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職業女将のプチおもてなし講座@2

皆さま!おはようございます。
今日も元気印で行ってらっしゃいませ~。

さてさて・・・今日もプチおもてなし講座にしました。

まずは「おもてなし」の語源から実は色々な説がありますが私は講演会や研修ではこの2つをお伝えしています。

東京オリンピックの誘致プレゼンで誰でも知っている言葉のひとつとなった「おもてなし」。
その語源は、「もてなす」という動詞で、「モノを持って成し遂げる」という意味です。
モノとは、目に見える「物」と見えないものである「心」を指していて、「おもてなし」は茶の湯の作法のひとつとして広まったと言われています。
茶の湯では、客人への心配りが何よりも大切とされています。
また、もう一つの由来として伝えられているのが「表なし」。
心に表裏がない状態で客人をもてなすという意味がこめられています。
どちらの語源でも、客人に満足してもらうために、何をすればいいかを考え、準備することの大切さを指しています。


茶道の文化とともに広がりを見せた「おもてなし」の心。
お茶の歴史は古く、平安時代に仏教とともに中国から日本に伝わってきました。
当時、お茶は庶民の手にはほど遠く、貴族や僧侶といった身分の高い人々しか口にすることができませんでした。さらに現在のような飲み物ではなく、蒸した茶葉を固めたものを薬のように飲んでいたそうです。
お茶の粉を湯と混ぜて飲む習慣が始まったのは、鎌倉時代。
武家社会を中心に広がっていきました。
その後、室町時代に仏教の考えのひとつ「禅」の精神が取り入れられ、小さな茶室でお茶を嗜むといった、茶道の原型のようなスタイルが生まれます。
そして、茶の湯と言えば、多くの人が思い浮かべる歴史上の人物の千利休によって、現在まで続く茶道とおもてなしの精神が確立しました。

一、茶は服のよきように
自分がやりやすいやり方ではなく、相手の気持ちを考えて、心をこめること。

二、炭は湯の沸くように
ただ単に準備をするのではなく、段取りは丁寧に行うこと。

三、夏は涼しく冬は暖かに
季節感を大事にしながら、快適に過ごせるように工夫すること。

四、花は野にあるように
茶室を飾る花は、華美に飾り付けず本来の美しさを活かすこと。

五、刻限は早めに
時間にゆとりをもって行動して、心に余裕を持つこと。

六、降らずとも雨の用意
どんな時にも焦らず対応できるように、備えておくこと。

七、相客に心せよ
同席しているすべての客人に、心を配ること。

千利休が基礎を作ったと言われる「茶の湯」は、さまざまな流派に分かれていき、江戸時代になり「茶道」と呼ばれるようになりました。
茶道というと、厳しい作法や手順を守ってお茶を飲むという堅苦しいイメージがあります。
しかし、その基本は「利休七則」からもわかるように「客人をもてなす」こと。
お招きする客人のことを思い浮かべながら、茶器や茶室にかける掛け軸を選びます。
季節や好みに合わせた茶菓子を用意し、茶会が行われる日にちょうど綺麗に咲く花を飾る――なんと茶室から見える庭木の葉を一枚ずつ磨くということもあるそうです。
そして、丹念に準備した茶室は、客人がやってくることで完成します。
四文字熟語としてよく使われる『一期一会』は、生涯に一度しか会えないものと心得ておもてなしするように、という茶道の心得を表しています。
そしてこの心得は、お客様をお迎えするという現在の旅館・ホテルでも同じように活かされています。

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