞いた声は相変わらずとっても可愛かったのよ
あまり誉めると天邪鬼だからそっぽを向くんだけど、それもまた子供みたいで愛らしいわよね

彼女と知り合ったのはそんなに前では無いの
古くから知っていたわけでも、何かを共に過ごしたわけでも。
だけど初めて言葉を交わしたときから不思議と彼女の温度とでもいうのかしらね、惹かれるものがあったの

こんな世の中だからなかなか会えないのが惜しいのだけど、寧ろ会えなくて良かったとさえ思う日があるわ

彼女、とっても素敵な恋人がいるの
勿論私はどんな人かも知らないけど、きっと素敵な人よ…、そうじゃなくちゃ困るもの。

彼女とはよく電話をするわ
本当に他愛もない話をするだけ
女って不思議ね、何もない話で何時間も笑って過ごせるんだから退屈しないのよ本当

この流行病が落ち着いたら、彼女と会う話も出てくるかもしれないわ
彼女と会うのを楽しみにしていた時期もあったし、いまでも楽しみにしているけれど
会ってしまうとなんだか現実を見せられる気がするじゃない。

可笑しなことを言うって思うでしょ
自分でもそう思うわよ、何を言ってるのって
彼女はとっても素敵で、どこか繊細で、それを黙っているのが得意で、よく笑うし哀しむけど、感情を表に出すのが下手過ぎるのよ、自信を失くす理由なんかないときに落ち込むから手を差し伸べられないことの歯痒さに笑ってしまう日もあった
そんな時間を再確認する日が来ることなんて、まだ考えもしないわよ、私

また来週電話するかもしれないわ
しないかもしれないけど、わからない

できたらいいなとは思うけど
彼女の前では余裕のある私でいたいの