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色とテクスチャーも”デザイン”の一部に捉えたタンブラー

PAPLUS®の独特のテクスチャーはどのように生まれているのか、、、
知れば知るほど奥深く、好きになってしまうタンブラーです(^^)
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ー元の材料を見ると白色だと思うのですが、製品にする過程で色が変化するのでしょうか。

鍵本:そうです。樹脂は熱可塑性といって熱を加えるとどろどろに溶けます。ポリ乳酸を溶かして紙のパルプと混ぜていくのですが、この過程で紙が焦げているんですよ。それに加えて成型時にかなりの高温で金型に流し込んで固めるのですが、その時に熱で素材が変化することでこの色と独特のテクスチャーになります。

写真1 | 小さな瓶:左から、古紙をパウダー状にしたもの、ポリ乳酸、左2つを混ぜたもの

ー紙が焦げた色だったのですね!混ぜることによって起こる変化が面白いですね。

鍵本:はい。白い原料をそのまま製品にするとよくある見た目の製品になります。それはバイオマスプラスチックか普通のプラスチックかと聞かれても見分けが付かないですよね。それってあまり素敵ではないなと思うんですよ(笑)私たちのポリシーのひとつとして“デザイン”をすごく大事にしています。

ーなるほど。そこも”デザイン”の一部ということですね。

鍵本:そうですね。「これちょっと変わっているね」「見た目は陶器みたいなのに指で弾くとプラスチックみたい!」「これって素材は何?」とか、「形もちょっとミニマムな感じが素敵だね」とか、そういう声が出ることが大事だと思っています。「環境に負荷をかけない」「SDGsに貢献している」といってもそのモノ自体を良いと思わないと買わないし、そもそも手に取らないと思うんですよ。なので見た目のデザインをすごく大事にしています。
紙を入れることで独特なテクスチャーの変化を得ることができる。それがデザインの拡張性に繋がっていると思っています。

ー個体や部位によってテクスチャーが違うところがあるのかなと思ったのですが、違いはありますか。

鍵本:そのテクスチャーの違いは樹脂のロットによるものが大きいです。同じ製品でもロットによって雰囲気が違ってくる部分があります。あとは製造方法にも違いがありますね。

ー製造方法の違いとはどのようなものでしょうか。

鍵本:原料のモノって溶かして固めて金太郎飴みたいな感じ(写真1の参照)で小さく切っていくんですよね。そのやり方が初期段階はホットカットといってどろどろに熱いままにカットしていました。そうするとずっと熱いままなので温度がどんどん上がっていくんですよ。だから最初に作ったものと後に作ったものが少しずつテクスチャーの出方が変わっていく加工方法でした。
そのあと、ストランドカットといって一度冷やしてからカットする方法に切り替えました。そうすると安定しました。ただ、ホットカットの時の不安定な感じの方が独特なテクスチャーが良く出るんですよね。なのでこれは一長一短だなって感じています。

ーカットの仕方でも仕上がりに変化が出るのですね。奥深いです、、、!

鍵本:作り手からするとある程度予測しながら進めていかなければならないところもあります。出たとこ勝負なところもあるので。樹脂のロットが違うというところで管理をしています。
陶器の様なテクスチャーが魅力的だと言って下さる方もいますし、これは好みがあるかなと思いますね。


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