【映画の感想】 The Post
Netflixで配信中の The Post
実話をベースにした映画だ。
ベトナム戦争に関する機密文書の一部がNYタイムズにスクープされた。
ライバル紙であるワシントンポスト紙の発行人キャサリンは全貌をスクープしようとするも、国家機密をめぐる思惑、社の命運など様々な要素が交錯し決断に悩まされる…
まだ新聞が社会的意義を持っていた頃の話。
そしてアメリカでさえ、まだ女性のトップが珍しかった時代。
主婦として家族のために尽くすことに幸せを見出していたキャサリンが、夫の死によってポスト紙を引き継ぐことになり、奮闘する姿がとても印象的。
上流キャリア女性そのものな装い、言動、振る舞い。圧倒的男社会の中で舐められないように、意志を持って進む様が美しい。
機密情報スクープをめぐる裁判では、最高裁で勝訴を決め退場するシーンで、キャサリンをたくさんの女性たちが取り囲んで見送っている。
彼女らとキャサリンは言葉を交わすでもないのだけれど、キャサリンを見送る女性たちの眼差しはキャサリンへの敬意と、これからの女性活躍時代への希望に溢れているように見えた。
私はこの映画を、機密文書スクープの物語ではなく、かつての気概・気骨のあった時代と、その時代を切り拓いた人々の物語として受け止めた。
ラストがウォーターゲートビルのシーンで終わるのも良かった。
(てか、どんだけニクソン嫌われてるねん…)
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