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ジムでお会いするマダムたち

今日は雛祭り。
でもウチには雛飾りもなければ、雛祭りらしい食事の予定もない。

大昔、子供がまだ幼い頃は、
段飾りのような正式な雛飾りではなかったけれども
陶器の雛人形を棚に飾ったりしていた。
ちらし寿司と蛤のお吸い物、桃の花も飾っていた。

もう遠い遠い昔のこと。

カレンダーを見て、ああ、今日は雛祭りなのかと思うことはあっても、
特に何かをするでもない普段通りの日。

10年、20年なんて、こんな風にあっという間に流れていくもの。
女の子が女性になっておばさん、おばあさんになるのも
本当にあっという間だ。


さて私は、毎朝、ジムに行っている。
朝ジムの利用者は、高齢者が多い。
60代なんて高齢者の内に入らず、70代でも前半なら「まだ若いやん」と言われる世界。
もちろん私含めて高齢者未満の世代もいるけれど、
平日午前中に若者世代(20代、30代前半ぐらいの)を見かけることはほぼない。

毎朝ジムでお会いするマダムたちは、
70代後半〜90代(!)
毎日ジムに来るような方達ですから、運動習慣があり健康への意識が高い。
食生活などにも気を遣っている。
そんな方達でも、
「膝の調子が」「腰が」「肩が」
など、いくらかの不調を抱えている。
疲労骨折や圧迫骨折をした、などの話も聞く。
そして動作は、若者のそれとは明らかに違う。
テキパキと、シャキシャキとは動けない。
体の柔軟性もなくなっている。
10年、20年とジム通いをしている彼女らでも、そうなのだ。

調子は万全ではなくて、柔軟性が衰えて、
体型も崩れて、動作もゆっくりになって、
いわゆる「年寄り」と形容される彼女らの姿は、
実は10年後、20年後の自分の姿なんだ。
運動習慣が身についた、健康意識の高い人にも訪れる加齢の結果が、
朝のジムでお会いするマダムたちの姿。

そして世の中には、運動習慣がないままの人たちも大勢いる。
ジム友の80代後半の方は、同世代の近所の人たちが伝い歩きしかできないと話していた。
「あぁはなりたくないから、毎日来てるねん」とも言っている。

ジムでお会いする方たちは、
「動ける状態の」10年後、20年後の自分の姿。
動くこともままならない状態だってあり得るのが、10年後、20年後。

30代あたりではなかなか実感できにくいかもしれないけれど、
高齢期に備えて体を作ることは、とても大事です。
50代や60代になってから始めるのは不可能ではないけれど、
やっぱりちょっと大変。
若いうちから心がけておくことは、後々、大きな違いになるはず。

ウチに来院くださる方にも
鍼灸施術という受身のものだけでなく、
睡眠・運動・食事の生活習慣の見直し、自主的な行動の大事さも伝えています。



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