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カオスな新宿 2023年9月【4】

9月のとある休日、電車で新宿に向かった。6時30分過ぎ、西武新宿駅に到着。既に痛いほど強い日が差している。都会の真ん中だが、祝日のこの時間となると、人はまばらだ。

ノースリーブのワンピースを着た女性とすれ違う。丈が下着のように短い。水商売の方なのだろう。仕事を終えて帰るところなのかもしれない。そのままの格好で出歩いているのが歌舞伎町らしい。

東急歌舞伎町タワーの2階のトイレに向かう。物議を醸したジェンダーレストイレは、今は男女に分かれている。「だれでもトイレ」から女性の喘ぎ声が聞こえた。不適切な使い方だ。取り締まる必要がある。しかし同時に「さすがは歌舞伎町」とも思った。

シネシティ広場に向かう途中のエスカレーターで、上半身裸の白人男性とすれ違った。筋骨隆々のスキンヘッドで「ドラゴンボール」に出てきそうなビジュアルだった。両手を広げて胸を大空に向け、全身で世界を味わっていた。

広場はゴミだらけ。清掃の方々が掃除をしている。その横でダベっている人々がいる。気だるい、退廃的な空気が流れている。しかし休日の朝7時ということで、子連れの親子もチラホラ見える。「プリキュア」の映画を観に行くのかもしれない。

夜の歌舞伎町は騒がしいが「夜の歓楽街」としての統一感がある。一方で休日の早朝は、そこに健全な人々も混じるため、むしろこちらのほうがカオスと言えるかもしれない。

続いて地下街を歩く。ほとんど人がいない。16番出口から地上に上がり、新宿ピカデリーに向かう。かつて足繁く通った映画館なので、思い入れがある。残念ながら開館前だったので引き返す。相変わらず日差しが強く、たった1分で髪の毛が暑くなった。

また地下街を歩いて新宿三丁目方面へ。道すがら、喫茶店でパソコンに向かう女性が見えた。スーツ姿で、洗練されている感じ。新宿の別の面を見た。

バルト9(映画館)のロビーに行くと、朝一番の上映を待つ人々がチラホラ。ダラッとした感じの人と、そうでない人に分かれている。前者は徹夜組、後者は早起き組なのだろう。

次にバスタ新宿へ。もちろんバスに乗る予定はない。ただの趣味だ。行先表示を見たり、旅行に向かう人々を眺めるのが楽しい。休日の朝ということもあってか、だいぶ混雑していた。

空いている椅子に腰を掛ける。隣にロリータファッションの女性がいて、慌てて化粧をしている。あと数分でバスが来るのかもしれない。

トランクの上に並べられた化粧品が、どれも使い古されて汚れている。バッチリ決まった見た目とギャップがあって、興味深かった。

西武新宿駅には戻らず、新宿三丁目駅から乗車。ちょうど西武線直通の小手指行きが来た。乗換なしで所沢に帰ることができる、ありがたい電車だ。

平日の朝は通勤・通学客でいっぱいだが、休日の朝は子供からお年寄りまで乗ってくるので、見ていて楽しい。約1時間後、所沢に到着。1番ホームの本川越行きに乗り換える。旅が終わろうとしている。

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著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…

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