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10年間、思ったような結果が出ない。それでも、同じ努力を続けられますか?(阿波加 俊太 J1初出場に寄せて)

2024シーズン第3節にして、ホーム開幕戦となった今日の浦和戦。0-1の惜敗でとても残念でしたが、今日の試合を語る上で最も大きいと言っても過言ではないストーリーは、早朝のスポーツ新聞による一報から動き始めました。

正GK・菅野の負傷により、阿波加にスタメンの座が回ってくる……という報道。札幌サポーターの誰もが目を疑ったと思います。

2013年、"史上最速の降格決定"でJ2になったその年に、コンサドーレU-18からプロ入り。そこから11年間のプロ生活で、Jリーグでの出場経験はJ2時代の1試合のみ。カップ戦の予選や天皇杯でも出番が回ってくることはほとんどなかったし、昨年までは2年間JFLのチームに移籍していて、そこで大怪我も経験していた。

札幌ではイ・ホスン、金山隼樹、ク・ソンユン、菅野孝憲、高木駿などの高い壁に阻まれ、常に第3~4GKというポジション。J2時代に出場した1試合も、代表遠征とコンディション不良で2人のGKが欠場したタイミングで回ってきたチャンスだった。

それでも、阿波加は腐らずに練習を続けた。自分にできることを、淡々と。

それが今日、様々な要因が重なってホーム開幕戦という"晴れの舞台"で実を結び、スタメンGKを勝ち取った。

泣けたね。本当に。一緒に応援している仲間には(多分)気づかれなかったけど、フィールドプレイヤーが出てくるまで普通に泣いてました。

自分が高卒(大卒でもいいけど)で就きたかった仕事に就いて、そこから11年間思うような結果が出なかったら。それでも自分の選んだ道を信じて、続けることが出来るでしょうか?

僕は無理だなぁ……と思いました。どこかで諦め、見切りをつけて、違う道を探すはず。

だからこそ、試合にはほぼ出られなくとも20代の時間を全てサッカーに捧げて頑張り続けてきた阿波加という男の生き様が本当にカッコいいと思ったし、勝たせてやりたかった。こればっかりは勝負事なので何とも言えないけど、試合後のゴール裏に笑顔で来られるようにしてやりたかった。

でも、これで終わりではない。むしろ、今日が始まりの第一歩。

来週の試合は誰が出るかわからないけど、いつでもベストな応援をすることだけは約束する。

1週間良い準備をして、また土曜日頑張りましょう。

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