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まったく新しい回路設計に挑戦できる千載一遇のチャンスにかけて。【プロダクトマネージャー 彦坂慎吾】

エイターリンクでは年頭、AirPlug™️のティザーサイトをグローバルに一斉公開したことを皮切りに、「CES2023」「City-Tech.Tokyo」「Deloitte Tohmatsu Innovation Summit 2023 / Entrepreneur Summit Japan」「WPTCE2023」「IMS 2023」と、数々の大規模な展示会でAirPlug™️のモックアップを披露してきました。下半期は、事業計画の達成に向けて量産化の体制を確立していくフェーズに入ります。そこで今回は、初期の頃から製品開発に携わっているプロダクトマネージャーの彦坂慎吾さんに、入社してからの怒涛の1年間をエンジニア目線でふり返っていただきました。

無限の伸びしろがあるAirPlug™️の製品開発

2020年8月に創業したエイターリンクは、同年11月から竹中工務店とオフィス空間用ワイヤレス給電の実証実験をスタート。さらに12月からは株式会社デジタルガレージによるDX実証事業プログラム「Onlab Resi-Tech」にも参画し、ビルマネジメント領域におけるAirPlug™️の実用化に向けて実証実験を重ねてきました。

その後、2021年10月にはシリーズAラウンドで総額2億円を調達。NEDOの研究開発型スタートアップ支援事業に採択され、FA領域ではロボットハンド向けワイヤレス給電システムの開発も進めてきました。

彦坂さんが入社したのは2022年3月、当時はAirPlug™️の製品化に向けた実証実験の真っ最中で、「自分たちにもゴールがまったく見えていないところからのスタートだった」そうです。

「エイターリンクのエンジニアチームが集まると、CTOの田邉さんを筆頭に新しいアイデアがいくらでも出てきて、良い意味で天井がまったく見えないんです。例えば回路設計では『有線』『バッテリー』ではなく「無線給電」が電源になります。低インピーダンスの電源が前提となる通常の回路設計とは根本的に違うため、これまでとはまったく違う考え方で回路設計に臨む必要があります。無線給電という新しい技術とビジネスのインプットを得ることで、一見枯れた技術でも従来とは違う視点が生まれ、新たな発見をすることができます。例えばアナログ回路設計は、ほぼすべての基本回路構成が教科書に載っていて、特許も出尽くしており、もはや新しい技術開発の余地はないと思われがちですが、エイターリンクであれば可能です。スモールスタートが難しい製造業で新しい技術・新しいビジネスの立ち上げに参画できるチャンスは滅多にありませんので、新しいことに挑戦してみたいエンジニアにとっては、最高にワクワクする職場環境だと思います」(彦坂さん)

当初の試作品は、銅箔とワイヤーで作った手作りのアンテナ。その原始的な段階からパートナー企業と一緒にAirPlug™️の可能性を探り、製品の具体像を描いてきました。彦坂さんは入社直後から、ソフトウェア、ハードウェアの開発、パートナー企業に提供する技術資料や検証レポート、マニュアルの作成など、事業の垣根もなく「必要なことすべて」に関わってきたと言います。

「『どこまでリスクをとって、さらなる高みに挑戦するか』。開発スケジュールや製造コストとのバランスをギリギリまで悩み続ける毎日でした。AirPlug™️は、これまでにない技術であるがゆえに、時間をかければいくらでも進歩させられる伸びしろがあります。また、ディープテックのスタートアップとしても、そのポテンシャルにこそ大きな期待を寄せて頂いていると思っています。エンジニアとして『もうちょっとこうできる』『こうしたい』と思ったら妥協せず挑戦し続けながらも、しっかりと利益を出せるよう落としどころは決めていかなければなりません。この1年間でその難しさを実感してきました」と、彦坂さん。ていねいに語る一言一言から、最高のものを作り上げたいと夢中で取り組んできたエンジニアチームの熱量が伝わってきます。

現在は量産設計を着実に推進中

その後、外観デザインや設計などのブラッシュアップを経て、現在は量産設計の佳境を迎えているのだそう。ファブレス企業のため、製造委託先も検討が進められているとのこと。非公開情報が多く、お伝えできずにもどかしい面もありますが、水面下では着々と開発が進んでいるようです。

「つい半年前までは自分の専門領域に関わらず『必要なことすべてを1人で』という状態でしたが、今は人数が増えて徐々に役割分担が進み、これまで以上に個々のスキルを発揮できるようになりつつあります。今後は、組織の拡大に伴って役割や責任をさらに明確化していく必要はありますが、全体を見渡して最適化していく、トータルで良い製品を作っていくことは、引き続き重要だと思っています。大手企業でプロダクトマネージャーが開発の現場に立つことは稀ですが、私は今なお特許を書いたり、製品に組み込む技術の開発に携わっています。ここはスタートアップならではの面白さですね」(彦坂さん)

じつは 総勢約40人のエンジニアの中で最年少の彦坂さん。年齢層は30代から60代まで幅広く、海外出身メンバーも複数在籍しています。5人のプロダクトマネージャーが中心となって製品群を俯瞰し、各々の役割を自主的に決めているそうです。最後に、今後の展望については、次のように語ってくれました。

「私たちは、AirPlug™️という新しい技術を使って、さまざまな業界の常識を刷新するアイデアを提供していきたいと考えています。AirPlug™️の最大の強みは、有線では物理的にセンサーを設置できなかった場所にもセンサーを取り付けられるようになることです。これは、今まででは取得できなかった情報を得られることを意味しています。バリューチェーン全体を通して一貫したデータを取得できるシステムや、人間の体内の生体データを提供し、価値あるデータを活用して世の中のしくみを最適化したり、人々の生活をより豊かにしていけたら」(彦坂さん)

物流の2024年問題や、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、あらゆる業界でDXが急務とされる中、長距離ワイヤレス給電技術AirPlug™️への期待はますます高まっています。

【取材こぼれ話】

カメラと登山という素敵な趣味をもつ彦坂さん。南アルプスの最高峰・北岳など3000mを超える山を登り、広大な自然のパノラマを撮影してきた経験もあるそうです。常に全体を俯瞰し、最適なルートを見出すプロダクトマネージャーのお仕事でも、その感性が存分に発揮されているのではないかと感じました。



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