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クリエイティブ 3月4日〜365日の香水

ブツと文脈(コンテンツとコンテキスト)
今日紹介する香水はfaconnableというブランドのfaconnableというメンズフレグランス。
この「faconnable」の屋号は、ブランドの二代目がフランス語で創造することを意味する「faconner」からつけたもの。この言葉は英語ではfashion(ファッション)につながる。
面白いことに、英語では洋服や装うことをfashion(ファッション)~”創ったもの”と捉えているけれど、フランス語ではmode(モード)~”様式”としてとらえている。
私には、ファッションはコンテンツでモードはコンテキスト、ということのように解釈できる。
ファッションという言葉は創造活動をより具体的に、直接的に言っているのに対し、モードはもっと概念的でモノ以外の多くを含む様式を創るニュアンスがあるようだ。

さて、コンテンツのクリエイティブをハウスの名としたfaconnableのサイトを覗いてみたところ、トラディショナルでシンプルだけれど一目でそれとわかるようなハウスの“色”を感じた。

地中海ライフ
faconnableは1950年に南仏ニースに創業した。カスタムメイドでシャツを仕立てることからスタートした。
具体的に仕立の良いシャツをつくる、というハウスの創業のミッションが”創造”について、「技術」「素材の良さ」「色彩」など具体性を伴っていたからこそ、このブランド名になったのだと思う。
(職人というスタンスからの創業だったのではないかな)
そして、先ほど書いた”ハウスの色”には文字通りの意味もあって、それは白、ネイビー、そして地中海を思わせるようなブルーだった。
地中海性の温暖な気候の下、着心地の良さに加え見た目の心地よさも備えた色彩感覚。

温暖な気候が育むオリーブや新鮮な魚介、フルーツなどの豊かな食文化。
古代ギリシャやローマにおける市場、劇場、公衆浴場などを”場“として行われていた「コミュニティの形成」は今も、形を変えてはいても地中海のライフスタイルには重要なファクトだという。
気候、食、コミュニティ、人が心身健やかに暮らすための大切な要素。
faconnableの提供するファッションにも、地中海のライフスタイルの反映があり、それがカラーパレットに反映されているせいなのか見ていて心地いい。

faconnable/1994
ブランド名を冠した香水の第1号。現在はこれを再解釈したリニューアル版になっている。
90年代のメンズなので既にユニセックス的で、また明るい空や海のようにライト。地中海性温暖気候のもとに育ったシトラスやフローラルをミントがまとめている。トップからラストまでこの香りをコントロールしているのがミントだ。ライトな立ちあがりから、強さを秘めたエンディングまで、香りを特徴づけている。
清潔感があってモダンなので装い方でギャップを出すと色艶が出そうで面白い。

香り、思い、呼吸。

3月4日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。


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