あなたは きっと癖になる マーラー交響曲第10番

マーラー 交響曲第10番 第4楽章
(マゼッティ補筆完成版第一項)
グスタフ・マーラー(1860-1911)の交響曲第10番(1910年7月作曲開始)は未完成です。
マーラーはその全5楽章の内、第1楽章と第3楽章はほぼオーケストレーションを終えて他界しましたが、それ以外の第2、第4、第5楽章はオーケストレーションはなされませんでした。
しかしながら、幸運にも、ピアノ4弾譜のスケッチとしては全曲が完成していましたので、他者が補筆して交響曲として完成させる可能性はありました。
マーラーのピアノスケッチは、それだけで完璧。オーケストレーションは比較的難しくなく他者にも出来る可能性があります。
何人かの好事家がオーケストレーションに挑戦しまして、実際にそれぞれの補筆完成版として完成させています。一番有名で演奏される機会の多いのは、デリック・クック氏等によるクック版です。
今回ご紹介するのは、クック版ではなく、レモ・マゼッティjr氏によるマゼッティ版です。
私は、これが一番マーラーに近いと思っています。
この交響曲は、マーラーがアメリカに渡り、メトロポリタン歌劇場の音楽監督やニューヨークフィルの指揮者として活動していた時の作品。アメリカの民族音楽的な要素も感じられますし、西部劇の音楽を先取りしている様な印象も受けます。
N響に客演する指揮者で日本人にも馴染み深い、レナード・スラットキン指揮セントルイス交響楽団で
第4楽章をどうぞ。

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