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道を整えるとは〜人と人が出会うためなんだね

私は地元の山岳会に入っています。
山岳会と言っても「山を歩こう」という趣旨だけではなくてですね。

「山の安全に寄与し、山が本来もつ自然環境を継承し、羊蹄山とニセコ連峰に関わる人たちのコミュニケーションの推進を目的に活動する」

です。

会員は羊蹄山とニセコ連峰を愛し、それらの山に社会的、文化的、または学術的に携わる人たちでボランティア精神を基本に構成されています。

ですので、山のガイドもいれば(あっ私もです)、自然保護監視員に写真家、役場関係や学芸員の方もいるし、飲食店オーナーや北海道らしくハンターさんも!という多彩な顔ぶれが集まっています。

秋に一回だけ「お楽しみ登山」がある他は、清掃登山に外来種の駆除活動、観光へむけた調査作業など、多岐に渡って活動しています。

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そんな活動の中でやっぱり大切なのは、登山道を整備するということ。

ニセコ界隈はいくつもの登山道がありますが、山歩きをする人の数が本州と比べると圧倒的に少ないので、草木が伸び道が荒れやすくなってしまうのです。

9月15日に、兼ねてからの懸念になっていた新見峠にいみとうげ目国内岳めくんないだけの登山道整備に参加してきました。

朝の集合、まだみんな笑顔


ここいらは豪雪地帯なので、チシマ笹が背丈をはるかに超えて伸びまくってしまいます。しかも今年は暑さの影響か、まぁそれはワッサワッサと道を覆ってしまい、笹をかき分けながら歩くような状態でした。

まずは仮払い機で覆っている笹をブンブン切っていきます。
次に刈り残している笹や草を剪定バサミでチョキチョキ切っていきます。
そのままだと登山道が見えないほどモッサリと葉っぱだらけになるので、それをボッコや手作業で横へ退けていきます。

どんなにテクノロジーが発達しても、こればかりは永遠に人力作業がメインではないでしょうか。

なぜなら、土もあれば石や岩もあり、木の根っこがニョキニョキと自由に伸びているので、臨機応変に対応できる人間の手じゃなければ無理だから。

私はチョキチョキ&草退け隊でしたが、当日は人数が少なかったので、それはそれは大変な作業となりました(涙)

これでも刈り払い機で刈ったあとです


ぎゃー!と腰が悲鳴をあげ、ひぃ〜〜〜!と身体が雄叫びをあげまくり。

永遠とも言える作業をする中で頭の中をリフレインしていたこと。

「もう嫌だよう、普通私の歳だったら家でごろんと寝ててもOKなのに、なんでこんなに頑張ってるのさー、誰か助けてよーぅ」

ようやく作業を終え、暗くなる前に下山を始めました。
ふと先を見るとこれから下山するべき軌跡がハッキリと見えるではありませんか!
刈る前は、どこに道があるのかすらわからないような状況だったのに…

ひたすら刈りまくって、草を退けまくった軌跡が!!

                 

そっか、そうだよね。

私は「歩くのが好きで、歩くことで人を元気にしたい」と思っているのだから、そのために「道を整える」というのは当然のことなのだと心に響いてきました。

登山道だけでなく、国道だって町道だって私道だって、道と名づくものだったら、必ず誰かしらが手を入れて整えているんですよね。

だから「歩くことができ、移動することができ、人と自然、そして人と人が出会うことができる」んだなぁと。

身体は雑巾のようにボロボロでしたが、心がほっこりし、達成感に溢れた一日になりました。
もちろん、その後の温泉とビールは最高でした!!


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