最高の夏

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悲しみはバスに乗って

良い音楽に出逢った。 誰かが出した新曲を聴いてこんなに心が震えるのは、なんだか久しぶりな感じがする。 マカロニえんぴつの、「悲しみはバスに乗って」。 夏フェスでマカロニえんぴつを初めて生で聴いた。 セットリストの中にこの曲が含まれていて、それを聴いたときから、ずっと今も、衝撃が溶けない。 「悲劇は金になるから」囁く声が聞こえる バカ言え 誰かに売れるもんじゃない 悲劇は確かに金になる。 悲劇の労り方を、私たちは金を捧げることしか知らない。 実際のところそれ以外にない

    • 世界は生まれ変われるか

      この夏公開された映画「怪物」。 既に2回劇場に足を運んでおり、先日小説版を読み終えた。 この映画はカンヌ国際映画祭にてクィア・パルム賞(LGBTQに関連した映画に与えられる賞)を受賞しており、間違いなく性的マイノリティに触れた作品である。監督は「LGBTQに特化した作品ではない」と述べており、一部で批判もあるようだが、私もこの映画の本質は"そこ"ではない、と思う。 私はバイセクシャルである、という自覚がなんとなくあるが、LGBTQとこの映画の関連に対しては芯を食った意見が

      • 偽物でも美しかった。

        「万引き家族」の小説版を読んだ。 映画は観たことがあったが本は読んだことがなかった。 この間の金曜、早めに仕事を上がって帰りに本屋に寄った。今週の休日は何を読もうかと、店内をぶらぶら歩いてこの本を手に取った。この時間が好きだ。 「万引き家族」は、今まで観た映画の中でも特に私好みの作品だった。是枝作品といえばこの夏「怪物」という映画が公開されたが、それも終わり方が特に好きで、2回観に行った。 かなり有名な映画なのであらすじを知っている人も多いと思うが、血の繋がりを持たない

        • 祈り

          昼過ぎに目覚めた。 寝床に架かる日差しが暑すぎて起きた。 重たい身体を起こして水を飲む。 煙草を吸う。音楽を聴く。 君のことを考える。 携帯電話を開いても、君からの連絡はない。 昨日実家に帰ってきた。 帰る途中の電車で、前好きだった人からメールが来てた。 半年ぶりに連絡を取った。 彼と別れたあとも、何も恋愛は上手くいかなかった。恋人も出来なかった。 そっと会話の履歴を消す。 彼には会わない。 過去に好きだった人。 これから好きになる人。 全部全部大事だけど、今自分が

        悲しみはバスに乗って

          彼のために買った服、着ずに終わった。

          彼のために買った服、着ずに終わった。 久々にちゃんとした恋愛をしたな、と思う。 なんとなくうまく行かないことも、 うまく行ったとしてもいつかさようならをしなければならないことも 全部全部わかっていたけれど それでも好きだったな。 失恋は、いくつになっても悲しい。 こういう経験をするたび、もう二度とこんな恋愛はしないと心に決めるけれど、次好きになる人は、もっとまともできちんとした人が良いと思うけれど、でもやっぱりずっときみだったらよかったな。 わたしたちはそのう

          彼のために買った服、着ずに終わった。