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【詩】へその奥の小石

こんにちは、深見です。
どうやら疲れているようで、仕事から帰るなりすとんと居眠りをしてしまいました。


へその奥の小石

首のうしろからこんころりと
灰色の小石が頭蓋を割って転がって
食道から胃の底へ
へその奥まで落ちていって
川底にもぐるみたいにじっとして
じっと溜まって留まるために
わたくしの体は小石のぶんだけ重たくなって
何をするにも億劫で
何をやってもてんでだめです

こうなったら当分は
わたくしの中に転げた小石が
尻からぽんと出るのを待つか
もしくは小石がただの小石ではなく
珍しい化石や宝石であることを虚しく期待して
わたくしの死んだあとにへその奥から発掘されて
みんながわいわい騒ぐのを
幽霊になったわたくしが、あいつら馬鹿だなあと
いまさら気付きやがったなあと嗤いとばす
そういう想像をして愉しむくらいしか
まあ、やることがないんです

それで当分をしのいだら
小石いっこぶん重たくなった体を引きずって
わたくしは
小石いっこぶん増えたわたくしと共に
まあ、生きていくしかないんです


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