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銀座の“ぶーちゃん”

銀座の木挽町に住む
野良猫の“ぶーちゃん”

近寄ろうとすると、
あっという間に姿を消しちゃう。

お世辞にも可愛いとは言えない顔つきで

誰がつけたのかはわからないけど、
“ぶーちゃん”と呼ばれていました。


警戒心が強く
ずーっと誰も寄せ付けずに生きていました。

そんなぶーちゃんが
近所で仕事をする心優しいお姉さまと出会って、
変わっていきました。

心優しいお姉さまは、
この銀座の街で生きているぶーちゃんが
とても心配でなりません。

近寄ろうとするお姉さまに
ぶーちゃんは怖い顔をして
さっと逃げてしまいます。

それでも毎日、
お姉さまは餌を用意して、
ぶーちゃんを待ちます。

姿を見かけると「怖くないよ」と、
話しかけます。

辛抱強く何ヵ月もぶーちゃんを待ちました。

その思いが通じたのか、
ある日、ぶーちゃんの方から
お姉さまに近づいていきました。

そして、
昼間はお姉さまの仕事場にいるようになり、
夜になるとどこかに行ってしまう、
ぶーちゃんの二重生活が始まりました。

そんな日々が続いていくうちに
ぶーちゃんのあの怖い顔が
だんだん変わってきたのです。
とても目の大きい、とても可愛い顔に!

自分の目を疑うほどの変わりように
驚くばかりです。

お姉さまの愛情がぶーちゃんを変えました。

野良猫だった頃のぶーちゃんはいなくなり、
愛嬌のある穏やかなぶーちゃんの姿がそこにあります。

その姿を見ていると、
今までぶーちゃんは
この都会の銀座でどう生きていたんだろうと、
思わずにはいられません。

きっと懸命に必死に、
人間に弱味を見せないよう戦いながら
生きていたんだろうと
切なくなります。

ぶーちゃんが
言葉を話せたら
ぶーちゃんの生きざまを見てみたくなります。

ぶーちゃんはお姉さまと出会ったときには、
もう結構な年になっていて、
ぶーちゃんとお姉さまとの生活は1~2年ぐらいでした。

もうぶーちゃんは野良猫ではないので、
私はぶーちゃんに首に巻くバンダナを
何枚かつくりました。
ぶーちゃんがみんなから愛されている証拠に!

ぶーちゃんは今はいません。

お姉さまの愛情を受けて、
お姉さまの腕の中で息を引き取りました。
ちゃんと病院にも通い、
痛みも和らいだと思います。

ぶーちゃんはお姉さまに出会って
幸せだったと思います。

ぶーちゃんを見ていて心からそう思いました。

ぶーちゃんに愛情の大切さを教わりました。

お姉さまの仕事机には、今も、
ぶーちゃんの写真が飾られています。

世話しなく過ごしている毎日ですが、
ふと、ぶーちゃんのことを思い出し、
昔に帰るときがあります。

それは、私に大切な時間を与えてくれます。

ありがとう・・・。

なんだか支離滅裂になってしまいました。
最後まで読んでくださってありがとうございます。

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