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業務用野菜の動向~カット野菜とGAPについて~

こんにちは。アグリペディアの村山です。

アグリペディア株式会社では、今後日本の農業を担っていく大・中規模農家にフォーカスした支援事業を行っています。
現在は「販売先のマッチング事業」を主に行っており、業務用野菜の生産者様の支援の一環として、本ブログを開設いたしました。

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今回も引き続き、カット野菜の動向について簡単ではありますが解説していきたいと思います。

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今回は業務用野菜でも需要が高まっている「GAP」認証制度について説明します。

GAPとは?

近年、世界的に農産物にも安全性や労働者の人権保護など、「見えない価値」が求められるようになりつつあります。
簡単に説明するとこの「見えない価値」を明確化しているのがGAP、さらにこの「見えない価値」を見える化するのがGAP認証になります。

さて、GAPとは具体的になんなのでしょうか。
GAPとは、Good Agricultural Practiceの略であり、直訳すると「良い農業のやり方」となります。
GAPは大きく分けて、GLOBALG.A.P、ASIAGAP、JGAP、独自GAPの4種類があり、それぞれ世界基準、アジア基準、日本基準、都道府県等自治体基準の認証制度になります。

出典:「GAP(農業生産工程管理)をめぐる情勢(R.3.11 農林水産省)」を基に弊社作成

GAPはSGDsの考え方に基づいており、持続可能な農業を目指すための生産工程管理の取り組みのことを指します。
GAPは食品安全、労働安全、環境保全、人権保護、農場経営管理の5つの柱から成り立っており、それぞれの観点から危険性や問題点を考え、対策を行い改善していく取り組みを「GAPの実施」と言います。
そして、これらの取り組みを行っていることを証明するのが「GAP認証」になります。

GAPの取り組み効果

GAPを実施することにより、食品安全、労働安全、環境保全などの安全性の向上、人権保護、農場経営の安定が見込まれると考えられます。
この中でも特に生産者の皆様には農場経営の改善を図れることが一番関心があるのではないでしょうか。
実際にGAP実施による経営改善効果は次のようになっています。

出典:「GAP導入による経営改善効果に関するアンケート調査結果」(H25.1(独)農業・食品産業技術総合研究機構)を基に弊社作成

このように、GAPを実施することにより、農産物の品質向上、消費者の信頼確保を図ることが出来、結果的に農場経営が改善するといえるでしょう。

GAP認証取得による販路拡大

上のグラフでは約半数の方が営業のしやすさや生産・販売計画の立てやすさといった販売における課題が改善したと回答しています。
GAPを取得することで販売における課題が解決するかということも、生産者の皆様にとって非常に関心があると思われます。

そこで、GAP認証取得農産物を求めている実需者について簡単に紹介します。

有名な話ではありますが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、食の安全性を確保するため、国産のGAP認証農産物を使用することが求められていました。

オリンピック以外にも実需者からの需要は高まっています。
農林水産省はGAP認証農産物を取り扱う意向を有する実需者をGAPパートナーとして募集しており、現在約50社が登録しています。
この中でもセブン&アイグループでは2050年を目途にすべての取扱食品を持続可能な調達にするという目標を掲げており、GAP農産物の需要はとても高まっています。

実際に、アグリペディアの販路拡大サービスを利用している生産者の方の中には、JGAPを取得しているためセブン系列の販路が増えたという事例もあります。

他にも、令和元年時点でGAP農産物を仕入れている流通加工業者5.7%のうち23.9%はGAP農産物の仕入れ量を増やす意向があると回答しています。
(食料・農林水産省・農山漁村に関する意向調査より)

GAPを実施・取得することによって得られる効果は販路拡大に繋がると言えるでしょう。

GAP認証を取得するためには

続いて、GAP認証の取得方法について説明していきます。
GAP認証を取得するためには、GAPを実施し、GAP審査会社による審査を受ける必要があります。

出典:「GAP(農業生産工程管理)をめぐる情勢(R.3.11 農林水産省)」を基に弊社作成

この審査にはGAP基準書が用いられ、必須項目の100%かつ重要項目の95%以上が適合していることで合格となります。JGAPでは120以上の項目が設定されています。
審査のためには基準書の内容を理解し実施すること、また、専門家による指導を受けるなどの事前準備が必要となり、取得には半年から1年ほどの時間を要します。
審査費用はJGAPで約10万円+審査員の旅費、専門家の指導料(任意)となります。

ここで心配なのがGAP取得のための手間や時間だと思います。
アグリペディアではJGAP取得支援を行っており、JGAP取得に係る手間を効率化し、短い期間での取得を目指します。また、JGAP取得後の販路のご紹介もいたします。

▼JGAP取得支援について詳しくはこちら▼

今後もさらに注目が高まるであろうGAP認証制度についてご理解いただけたでしょうか。
次回は業務用野菜に適した品種選定についてお話していきます。

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参考文献

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