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きいてないよ、という気持ち

このまま梅雨入りときいて泣きそうになっている。一昨年の梅雨、わたしは毎日の低気圧による頭痛や鬱々とした薄暗さに相当やられた。こんなに辛かったっけ、とおもった。そしたら去年はもっとやられた。この調子で年々レベルが上がっていくとすれば、いよいよ来年は耐えられないぞ、と鋭い頭痛の中で思った。
そんなふうにして、一年間ずっと恐れていた梅雨入り、なんともう始まってしまったらしい。きいてないよ、という気持ち。ゴジラが上陸したときにすっかり対応が遅れてしまった日本首脳陣みたいに、全然準備してなかった。もちろん、準備したところでどうというわけじゃあないのだけれども。
「素敵なこと 具現化しよう
誰のためにもならないこと二人で
キスの中にほら、火種が混じってる」
大好きなドラマ「住住」の新シーズン、若林と二階堂ふみとバカリズムが机を挟んでトランプをしている。何が起こるでもなく一日を終える都市生活。星をベランダで眺めるエンディングのアニメーションと共に流れるときめくような曲を聴く。

最寄り駅まであと数駅、総武線に揺られる中、なんだか意味深なことを言いたいわけじゃないんだけれど、けれどなんで本当に、大切にしたい人にほど鋭い言葉をぶつけてしまうのだろう。さして距離の近くない人に優しくして、大切に思う人に冷たくあたるとき、わたしの性根はどこまで捻れているのかと思うけれど、口先から出るのはあまりにも不器用な愛の形ばかりだ。

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