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きょうだいの話②

読んでいただきありがとうございます!
前回の続きです。

振袖で殻を破れるか

突然訪れたその日は、こんなシチュエーションからでした。

Sは今年ハタチを迎えるので、母は振袖のレンタルの冊子を用意してSに一生懸命話しかけるのですが、いつもの万年反抗期モードで無視。その後母は就寝。

いつもは早寝の私はなぜかこの日12時半でも元気でした。なんとなくSにさっきの振袖の話をしてみると、

「ほんとは振袖着たくないんだよね」と一言。

私たちにしかわからない感覚なのですが、母は私たちが拒んでも強引に押してくる癖があって、本気で断ると気を悪くすることもあるので、その圧を感じるのです。

私はこの一言からその背景と何回かトライしたであろうことを察しました。でもハタチだから、だからこそ自分の意思をちゃんと伝えればいいと思うよ。と伝えました。母はもしかしたら着てほしいという願いがあるのかもしれないけれど、それがSの苦しさならば伝えるべきだと。

Sは諦めかけていましたが、んー考える。と。いつもならここで心の扉シャットダウンのお時間だったのですが、Sから会話のボールを投げてくれたのです。

ほとんど母の話でした。(笑)もちろん母を全否定するつもりはないんです。ここまで父のことを抱えながら一生懸命育ててくれているので、ありがとうの気持ちは忘れません。

ただ、どうしても固定観念と周りの目にとらわれて生きてきた方なので、教えは厳しく、様々な面で委縮せざるを得ませんでした。はたから見たら厳しいママなだけかもしれないけれど、家と外で半二重人格になるくらい苦しかったのです。

どう苦しかったかは私とSでは違ったみたいですが、この感覚の共有はちょっとワクワクさえしてしまいました。誰にも共感してもらえないこの部分をお互いの人生のハイライトとともに振り返りました。(笑)Sは母が従順ではない子に対して否定的?なことに幼いころから気づき、逆に日常的に反抗期を築き上げたんだそう。そうすることで少し素直になっただけで母は話を聞いてくれるから、と。どこまで本当かわかりませんが、賢そう(笑)縛られてしたがって、突然の反抗期が訪れた私や、なんの作戦もなくまっすぐ母にぶつかる私を見て、下手くそだなあと思ってたんだとか。話せたことが嬉しすぎてそんな分析にも腹は立ちませんでした(笑)

共通点はなんと…


気づけば夜中3時!!

話題は進路決めや将来の話。Sは芸術系に進んだのですが、その理由は「環境問題の貢献したいから」だそう。初めて聞きました。高校のころから何かしなければ!と思いつつも何もできず、そんな時広告の力が人々の意識に大きな変化をもたらすという番組を見て、それをきっかけに今の進路に繋げたのだと。

感心すると同時にビビっときました。これは2人で何かできる。

私の興味関心の中で環境問題の比重もかなり大きかったから。私は大学で社会問題について学ぶことが多く、環境問題に関する知識もそれなりだという自信があります。また私は思い立ったら行動!な面があるので、ラップ削減プラスチック削減のための活動を家で実践しようとあがいたり、ヴィーガン食の取入れもしたりしていました。政治家の動きを追って投票、意見発信をするなど、大きい動きに繋がるように個人にできる行動はしているつもりです。(正直まだまだな部分は多く自分でも悔しくはありますが一度置いておきましょう涙)

そう、私とSは共通点を持ちながら対照的。Sは慎重で作戦派、ちょっと保守的。私は行動派で悪く言えば考えなし。でもこのタイプの違いは何か始めるにはぴったりじゃないか!お互いを補い合える!と一瞬にしてにやけました。

ここで繋がる母の存在

私たちはここで気づいたのです。母と私たちは日本社会の縮図だ。

夜中の12時半から4時まで母について洗いざらい話し、私の母への対応、Sの母への対応、何がうまくいって何が逆効果だったのか。分析しました。母は保守的・多数決に弱い・めんどくさがり・衛生面を気にする、といった特徴を持ちます。失礼な言い方ですが典型的な古株日本人。家庭で行った環境政策(と呼ばせてくださいw)にもそれぞれ善し悪しがありました。特に地球のためにという訴えかけに効果はなく、意識を変えるのはなかなか難しい。やはり自己利益を追求しがちでした。とはいえ意識がかわらなければ意味はありません。つまり楽ちんで自分のためになって、ついでに意識も変えるくらいのスタンスで、浸透させる必要があると感じました。

これまでの環境問題に対する様々な実践から効果とその持続性、副作用(実践後の母からの文句)を細かく話し合いました。この分析結果をもとにactionを起こせばきっと多くの人に正しく、そしてPositiveに広められる。

母を変えられれば日本を変えられるという結論に達しました。

まずはInstagram共同アカウントを作ることにしました。Sの得意な絵×これらの分析で他とは異なる環境系発信をはじめます。まだまだ詰めは甘いですがきっと何もしないと始まらない。Sの冷静さ、クリティカルさと、私の…パッションと失敗からの学びで進んでみたいのです。

この日結局オールでした。Sのテンションは一定でしたが、私はその奥のsmileを見逃さなかった!だから私は「こんなに話せてうれしかった」といっぱい伝えてやりました(笑)届けぶきっちょな私の思い!そしてワクワクしてるよ。

また次の日からはいつも通りの会話量に戻ってしまった。
でも心の底から嬉しい一夜だった。一生忘れないし、そうするためにここをスタートにしたい。一歩一歩っこっちから歩み寄ろう。そしてこのアカウント成功させよう。

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