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夢十夜(第一夜)

夏目漱石
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青空文庫より、
夏目漱石「夢十夜」の
第一夜を読みました。

《ふわっとあらすじ》

こんな夢を見た。

部屋には仰向きに寝ている女と
その枕元に座っている自分がいる。
女は「もう死にます」という。
死んだらまた会いに来るから
百年待っていて欲しいという。

顔色もよく、
とうてい死ぬとは思えなかった。
自分が待っていると答えると
女は目を閉じた。
もう死んでいた。

庭に真珠貝で穴を掘り
女の墓をつくった。
それから自分は苔の上に座り
墓石を眺めながら
今から百年待つのだなと思った。

東から日が出て西へ沈んだら
一つ、二つと数えていった。

いくら待っても百年が来ない。
女に騙されたのではないかと
思い始めていた。

すると墓石の下から茎が伸び
自分の目の前で真っ白な百合が咲いた。

そこで
百年はもう来ていたのだと気が付いた。


《語句解説》
唐紅:濃い紅色、真紅。
暁:太陽が昇る前の暗い頃。明け方。


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音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

しんいち情報局(仮)
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