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湿気と茶の再開

久しぶりのお茶
新しい先生はやわらかでおだやか

湿気が強い
茶杓からなかなか落ちてくれない抹茶をながめながら梅雨が近づいていることをおもう

今朝は強い雨が降っていた
雨音でラジオの音が聞こえないような雨は久しぶりだ
ざーっと降って降り飽きたのか
稽古をおえたら雨はすっかり止み
どんよりまだ暗い空の下
空気は暑く水っぽく重くなっていた

時計から離れ
電波から離れ
ただただ茶を一杯入れるためにゆっくりと時間を使うこのことがやっぱり私は好きだ

庭に咲いていたというぽっと小さな花に
花が落ちた後の素朴な葉が
籠の花器にそそと活けられている

久しぶりに点てた茶は粗く
ふふと笑ってしまう感じ
でもおいしかった
とろっとした炭火であたためたお湯
お釜から立ち上がる湯気
愛おしさのなかに懐かしさも

ただいま、わたしのお茶じかん

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