鈴木昇平🌈【アドラー心理学を学ぶブログ】

ライフワークで『アドラー心理学』の研究・講演・カウンセリングなどを行うアドラー派の心理…

鈴木昇平🌈【アドラー心理学を学ぶブログ】

ライフワークで『アドラー心理学』の研究・講演・カウンセリングなどを行うアドラー派の心理カウンセラー。/出版社勤務/半活字中毒/ニンテンドーSwitchが大好きなおっさんヘボゲーマーで/酒をちまちま呑みながら美味しいモノを食べることが至福の/40代男子

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「アドラー心理学をまなぶブログ」を始めるにあたって

アドラー心理学の魅力 アドラー心理学の魅力を3つあげろと言われたら 以上の3点でしょうか。 アドラー心理学を(本格的に)学び始めて丸6年が経ちました。 どちらかいえば気が多く、飽きっぽい私が、なぜかアドラーだけは浮気もせずに黙々と学び続けていられているのは、主に上の3つの理由によるものですが それはシンプルであるがゆえに奥深く(アドラーの著書を読むたびに毎回新しい発見があります)、ストレートすぎる言葉は時に厳しくも感じますが言われてみれば当たり前で(アドラーの言葉は

    • 対人関係で必要以上に傷つかないためのコツ(アドラー心理学的観点から)

      礼儀正しく人当たりがよくて、自分のことだけを考えている。 今、そのような人たちが増えている気がする。ホワイト化が進む日本社会ではなおさら、その傾向が強くなっているのではなかろうか。 仕事をしていても、近所付き合いをしていても、趣味などを通した交友関係においても、私はしばしばそれを感じる。 みんな礼儀正しいのだ。みんな人当たりがいいのだ。温厚でなごやかで、決してきたない言葉を使ったりもしない。360度どこからどう見たって「いい人」なのだが、それはふとした瞬間に現れる。

      • 最近読んでいる本の紹介(5冊)

        先日、「趣味は読書の人の醍醐味〜私の本の読み方・買い方〜」というタイトルで記事をアップしたが その中で私は、5冊くらいの本を並行して読んでいるということを書いた。それはふだん持ち歩いて読む本、お風呂に入りながら読む本、そしてトイレにこもって読む本など、読む場所によって読む本を分けるという読み方だ。 このnoteの読者の方から「どこで、どんな本を読んでいるのか気なる」というコメントをいただいたので、今日はそのことについて書いてみたいと思う。 今カバンに入れている本は、『古

        • 少しだけ、心をズラしてみる勇気

          毎朝の通勤が苦痛だ。 24年間も同じことを続けているが、慣れたという感覚はいまだない。 私は川崎駅から東京駅までの区間を東海道線を使っているのだが、ポジション取りを間違えるとその17分間が地獄と化す。 満員電車という、異常なほどの密度の空間で自分の場所(セルフスペース)を確保する方法の一つは、力を使って他者を押し返す、あるいは強引にスペースをこじ開けることだ。 余裕がない時やイライラしている時、私はたいていこの方法を使う。いや使ってしまう。私は男性で体も大きいので、この

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          「趣味は読書」の人の醍醐味〜私の本の読み方と買い方〜

          「本を読まない人が増えた」と言われるようになって久しい。私のように出版社に籍を置く人間や本屋さんからしてみたら、商売あがったりの実に厳しい時代である。 ネットやスマホの影響はもちろんあるが、私は何よりも本(活字)というコンテンツに魅力を感じる人が少なくなったことが、大きな理由だと思っている。 つまり本よりも魅力のある娯楽やコンテンツが増えたということだ。 可処分時間はサブスクの映画やドラマ、YouTubeのような無料動画に奪われ、プログラム技術の最先端をいくゲームに奪わ

          「趣味は読書」の人の醍醐味〜私の本の読み方と買い方〜

          おもしろきこともなき世をおもしろく~まるでそうであるかのように振舞ってみる~

          幕末の頃、長州藩に奇兵隊をつくった高杉晋作は「男子たるもの、困ったという言葉を口にするべきではない」と言っていたそうだ。 若い頃から高杉晋作に憧れている小生ではあるが、今はそれをがまんすることができない。 だから言おう。 困った。ああ困った。おおいに困った。 では何に困っているのかといえば、なにものにも没頭できない自分に困っている。 何か一つのことに夢中になれない。すぐに飽きてしまい、ついつい他のことに目移りしてしまう。結果として満足感を得ることができず、(すがすがし

          おもしろきこともなき世をおもしろく~まるでそうであるかのように振舞ってみる~

          コロナ後という戦後は、ブラックでもグレーでもない、ホワイトな社会へ

          日本の街がどんどん綺麗になっていく。 都心部の駅周辺を見ているとそれが顕著だ。私が住んでいる川崎も、20年前にここに越してきた頃とはずいぶん様子が違う。 例えば京急川崎駅の周辺には店構えがちょっと怪しくて汚らしいが、食べるとむちゃくちゃ旨い中華屋さんやホルモン焼きのお店が何軒もあったが、それらはもうずいぶん前になくなってしまった。 かつては風俗のメッカと呼ばれていた堀之内という場所にも、コロナ前(正確には東京オリンピック前)には、いわゆる「ちょんの間」と呼ばれる場所もまだ

          コロナ後という戦後は、ブラックでもグレーでもない、ホワイトな社会へ

          がまんすることで、社会に適応しようとする人たちーその被害者意識が組織の風土改善を拒む

          組織に属していると、がまんしなくてはいけない場面というのは実に多く あるいはがまんしておいたほうがいい(そのほうが自分のためになる)という場面は多々ある。 特定の組織や共同体には独自のシステムやルールがある。それはきちんと明文化されていないものだとしても、その歴史の中で(暗黙のうちに)作られてきたルールや決まり事のようなものだ。 多くの人たちがそれに従おうとするか、従わなくてはならないと思い込んでいる。時代が変わり、そのシステムやルールがうまく機能していないどころか、明ら

          がまんすることで、社会に適応しようとする人たちーその被害者意識が組織の風土改善を拒む

          仕事だけをやっていればいい-「個の時代」に生きる個人事業主と、アドラーの言う「人生の課題」について考える-

          インターネットの普及によって誰もが(タダで)情報を発信できるようになってから20年以上の月日が経った。いわゆるWeb 2.0の到来である。(今はWeb3などと呼ばれているようがだが、メタバースだとかブロックチェーンなどの話はとりあえずここでは置いておく) ネットの普及は、個の力を増大させたとよく言われる。今や「個の時代」などと呼ばれ、組織などには属さずに個人事業主として生計を立てている人も少なくない。 彼らはよく、「好きなことをして食べていきたい」と言う。あるいは「組織の

          仕事だけをやっていればいい-「個の時代」に生きる個人事業主と、アドラーの言う「人生の課題」について考える-

          「コロナ後」という戦後は、もしかしたらこれまでとは別の世界なのかもしれない

          コロナ後は、ある種の戦後である。 こんなことを言おうものなら、実際に戦争を体験された方や、今もなおその渦中にいらっしゃる方々からお叱りをうけそうだが、これはあくまでも私の表象世界(イメージ)の話なのでお許しいただきたい。 コロナがインフルエンザなどと同じ5類感染症に格下げされたのが昨年5月。そして秋頃からは、コロナはその厄災としてのポジションを社会的に(ほぼ完全に)葬られたような気がする。 もちろん、いまだに私の周りではコロナに感染している人は随時出ているし、そういう人

          「コロナ後」という戦後は、もしかしたらこれまでとは別の世界なのかもしれない

          他者には真面目に、自分には不真面目に接するということ(アドラー心理学的観点から)

          先日、山田五郎さんの「大人の教養講座」というYouTube番組を観ていた時に、ゲストとして出られていたみうらじゅんさんがとても興味深いことを言っていた。それは 他者には真面目に、自分には不真面目に接するようにしたいなと今は思っている。そしてこれは、それなりの修行が必要なのだと。 なるほどなと私は思った。 確かにその通りなのだ。 たいていの人はこの逆をやる。 つまり他者には不真面目に、そして自分には真面目に接するのだ。 みうらじゅんさんは言う。 「自分のことを真面目に考

          他者には真面目に、自分には不真面目に接するということ(アドラー心理学的観点から)

          東京国立博物館に行って感じたこと

          昨日は有給を取り、東京国立博物館まで『横尾忠則 寒山百得展』を観に行ってきた。 上野駅の公園口を出て博物館までの道すがら、周辺の銀杏並木のツンとした匂いに癒され(秋なんだなあ。10月下旬だけれど、まだ汗をかく日もありますが) 東京国立博物館に来ている外国の方の多さに圧倒されながら 大好きな横尾忠則さんが「寒山拾得」を独自の解釈で描いた101点の絵画を、たっぷり一時間半かけて堪能してきました。 寒山拾得は中国、唐の時代の伝説的な詩僧であり、その奇行ぶりが「風狂」として、

          東京国立博物館に行って感じたこと

          ロシア文学に出てくるロシア料理で、食の妄想をふくらませる

          ロシアというとあまりよいイメージのない昨今ではあるが、本屋で思わず手に取り即買いしてしまったのが 『ロシア文学の食卓』(ちくま文庫)である。 本書は、東京外語大学教授の沼野恭子さんによる、ロシア文学に登場する食や料理をテーマにした本である。 有名なロシア文学作品に登場する料理や食事のシーンが紹介され、その料理や食事に込められた意味や背景が解説されている。 例えばこんな具合だ。 それに対する著者の解説はこんなふうに続く。 このロシア人の貪欲な食欲の描写を読んでいると

          ロシア文学に出てくるロシア料理で、食の妄想をふくらませる

          スチームパンクとサイバーパンクが融合したSF小説に酔いしれる

          サイバーパンクと呼ばれるジャンルの映画が好きだ。 例えば、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』、大友克彦監督の『アキラ』、押尾守監督の『ゴースト・イン・ザ・シェル』、そしてウォシャウスキー監督の『マトリックス』シリーズ。 サイバーパンクとは、近未来の世界を舞台にしたサブカルチャーの一つで、高度なテクノロジーや人工知能、サイバーネティックスが進化した社会を描いたフィクション作品や文化運動のことを指す。 サイバーパンクの世界では、テクノロジーが高度に進化した世界で人

          スチームパンクとサイバーパンクが融合したSF小説に酔いしれる

          生産性とは、罠なのか⁉︎

          人間の平均寿命が80年くらいと考えた時、それははたして長いのか?短いのか? 百獣の王であるライオンの平均寿命が15年くらい、ライオンすら恐れて闘いを挑まないゾウの平均寿命が70年くらい、(陸の生物ではないが)野生のアオウミガメの平均寿命が80年くらいだそうだ。 つまり人間の平均寿命はアオウミガメと同じくらいで、それは他の生物と比べるとやはり長いほうなのだろう。 しかし80歳まで生きるとして、あなたの寿命は4000週間ですと言われたらどうだろうか? 私はもう40代後半な

          分厚いSF小説を読むことは、限りなく贅沢な時間を過ごすこと

          私の周りには「趣味は読書」と言いながらも、ビジネス書や自己啓発書以外は読まないというタイプの人たちがいるが、(あえて誤解と偏見を恐れずに言うならば)、私はそういう人たちにどこか貧相なイメージを持たずにいられない。 この本を読めばすぐに役に立つとか、すぐに使える知識が得られるとか、私がそういう即時的で生産的な読書が好きではないからだと思う。 効果があるとかないとか、ためになるとかならないとか、そういうことにこだわること自体が(薬じゃあるまいし)どこか健全でないものを感じてし

          分厚いSF小説を読むことは、限りなく贅沢な時間を過ごすこと