長男が障子を破るの巻

長男(4歳)がやってくれました。

長男(4歳)、次男(1歳)、ママはリビングとつながった和室で寝ています。ある日、長男がその和室の障子を楽しそうに全て穴をあけてしまいました。

まあ、私も男の子だったので気持ちは分かります。どこかで穴をあける楽しさを見つけてしまい、夢中になって全部穴を空けたに違いありません。悪気があったのか、無かったのかは、私は分かりません。

第一発見者は、ママで、ママからパパに写真付きのメールが来ました。「やってくれたなあ」というのが感想です。

ママは、長男に「障子をやぶったら駄目なのよ」とは説明したようでした。ママもどうしようか、迷っていて、各所に相談した挙げ句、ママとパパで決めたのは、「長男と一緒に障子を修理しよう」ということです。

パパ:「わあ、障子が破れてる!!寒くなっちゃうよ。ママどうする?
    誰がやぶったの?」
ママ:「ママじゃないよ」
パパ:「長男、誰が破ったの?」
長男:「ぼく」
パパ:「障子が無いと、寒くて、風邪をひいちゃうよ。どうする?」
長男:「ごめんなさい」
パパ:「長男君、障子は破ったら駄目だよ。
    障子を破ったら、寒くて、
    次男もママも長男も風邪を引いてしまうよ
    次からしないでね」
長男:「分かった」
パパ:「じゃあさあ、障子を今度一緒に張り直そう
    こんかいは、障子紙をパパが買うけど、
    今度長男が障子を破ったら、お年玉で買ってね。
    そして、自分だけで直してね」
長男:「分かった」    

休日に家族ででかけて、パパと長男は東急ハンズに行きました。長男に店員さんを呼ばせ、障子紙とのりの場所を聞きました。そして障子紙とのりを買いました(東急ハンズは障子の張り方も教えてくれるからいいです)。そして、家に帰って、次の日に障子を張りました。

4歳児が一人で障子を張るのは難しいので、実質パパがやるのですが、それでも手伝わせたり、助手をさせたりします。まず、はけに水を含ませて、障子の枠を濡らし、障子紙をはがします。次にのりを塗って、障子紙を張ります。そして、カッターで余計な紙を切り落とします。まあ、きれいではないですが、ちゃんと障子にはなりました。

この手の作業でいいなと思ったのは、ミスがあまり許されないことです。長男が勝手な事をすると、障子が張り上がりません。なので、長男が余計なことをしようとする時は、パパが声を張り上げて、「やめろ」と怒鳴りつける事になります(なるべく怒鳴りたくはないのですが、障子が破れたり、間違えてはられると事がなし得ないので、止める時は大きな声を出します。やさしくお願いしている時間はないので)。

普段怒鳴られない長男はびっくりして泣きそうになりますが、自分が破った障子ですし、理屈が分かるのか、泣きそうになりながら、我慢して、言う事を聞きます。怒鳴り続けてはいけないと思いますが、他の事で怒られる、怒鳴られると人格否定のように思えるのかもしれませんが、モノを作る時に怒られるのは、長男を否定しているとはとらないのか、あまり引きずらない気がしました(怒鳴らずに済めば、それが一番良いですが、4歳の男の子はいろいろやりたがるものですし、声より先に手が出ます)。

時間はかかりましたが、無事、障子を張ることができました。物事の修理というのは、私は教育に良いと思っていて、自分がした「障子を破る」という失敗を、自分とパパの努力と作業によって原状回復するというのは、気分の良いものだなと思いました。「絶対に失敗するな」だと萎縮してしまいますが、「失敗したら、自分で自分のケツをふけ」であれば、挑戦も出来ます。失敗をなかったことにするのが修理でもあるので、元に自分で戻すのであれば、子どもを叱ったりする必要は無いと思います(そういえば、私の尊敬する本田宗一郎さんは、車の修理屋をずっとやっていた人です。「車を修理する時は、持ち主の心も壊れているからそれも直さないといけない」と言っていて感動したのですが、修理というのは立派な人間を作るのかもしれません)

その後、長男は障子を破ろうとすることもありませんし、障子が破れている事もありません。障子を張り替える費用もたいした事はなかったことを考えると、「障子を破るぐらいで青筋立てて怒らなくて(叱らなくて)良かった」とつくづく思うのでした。

(『叱らない子育て』がちょっと出来たと思ったので、書いてみました)


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