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郷土料理「緋の蕪漬」を作る!

(2023年2月9日)

 正月のおせち料理に欠かせない食材。雑煮の箸休めにも食卓に上るのが当たり前だった。鮮やかな緋色に発色した「緋の蕪漬け」。着色料を使用していないのに、この鮮やかさ。本来なら、年末に収穫して正月用に漬けたかったところだが、播種が遅くなってしまったため、収穫が1月末~2月始めにずれこんだ。材料はひかぶ、塩、かんきつ果汁、酢、砂糖の5種類だけ。1カ月遅れの「緋の蕪漬け」に取り掛かった。


「緋の蕪や 膳のまわりも 春景色」(正岡子規)

 松山出身の俳人・正岡子規も、「緋の蕪や膳のまわりも春景色」と詠む。農林水産省のホームページの「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」に、愛媛県松山地域の郷土料理として紹介されている。県内のほかの地域出身の妻は、緋の蕪漬けが食卓に上った記憶はないという。そういえば、「松山城が見える地域でしか、うまく発色しない」なんてことも祖母から聞いた記憶がある。

アントシアニンが酢に反応、発色

 「ひかぶ」は、ほかのカブと違ってアクがある。まずは、たっぷりの水につけてアク抜き。それを薄く輪切りにして5%塩で漬けておく。水気を切ったひかぶに砂糖をまぶし、かんきつ果汁と食酢を加えて漬け込む。本来なら「ダイダイ」の果汁を加えるのだが、今年は手に入らなかったので、柚子とレモンで代用。2,3日もすれば、全体が緋色に。かぶに含まれるアントシアニンが酢に反応することで発色するのだという。

築120年の蔵で保管

 たくあん、白菜キムチ、カクテキに続く漬物シリーズ。保管している蔵には、昨年漬けたらっきょうや、梅干しとともに漬物樽が並んでいる。


  この蔵、100年ほど前に、ひい爺さんがこの土地に家を新築した時、以前の家にあった蔵を移設したものだという。なので、築120年くらいだろうか。分厚い土壁、頑丈な扉。夏は涼しく、冬はあまり寒さを感じない。25年前、自宅を新築した際、農機具などを入れていた6坪ほどのこの蔵を取り壊さず、内装と外壁をリフォームした。室内バーベキューができるように床下に囲炉裏を作った。当初は母親がここで習字教室をしていたが、2年前にやめたため、今は私が占拠(笑)。2階は秘密?のたばこ部屋、1階では発送の荷造り作業などを行っている。ゆくゆくはネット環境を整備し、「あぐりげんき」の事務所にしようと計画中です。

(あぐりげんき通信)

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