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【なぜあなたの農業は儲からないのか】自社の現状を知る。自分を知る。

静岡県浜松市で柿の栽培している柿農家が農業で食べていけるようになるまでに何を学んだのかを書いていくブログです。農業経営者の方、新規就農者、就農を志している方、農家の2代目の方におススメのブログです。

柿

現状を知る 自分を知る
目的地が決まったら自分の現在地がどこかを知ることが必要です。
私はSWOT分析を良く行います。SWOT分析とは
S:強み W:弱み O:機会 T:脅威
の4つの要素で自社の置かれている現状を分析する手法です。

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S強みとW弱みは内部環境を書きます。
たとえば自社がどのような点で優れているのか、逆にどのようなところが弱点なのかを具体的に書き出します。
一方O機会とT脅威は外部環境、自社以外の外の環境について書き出します。
こうして書き出してみることで自社の状況を客観的にみることが出来ます。そしてそこからこれからどのような戦略を実行するのかの参考にします。
例として当社のSWOT分析を乗せてみます。

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こうしてみると当社は直売には優れていますが、出荷機会が秋しかなく販売機会を損失していることに気が付くと思います。
また、外部要因として顧客の高齢化があり長期的な目線で見ると直売も売り上げが下がっていくことが予想されます。しかし、外的要因として農産物直売ECサイトが人気であるのでもしかしたらこちらにチャンスが隠されているかもしれません。

私は自分が農家を始めた時、周りの人に馬鹿にされたくないという気持ちがとても強くありました。農家は3Kの職業だと言われることがあります。(くさい、きたない、きついの頭文字Kをとって3Kです)同年代で大きな企業に勤めている人やお金を稼いでいる人、幸せそうな人に強い劣等感がありました。そういった人たちと自分を比べていました。だからこそ農業で成功したいと思ったし、馬鹿にするな、なめるなよ。と周りに対して高い壁を作って、相手の話を素直に聞かず自分勝手な解釈で自分の思うとおりに行動をしてきました。
例えばこんなことがありました。ある時、大阪の百貨店で静岡フェアが開催されました。私は他の静岡県の有名な企業さんと一緒にそのフェアに参加して大阪で5日間の柿の販売をしました。結果はどうだったでしょうか?
もちろん全く売れませんでした!
5日間の売上は19万円でした!!(笑)
自分で好き勝手にやった結果がこれです!

経営の勉強をし始めて経営の師匠から教えてもらったことがあります。
皆さんは「ウサギとカメ」のお話を知っていますか?
ウサギとカメがかけっこで競争して居眠りをしたウサギにコツコツと頑張ったカメが勝つ話です。師匠はこう言いました。


「このカメが勝てたのは偶然だね。もうウサギは油断してくれないよ。次はかけっこじゃウサギには勝てないよ。俺がカメだったら水泳で勝負するね!水泳ならウサギにも勝てる!」


私は自分が農家でいるのになんだか劣等感があって、周りの大きな企業と同じ土俵で勝とうと、もがいていたのだと思います。そもそも資本から大きく違うのですから絶対に勝てないですね。相手と自分にフェラーリと耕運機くらいの違いがあって、間違ってもスピードでフェラーリに勝てるはずがありませんでした。

でも、畑の中だったらどうでしょうか。フェラーリの速さはまったく意味がなくなるでしょう。畑の中だったら耕運機の勝ちです。
ナスはキュウリにはなりません。ナスのままどうしたら一番おいしくなるのかを考えた方がいいです。
周りとは違う自社の良さを磨いていくことで他のまねできない会社になっていきます。そうすれば「勝ち」です。
そのためには自社は何が強みで何が弱いのか。良く調べて自分を知ってもらいたいです。


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