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ゆかりんバースデーイベント2024の感想

 2019年3月2日、私がMellow Prettyに入会したその日から、先日ちょうど5年の月日が経ったらしい。正確にいうと、私が田村ゆかりさんのファンになったのは、奇しくもその1年前の2018年3月2日未明に放送された”鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト”がきっかけだから、ファンになってからは6年ということになるか。未だ25年の私の人生のなかで6年続いたものなんて幾つあるだろう、幼少期から続く趣味のサッカー観戦が19シーズン目を迎えたのは外れ値にしても、一番長いと思われる少年サッカー(プレイヤー側)はちょうど5年で辞めてしまったし、それより長いとなると半ば自動的に続く小学生生活の6年と、一貫校の生徒だった中学・高校生活の6年くらいしか長い期間継続できたものなんて無いんじゃないかと思うと、比較的飽き性で継続性に乏しい人生なのかもしれない。そう考えてみると、ここまで5年も6年も熱量をもって継続的にファンであり続けられている、そしてこれからもそれをやめる気はないのは、私の価値観や心情の中に引っかかる特別な何かがゆかりんにあるということなんだと思う。
 5年前、Mellow Prettyに入会して1週間後にTwilight Chandelierツアーの先行抽選が始まり(ついでにちょうど同じころFCの運営会社が変わるが、それはまた別のお話)TCツアー3公演に参加、20年と21年はコロナ禍や仕事の都合で全くライブに行けず、22年にはSdとMM、FCイベで5公演に参加、そして23年のwmツアー、FCイベ、ゆかりちゃん祭りで計15公演と、数えてみると5年間で23回のライブ・イベントに参加してきたことになるのだが、2月27日に会場でお祝いできたことは今まで無かった。2024年2月27日、ゆかりんのバースデー、ついに初めて会場でお祝いできるその日。東京に強風が吹き荒れる中、仕事を半日で切り上げて京急線に飛び乗ったのだった。

お馴染みパシフィコ

 バースデーイベントということで、もちろんバラエティコーナーもあるのだが、そのコーナーの様子をつぶさにレポートするのも野暮だろう。どちらかというと曲の感想に専念することにしたいが、敢えて一つだけ、ハワイの浜辺の音と沖縄の浜辺の音を正しく聴き分けることができたということだけは記しておく。昨年夏まで2年間沖縄に居た身、週末にはよく近所の浜辺を散歩していたのだから、さすがに間違えるわけにはいかない。Bの砂浜の音には当時よく散歩していた浜辺に似たものを感じたのだった。

めろ~んのテーマ ~ゆかり王国国歌~

 男爵が入場して、会場は拍手に包まれる。会場が暗転して、客席では無数のピンク色が一斉に灯りだす。そして次の瞬間、”Chuppy Chuppy~”、会場の空気が一瞬にして変わった。なんとTC福岡以来、5年ぶりに流れ始めた国歌。TC長野が初参加の私にとっては当然ながら初めて生で聴く「めろ~んのテーマ」、初めて現場で聴く国歌に思考が完全に止まってしまう。
 ステージ上ではステッキを持ったゆかりん。一瞬にしてめろ~んの魔法にかけられてしまった。それにしても、何度も映像で見た”ウンウンそだそだ”を会場で叫ぶ日が来るとは。1曲目から完全にしてやられてしまった。

恋のヒメヒメぺったんこ

 2曲目続けての電波ソングなんて誰が予想できただろうか。完全に”姫のペース”に乗せられてしまって、もはや曲に合わせてヒメ!と合いの手を叫ぶことしかできない。のっけからかわいい曲が2曲も続いたら、これだけでかわいいを受け止めきれずキャパオーバーになってしまいそうだった。

 ステージの袖から、同じく今日が誕生日の天津飯大郎さんが登場。そういえば、みんなで飯大郎さんの名前は叫んだのに、飯大郎さんにおめでとうと言わなかった気がする。飯大郎さんもおめでとう!!そして、飯大郎さんの合図をきっかけにみんなで一斉にボード(私は白でした)を掲げる。マスゲーム、いや、サッカーファン的にはコレオグラフィと言った方が良いかもしれないが、客席には大きなハートが浮かび上がったらしい。これは”ゴール裏育ち”の意見かもしれないが、特別な誰かに向かってみんなで作り上げるコレオグラフィが上手く決まると、それを作り上げる構成要素の1つであるはずの自分も感動してしまうのはどうしてだろう。作り上げている自分への変な酔いかもしれないが、コレオが成立するほど沢山の人とこの場を共有できていることの嬉しさがあるのだと思う。そして、個人的には初めて生で見たのだが、ケーキにダイブするようにかぶりつくゆかりん。今年も最高にかわいい。

ときめきフォーリンラブ

 続いてはアコースティック編成での「ときめきフォーリンラブ」。2022年のライブやイベントでもあったが、不意に差し込まれる神楽坂ゆか曲の良さは筆舌に尽くしがたい。そして、アコースティック編成だからか、演奏も歌声もCD音源に比べると優しさに溢れているように聴こえてくる。純粋に歌詞だけを追っていくと、かなり直球的で盲目的な恋の始まりの曲だが、これが長年積み上げてきた愛みたいに聴こえてくる気がするのは、これを”今のゆかりん”が歌っているからだろうか。
 そして、この曲のAメロとBメロのコールの部分では客席からクラップが。”ゆかたん”、或いは、今回でいうと”ゆかり”のコールに相当するクラップなのだが、なぜかこのクラップに心が動かされた。アコースティックは静かに聴くべきだという意見もあるだろうし、むしろ声を出しても良いんじゃないかという意見もあるかもしれないのだが、2021年・22年、声を出すことを許されなかった時代を経てからアコースティックにだけ残ったコール代わりの拍手は、この時はっきりとゆかりんの名前を呼んでいるように聴こえてきた。
 この曲は何度もライブDVDで見たことがあって、元気いっぱいの可愛い曲という印象だったのだが、今回のこのアコースティック編成、はっきりと人間味が伝わってくるような男爵の演奏、優しく歌い上げるゆかりんの歌声、呼応するクラップ、全てが合わさって、この曲の真価を見たような気がした。このアコースティック編成の「ときめきフォーリンラブ」、どうかもう1回だけでもいいから聴けないだろうか。そして、他の曲もこれくらいのテンポ感でアコースティックアレンジしてほしい、いや、これは個人的欲望が出すぎているか。

幸せになるといいな!

 少女のようなゆかりんの歌声とノリさんが奏でるアコースティックギターの音色が心地よい。油断していると会長が一筋の楔を打ち込むようにカッコいいエレキギターを差し込んできて惹き込まれる。優しくて少しだけ前向きで、ほど良く希望に包まれたような歌詞、そしてアコースティックの温かみのある音色、この空間に包まれ続けることができたならどれほど幸せだろうか。

TEARS ECHO

 続いて披露されたのはアニメ『LOST SONG』のエンディング曲、「TEARS ECHO」。「ときめきフォーリンラブ」に魅了されたのが記憶に新しいが、今回のイベントで最も印象に残ったのは紛れもなくこの曲だった。『LOST SONG』はリアルタイムでは見ていなくて、たしかコロナ禍の頃に見てみようと思って1話だけ見たのだが、その後忙しくなってしまって結局1話しか見られず今日に至った作品だった。そのときに聴いているはずで、確かに思い返してみればエンディングがすごくいい曲だった記憶があるのだが、すっかり忘れてしまっていた。
 穏やかな泉のような爽やかさを持つイントロに続いて、遠くを見つめるように少し切なさを含むゆかりんの歌声。メロディラインはとても心地よくて、特にAメロやBメロは穏やかな気持ちで歌声を聴き入ってしまいそうになるのだが、その歌詞に含まれる相当な悲痛に気付かされて、そこのギャップにハッとさせられる。サビの後半にあるファルセットの部分のゆかりんの歌声はとても綺麗で、これだけをずっと聴いていたくなる。そして、エンゼルのドラムは曲中の心情をまさに体現するかのように迫ってくる。
 恐らくこの曲のテンポ感とメロディラインが自分の好みすぎるのだと思うのだが、それにゆかりんの歌声が加わると、私にとっては好きなもの全部乗せのような状態になる。もっと早くこの曲を”発見”できなかったものかという悔しさに似た何かがゼロではないが、今回この編成の生演奏でこの曲に触れることができたのは、自分の今までのライブ体験でも指折りの衝撃だったかもしれない。ゆかりんの曲に自分なりに順位をつけるとして(そんなの野暮だという意見は一旦置いておいて)、久々にそのランキング1位が書き換わった瞬間だった。帰宅後真っ先にiTunesを開いてこの曲を買ってから、ここ1週間何度も繰り返し聴いていて、突然の選曲傾向の変化にiTunes側もさぞ驚いていることと思う。

You Are The World!

 ゆかりんを眺め続ける幕間映像が終わると、「You Are The World!」のイントロが流れ始め、それまでのほのぼのとした雰囲気から一変、客席にはピンク色の海ができる。そしてステージ上には大量のダンサー。なんと、エンゼル、メリーさん含め出演可能な演者とスタッフ総出での演出らしい。オリンピックの開会式でも見ているのではないかと思うような、ダイナミックで華麗な世界がステージ上で繰り広げられる。
 数多あるゆかりんの歌声の中でもかわいさが際立つAメロに続いて、変化のあるラップ、RAM RIDERさんが作るゆかりんの曲の真骨頂ともいえる電子的な要素が際立つこの曲はゆかりんのかわいい部分が純度高く詰め込まれている。かわいさの中に気品があるのがこの曲の特徴かもしれない。
 ステージパフォーマンスの華麗さと歌声のかわいさ、これを同時に浴びていると五感が受け止めきれずに呆然と立ち尽くしてしまう。あっという間に4分経ってしまって、曲が終わってしまった。

期待しないで

 件の沖縄とハワイを含む格付けチェックが終わり、ステージ上に積み上げられた大量のうまい棒が回収されると、続く曲はこちらも新譜から「期待しないで」。メロディラインが強い曲という表現が合っているか分からないが、新譜の中では一番ライブ映えしそうな、まさに今回のようにライブの終盤に置くととても盛り上がりそうな曲だと思う。そしてこの曲は振り付けがとてもかわいい。
 あれ?、2番の冒頭歌詞間違えてました?めちゃくちゃかわいかったし、もう一回見たいけど見なかったことにしておこう。

ラブラブベイビーハッピースター

 年齢なりの感じになると思うという本人の言葉から、2010~2014リリースあたりの曲が来るのだろうと思っていたが、このイントロは……「ラブラブベイビーハッピースター」!!Crescendo Carol初日以来6年半ぶり、当然ながら私がこの曲を生で聴くのは初めてだが、また1曲、”聴けると思っていなかった曲”を聴くことができてしまった。コールも口上も全く言えなかったが、これは次があった時のための宿題ということにしておこう。この曲は軽やかさとスピード感に全てを持っていかれそうになるが、歌詞の言葉遊び感が面白い。歌詞カードをじっくり見ながら聴いていたいが、生演奏にそんな余裕はない。キレキレのスピード感で終わってしまった。

14秒後にKISSして

 この曲はライブに行き始めるようになった頃に生で聴いたような記憶があったのだが、TCツアーでもセトリに入ってはおらず、意外にも生で聴くのは初めてだった。恐らく2017~2018年ごろのライブ映像をよく見ていたから、その記憶が染みついているのだろう。
 場内は”K I S S”の大合唱、そこから甘い世界が始まっていく。サビの部分ではペンライトが一斉に左右に揺れる。ピンク色のワイパー越しに歌うゆかりんはとてもきれいに見えた(飯大郎さんが"S"をやっていたのは大変悔しいことに見逃した)。
 清竜人さんの作り出すファンシーな世界観は唯一無二だと思う。「14秒後にKISSして」、「ゆかりはゆかり」、「聴こえないように」、どれも何度も聴きたくなってしまう。

Sewing My MODE

 実はこの曲は知らなかったのだが、いや、『Crescendo Carol』の盤には収録されているから聴いたことがあるはずなのだが、印象に残っていなかったのかもしれない。歌い出しの一瞬で可憐な歌声に魅了される。かわいい。曲中ずっとかわいいという感想しか出てこない。この強さには圧倒される。ひたすらステージを見つめることしかできなかった。

コードレス☆照れ☆PHONE

 「みんなも一緒に」というMCから始まったのはなんと『のうりん』のキャラクターソング「コードレス☆照れ☆PHONE」。何度ゆかりっくFesの盤でこの曲を聴いたことが、なのだが、肝心の口上は全く覚えていない。歌うとしたら神楽坂さんが何かイベントをする時だろうと勝手に思い込んでいて、それも暫くないだろうからとノーマークだった。私の右隣の人が歴戦の王国民の大先輩だったようで、その右隣の人のコールに勝手に私の分を託すことにしようか(ちなみに右隣の方、口上結構怪しそうでしたが「俺とゆかたんコードレス」しか言えなかった私には何も言う資格はない笑)。ゆかりんからは「よくできました」のコメント。たしかに、歴戦の猛者達のパワーは偉大で、『のうりん』のワンシーンが脳裏をよぎるようだった。

 3時間を超え、21時45分ごろの終演となった。なんと私にとっては11曲全てが初めて生で聴く曲になった。終演後は去年からお馴染みのメンバーで集まり、2時間弱ほど簡単な打ち上げをして解散。やっぱり話題は尽きなかった。

おめでとうの気持ちを込めて。

 さて、今回の座席は1階後方、正面のスクリーンにはステージ間近で撮影されているリアルタイムの映像が映し出されているのだが、その映像はほとんど見ることなく、ステージ上のゆかりんを凝視してしまう。眼鏡越しではあるがさほど視力が良いわけではなく、ステージ上の細かい部分まで見えるわけではないのだが、カメラ越しではなく自分の目で見ることにこだわってしまうのは私の性格かもしれない。5,000人収容のパシフィコは相当大きいホールのはずだが、上手側後方の私の席からも遠さはあまり感じなかった。初めてゆかりんのライブに参加したとき、当時の私のメモによれば20列目でも遠く感じたのに、今回は数字でいえば倍くらいある列にいて、その時より近く感じたような気がしている。このあたりは当時との心境の変化、向き合い方の変化とかそういう部分が大きいかもしれない。特に、バースデーイベントにはこれまで行くことが叶わなかったというところもあると思う。ライブやイベントに行けなかったという体験は、私の場合はこういう形で、後々参加できたイベントでポジティブに作用するらしい。

 ゆかりんを祝うはずのイベントなのに、ゆかりんからたくさんのプレゼントをもらったような気がする。改めまして、ゆかりん、お誕生日おめでとうございます。この先1年が最高のものでありますように。

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