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"デジタル"を当たり前の選択肢に

こんにちは!アドビ未来デジタルラボ編集部です。

7月より開始した学生研究員プロジェクト。各チーム1本目の記事から約2か月が経過しようとしています。ここに至るまでに、WIREDの松島編集長 や、渋谷区観光協会の金山代表 をお迎えし、“ワクワクするデジタル社会の未来”について、学生たちとさまざまな観点から議論を重ねてきました.

 
このnote記事は、各チームの研究や考察がどのように進捗しているかをまとめた2本目の記事となります。今回は、デジタル人材教育チーム「CodeBlack」からのレポートです。

 このチームの1本目の記事はこちらからご覧いただけます。


こんにちは、アドビ未来デジタルラボ 学生研究員の石飛です。
 
これまで、「私たちは社会に新しい価値を生み出すデジタル人材」になることができているのだろうか?という問いをきっかけに、「全ての人がデジタルの可能性に気づく」仕掛けをどのように社会に届けることができるか模索してきた私たち。
そして、第1回のログレポートでは、取材とイベントを通じて「デジタル人材」の想いや描く未来を紐解きたいと結論付けました。
 
そもそも「デジタル人材」とはなんなのでしょうか?
そして、「デジタル人材かどうかの差異」は何が引き起こしているのでしょうか?
一歩進んでさらに言えば、この研究は誰の何のために行うべきものなのでしょうか?
 
調査研究に向けて、ひたすら「?」と「!」に向き合い続けた一ヶ月間。
第2回のログレポートでは、そんな私たちの議論過程を中心にご紹介します。

1. ピュアな好奇心で、後ろにある"何か"を探る

デジタルが創り出す未来に触れ、その面白さを肌で感じ、
自分という枠の外に存在するデジタルの可能性に気づくきっかけを作りたい。
 
デジタルを愛し、多様な活動をしてきた私たちだからこそ気づいた課題をもとに、取材調査とイベント企画に向けて動き始めた10月上旬。
 
アドビとこのメンバーだからこそできる研究を追求したいという想いから、調査対象を大学生に絞り、これまでに行われてきた様々な大学生におけるデジタル意識に関する調査について調べ、仮説を立てながら、取材テーマやイベントの具体的な構想を検討してきました。

しかし、その一方で、仮説が事実かわからないまま、イベントの実施をするとゴールが描きにくい曖昧なイベントを実施してしまう恐れがあると気付いた私たち。
 
そこで、本研究は、誰かに対して"デジタル人材の重要性"を啓蒙するために行うことだけが正解なのではなく、私たちが、純粋に「知りたい」と思ったことを探究すること、と研究の意味を再定義した上で、仮説の検証をアンケート調査を中心に行っていくことに決めました。


2."デジタルな人"と"そうじゃない人"の隔たり 


上記を踏まえ、仮説を立て、様々な大学生や若者におけるデジタル意識に関する調査やアンケートを調べながら、調査テーマを検討を進めました。
 
そんな様々な報告書を読む中、第一に、私たちは「同世代間ですらデジタルにワクワクしているかどうかについて大きな差がある」ということに気づきました。
 
事実、PwCによる『デジタル環境変化に関する意識調査2021』では、「将来の仕事がどうなっているかを自分自身への影響を踏まえて考えるときの気持ちを、最もよく表している選択肢はどれですか」に対して25-34歳の若者は72%が "心配だ" "興味がない" といった否定的な回答をしたと報告されています。

PwC 『デジタル化がもたらすのは希望か、脅威か デジタル環境変化に関する意識調査 2021年版(日本の調査結果分析)』より

この調査結果から、それよりも下の世代である10代・20代の学生たちにおいても同様のことが言えると推測できます。

そして、これらの差に対する曖昧な分析と解釈が、社会全体で「社会に新しい価値を生み出し、デジタルにワクワクするデジタル人材」を育てる難しさに繋がっているのではないかと考えました。

 
また、第二に、「デジタル社会にワクワクする人がそもそもどのような人なのか」についての定義が曖昧であることにも興味を持ちました。
 
事実、既存の研究では、デジタル人材に関しての意識調査があっても、大学生でデジタル社会にワクワクする人(デジタル人材)が、どのような属性や経験を持つかに着目した調査はほとんどされていません。
 
したがって、"1億総クリエイター時代" が叫ばれている今、そうではない人に対して0からデジタルへの共感値を上げる外発的かつ効果的なアプローチを検討することは非常に難しい問題となっているのです。


3.隔たりを明らかにし、「今」を可視化する”デジタル未来白書”

「デジタル意識」に関してバラバラな解釈がされ、デジタル人材に対する具体的なアプローチが見つけにくい課題に対し、私たちが出した提案。
 
それは、
 
「同世代のデジタルに対する価値観」の調査を行い、
私たち学生世代の"今"を一致させるための"デジタル未来白書"を作る
 こと。
 
今まで焦点を当てられにくかった「大学生」に対象を絞り、「デジタル社会にワクワクする人がどのような人なのか」、「デジタル人材とそうではない人にはどのような差があるのか」等を中心にアンケート調査及びデータ分析を行い、私たち学生世代が “今、何を考えているか“ を明らかにする報告書を作成したいと考えています。
 
加えて、その後は、これらの白書の中で、「誰もが、社会に新しい価値を生み出しワクワクする "デジタル人材" として生きる未来」への具体的な施策提言を行いたいです。
 
なお、現在はパイロット調査を小規模に実施しており、これらの回答をもとに11月は、全国調査に向けたアンケート項目の作成を進めていく予定です。


この記事の執筆者

石飛友里恵 明治学院大学 経済学部(ハワイ大学マノア校に留学中)
「どのような環境に生まれても、すべての子どもたちが『欲しい未来』を実現できる社会」を目指し、様々な教育団体への参画後、現在では大学にて教育経済学の実証分析をしながら、メタバースを用いた教育格差の是正に取り組む事業の立ち上げや運営に関わっています


▼このチームの最初の研究レポートはこちらから

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