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読書(主に小説)

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小説を読んだ感想と印象に残った文章を載せています。
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記事一覧

『海の見える街』

畑野智美さんの作品。

海の見える街の図書館と児童館で働く職員の物語。

日野さんと弟の漫画の管理の仕方が、面白いと感じた。

松田さんが山崎さんにきちんと叱った場面が、とても良かった。

最後の場面が個人的に、とても嬉しかった。今後の続きが気になるところだ。

印象に残っている文

『古本食堂』

原田ひ香さんの作品。

滋郎が亡くなって古書店を引き継いだ妹の珊瑚と、滋郎の姪の娘の美希喜。さまざまな人が古書店を訪れる。

「美希喜」という名前に「いろんなものをよく見て、人の話をよく聞きなさい」と込められていると知って、とても良い名前だと感じた。

ボンディのカレーの描写がとても美味しそうだった。

本多勝一さん著『極限の民族』という本を読んでみたいと感じた。

印象に残っている文

↑の文章

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『猿の悲しみ』

樋口有介さんの作品。

過去に同級生を殺害してしまった前科を持つ風町サエは、羽田法律事務所で働いている。

ある日殺人事件が起こり、サエは調査をしていく。

サエが同級生を殺してしまった理由が、悲しかった。

サエが聖也に対して愛情を持って接しているが、聖也がそれをうっとうしく思っているのがこの年代の息子っぽいと感じた。

表紙の女性は最初サエを表しているかと思っていたが、段々と凜花のことを表して

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『さらば、男性政治』

三浦まりさんの著書である。

女性の場合、都道府県議会議員から国会議員になるキャリアパスが標準となっていないことを初めて知った。

母親罰、ケア罰という言葉が印象に残っている。

政治家はまず体力がないとダメだと改めて感じた。夏祭りの焼きそばや新年のもちをたくさん食べるというのが、大変そうだと感じた。

アンケートで「わからない」と答える人が多いのは、日本人らしいと感じた。

男性議員と女性議員で

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『神さまを待っている』

畑野智美さんの作品。

文具メーカーの派遣社員として働いていた水越愛は、退職して借りていた家も引き払う。

雨宮のように何度も連絡してくれる人は迷惑かもしれないが、連絡しようとしてくれること自体がありがたいと感じる。

ナギやマユやサチ、山本さんといった人々の話を聞いて、辛くなった。

最後に愛が父に対してきちんと言うべきことを言えたのは、とてもよかった。

巻末の参考文献の量に驚かされた。

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『推定脅威』

未須本有生さんの作品。未須本さんの作品は初めて読む。

未須本さんの経歴を見ると、「大手メーカーで航空機の設計に携わる」と書かれていた。飛行機の専門的な用語が多く出てくるので、すごいと思った。

神階が倉崎にした仕打ちを知って、上司にいてほしくない人だと感じた。

沢本にとって明るい未来を感じさせる結末が良かった。

印象に残っている文

『刑事さん、さようなら』

樋口有介さんの作品。

本庄署の警察官が何者かに殺されてしまう。本庄署警部補の須貝と西川口の韓国料理屋で働くヨシオを中心として、物語が進んでいく。

警察が手を回して事件の真相を変えるというような記述があったが、果たして本当なのだろうか。

ヨシオはとても良い人で、友達になりたいと感じた。ヨシオの作った七草粥は、きっと美味しいのだろう。

夕美さんはミステリアスな人だと感じた。

印象に残っている

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『崖の上で踊る』

石持浅海さんの作品。

株式会社フウジンブレードに恨みを持つ男女が、フウジンブレードの幹部たちに復讐をしていく。しかし、恨みを持つ男女の中から死者が出てしまい、事態は急変する。

絵麻の過去の話を聞いて、自身の夢が絶たれてしまった辛さは想像を絶すると感じた。

石持さんはよくこのような話を思いつくなと感じた。

雨森が瞳のスマホのロックを解除した方法は、なるほどと感心した。

印象に残っている文

『ヤスの本懐』

原宏一さんの作品。ヤッさんシリーズの5作目。

ヤッさんが東京からいなくなってしまい、タカオやミサキ、マリエは不思議に思う。
どうやら深刻な事情があるようで…。

加寿子ママがマリエに対して掛けた言葉が、とても印象に残っている。

マリエが決めたお店の三つの約束が、良いと感じた。

大人数で予約して当日キャンセルとなったら、店側はとても大変だということを知った。絶対にやらない。

タカオがヤッさん

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『片思いレシピ』

樋口有介さんの作品。樋口さんの作品は初めて読む。

槇塾のアルバイト講師である松永が、何者かに殺されてしまう。槇塾に通う加奈子と柚子は事件を解決しようと試みる。

小学生にしては達観している加奈子の心理描写が、とても面白かった。

柚子ちゃんはとても自由奔放で、面白いと感じた。クスクスのサラダやモロッコ春巻きなどを作っていて、すごいと思った。

加奈子は翔児くんと上手くいってほしいと感じた。

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『限界病院』

久間十義さんの作品。久間さんの作品は初めて読む。

北海道にある富産別市にあるバトラー記念病院に転任した医者の健太朗の物語である。

入れ替わりが激しくなると、看護師や他のスタッフの勤労意欲が下がるというのが難しい問題だと感じた。

健太朗とまゆみは、夏の終わりのような別れ方をしたと感じた。

印象に残っている文

『鎮憎師』

石持浅海さんの作品。

大学のテニスサークルの部員が起こした心中事件。それ以後、サークルのメンバーと被害者の女性は遠ざかってしまった。しかし、テニスサークルの部員同士の結婚により、被害者の女性がサプライズで登場する。

冒頭の回想がとても後味の悪い結末だった。

ひろみの話した院生と助教の関係についての推理が、とても興味深かった。

ひろみの真実については、さすがにわからなかった。

何かあった時

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『屋根をかける人』

門井慶喜さんの作品。

英語教師をクビになった宣教師のメレルが、建築で活躍していく物語。

メレルの家でゲームをするのがとても楽しそうだと感じた。

外国人が日本で現場監督をするというのが大変そうだが、メレルは未経験にも関わらず見事な仕事ぶりだと思った。

メレルと広岡浅子に繋がりがあったとは、知らなかった。

昭和天皇とメレルか対面した場面がとても印象に残っている。

印象に残っている文

『火のないところに煙は』

芦沢央さんの作品。

「染み」「お祓いを頼む女」「妄言」「助けてって言ったのに」「誰かの怪異」の5つの話が収録されている。

「お祓いを頼む女」では、女の言うことを全然信じていなかった。「妄言」では、崇史さんが懲役四年六ヶ月になってしまい、可哀想だと感じた。

最後の章が怒涛の展開だった。この本は夜に読まない方が良いと感じた。

印象に残っている文