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生成AIのコンテンツだらけになる世界では、鑑賞者の大多数もAIになる。では、人は、どこに?

『だれにでもわかるNFTの解説書』の足立明穂です。

生成AIが、ものすごい勢いで進化しています。

画像、テキスト、動画、音(音楽、音声)・・・・

なんでも作れるようになっていて、しかも、人間が作ったのと大差ないレベルにまできています。

しかも、作業時間は、人間とはけた違いに短い!!

チャットGPTとか、10秒もかからずに、挨拶文とか、企画書、児童向けの物語など、あっという間に書き上げます。

あ、図に乗って(?)、私も絵本を出しましたw

(そんなこと、できるの??って興味のある方がいれば、ご一報くださいね)

さて、私のように絵心もないし、児童向けの物語なんて書いたこともないのに、絵本を作ることができる時代になったのですから、そりゃ、大量にコンテンツが溢れてきます。

では、今後、何が起きてくるのか? AIを活用することで、桁違いの大量のコンテンツが生成されることは何を引き起こすのか?

そんなことを考えてみたいと思います。

アマゾンの電子書籍が、生成AIだらけになっている!

上のリンクは、アマゾンのキンドル(電子書籍)の売れ筋ランキングのページです。

驚くのは、上位に「AI美女」とか「AIグラビア」といった写真集(?)が、たくさん入っているということ。

これを、単純に、「そりゃ、エロが強いよね!」って片付ける問題ではありません。

『写真集』となっていますが、実在する人物ではありません。カメラすら触っていない『カメラマン』が作っています。

これまでなら、モデルがいて、カメラマンがいて、編集する人がいて、印刷所があって・・・・

これらの人たちがいなくても、たった一人で、しかも、一歩も家から出ることなく『写真集』が出せるようになっているのです。

今は、まだ、プロンプトと呼ばれる呪文のような命令語を操らないと、思ったような画像が出力されません。

しかし、それも時間の問題で、『曖昧な表現』でも見た目のいい写真が作れるようになってきます。

実際、はちえんの坂田さんは、こんなのを作りました。

簡単な日本語を入れると、細かな状況設定を追加して、Midjourneyで使えるプロンプトを作ってくれます。

あ、プロンプトって、他でも似たり寄ったりなので、Midjourney以外でも使えますよ。

下記は、Dalle-e2でやってみました。

元の文章は、『清流のある山で登山をしている』です。

清流がないですけどね(^^;

下記は、LINEから使える「お絵描きばりぐっどくん」で試してみました。

清流はいいけど、人物が・・・・ 雑(^^;

多くの人が使っているからこそ、日々改良され、新しいサービスが生まれ、誰でも悩むことなく使えるようになってきています。

そうなると、もう、アイデア次第なので、先のアマゾンの電子書籍のように、AIで作ったコンテンツが溢れていくようになります。

今でも読むことも見ることもないコンテンツが溢れているのに・・・

私も著者のはしくれ(というか、1年半以上すぎても、売れている書籍の著者です!自慢したいwww)。

また、以前は、出版社向けのシステム開発・販売会社のお手伝いをしていたこともあって、本の流通にもいろいろと知っています。

活字離れとか言われて久しい中、時代を経るごとに、本が売れなくなりました。

30年ほど前は、ビジネス書とか初版で3000部から5000部を刷っていたのですが、売れないので、だんだん、少なくなっています。

最近は、オンデマンド印刷で販売する(アマゾンのペーパーバックなど)ようになってきていて、誰もが知るような出版社でさえ、オンデマンド形式に。

在庫を抱えないので、紙が無駄にならない、森林資源に優しいSDGsと言えば、聞こえがいいですが、売れないからなんです。

「なんで、こんなに本が売れないのに、本を書きたい人は多いんだろうねぇ????」

これは、とある編集者から聞いた言葉です。

企画書がドカスカ送られてくるし、なんとか大賞とかで募集すると、大量に応募が集まる。

本を出したい人の方が、読んでいる人より多い状態w

これは、出版の話だけなので、ブログやSNS、動画配信などまで含めると、とても人類が消化できるわけがない量のコンテンツが増えています。

そこに、生成AIが出てきたので、けた違いにコンテンツが増えます。

さらに、AIだけで書かせると、学習データから創作(?)するので、結果的に盗作になってしまって、こんな問題も。

あっという間に、インターネット上には、1回もアクセスされないコンテンツだらけになって、玉石混交というよりも、『玉』コンテンツを見つけるのは、砂漠の中の針を見つけるより難しい世界になるでしょう。

メタバースに溢れるコンテンツの解決策がある!?

では、どう考えても、全人類が見ることもできないコンテンツが溢れるようになっていくと、どうなるのでしょうか?

そんなものが大量に作られる世界は、どうなると思いますか?

その前に、メタバースの未来を考えたいと思います。

メタバース、旧Facebook社がメタと社名を変更するぐらいまで世界中で話題になった割には、その後、普及してるように見えないですよね?

確かに、フォートナイトやロブロックスのような世界中で億というユーザが使っているメタバースもあります。

しかし、まだまだ、SNSのように広がっているとはいいがたい状態です。

多くの企業もこぞって参入しましたが、予想通り(?)過疎化したメタバースになってきています。

オンラインなので、24時間365日ログインできるのはいいのですが、だからこそ他のユーザ(アバター)と出会うことが稀なことになってしまいます。

動画コンテンツや、写真、テキストなどのSNSでは、時間差で投稿された内容を一人で閲覧するだけなので、同時アクセス数が少なくても、大きな問題にはなりません。

しかし、メタバースは同時アクセスしていないと、寂しい過疎な空間になってしまうのです。

リアルと同じで、誰もいないショッピングモールとか、自分だけしかいない公園とか、寂しいよりも、怖い状況ですよね。

では、どうするのかというと、アバターを操作するのが、AIになるということです。

つまり、メタバースにログインして、「おー、賑わっているなぁ!!」って思ったら、半分以上は、AIが操作するアバターということになります。

「そんなこと、できるの??」

ええ、すでにオンラインゲームでは、AIで操作しているキャラクターが出てきています。そういうキャラクターと一緒にグループになって戦うとかできるのですよね。

このAIアバターが増えていくことで、何が起きてくるのかというと、AIアバター(というか、AIですが)が「コンテンツを評価」し始めるのです。

人間が作ったものだろうが、AIが作ったものだろうが、それらに対して、「いいね!」したり、コメント入れたり、拡散したりするように。

そう、コンテンツを利用するのが、人間だけでなくAIまでもが鑑賞者になっていくのです。

ちょっと想像しにくいかもしれませんが、ランダムに「いいね!」とかするのではなく、個々のAIがそれぞれの評価基準に応じて、「いいね!」やコメントをするようになります。

「AIが評価するって、またまたぁ!!」

と思うかもしれませんが、音楽や映画シナリオなど、AIが売れるか売れないかの評価を下すようになっているのですよ。

これ、2020年の記事なので、今はもっと進んでいます。

あなたが作ったコンテンツ、人ではなく、AIが絶賛してくれる時代は、すぐそこまで来ていますよ!

AIが評価するようになると、何が起きるのか?

気が付いたかもしれませんが、そもそも、「いいね!」とかコメントとかシェアとかするのは、人だろうが、AIだろうが、正直、関係なくなります。

それで自己満足、承認欲求が満たされるなら、幸せな世界だと思いませんか?

そもそも、人なのかAIなのかなんぞ、気が付かないので、「うわ! もう100人がコメントくれた!」って満足してるなら、幸せです。

そんな世界が待っているのです。

でも、ここで、疑問が出てきませんか?

その評価して、人間を褒めている(あるいは、AIが作った作品も褒めてるけどねw)AIは、誰が運用するのでしょうか?

そして、その運用資金はどうやっているのでしょうか?

まさか、どこかの大金持ちが趣味で、何百万体のAIを動かしているなんてのは、考えにくいですよねw

そこにも経済原理が働くとなると、こんな想像ができるでしょう。

最初は、「いいね!」やコメントなどをしていて、気になって、そのアカウントをフォローすると、DMをやりとりするようになります。

そのうち、「この商品、使ってみたけど、すごくよかったよー! 使ってみたら??」という口コミ風の広告が入ってきますw

ロングスパンで、ジワジワといろいろ営業してくるわけですよw

AIなので、何カ月かかろうが、まったく飽きることも疲れることもありません。

場合によっては、高級車とか不動産とかは、年単位でジワジワと親しくなっていくでしょう。

長くなればなるほど、自分だけでなく、交友関係や家族のことも把握されていくでしょうし、それらもしっかりデータとして蓄えられます。

しかも、AIは1つだけではないので、DMをやりとりしている複数のアカウントが同じ企業が運営するAIだとしたら・・・

はい、もう、太刀打ちできませんw

いつも楽しい気分にさせてくれて、しっかりと絡めとられていますw

でも、楽しい気分になって、お金を使うのですから、恐怖や弱みを握られて払うわけではないので、幸せなお金の使い方かもしれません。

そうやって、人々は、AIによって承認欲求を満たされて、ハッピーな未来が来るのです。

と、思うかもしれませんが、別の道もあります。

未来は、そんな単純なものではありません。

ここからは、パラレルワールドを考えてみましょう。

レンタルサーバのプロバイダーは、値上げせざるを得なくなる?

さて、少し話が飛躍しますが、デジタル・コンテンツは、他人に見せるためには、インターネットで公開するしかありません。

もちろん、メモリーカードに入れて配布するとか、DVDで配布するとかすることはできますが、インターネットでの公開に比べたら、コストが違いすぎて比較する意味すらありません。

無料のサーバとか、無料で使える配信サービスとか、いくつもありますよね?

しかし、ここにきて、生成AIによって膨大なコンテンツが増えてくるので、いくらメモリやディスクの機器、あるいは、インターネットの通信料が安くなっているとはいえ、いっきに増えていくコンテンツには、対応できなくなっていくでしょう。

さらに、昨今の世界事情からすると、エネルギーが高騰するので、サーバ運営の電気代も値上げされていくので、毎月の支払も高騰していきます。

そもそも、無料で提供しているのはマーケティングデータを集めるためであり、多くのアクセスがあることが前提になります。

これが、生成AIによって爆発てきにコンテンツが増えることで、ほとんどのコンテンツは1回もアクセスがない状態になってしいます。

そうなると、広告ビジネスが機能しなくなり、運転資金すら稼げなくなるでしょう。

そのうち、いや、早ければ1年ほどで、安いサーバとか、無料のSNSは、極一部に限られていく可能性があります。

すでにそういう予兆は、見え隠れしています。

はてさて、どのような未来が待っているのでしょうか?


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