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「可愛い」と「かわいい」と「カワイイ」

【MEMO】

編集において、言葉の表記というのはとても難しく、何よりも楽しい。同じ言葉1つでも、漢字で書くかひらがなで書くかカタカナで書くかで、伝えようとするイメージが変わるというのだから不思議だ。同じ意味であるはずなのに、同じ意味ではないのだ。

タイトルのとおり、「可愛い」にもいろいろある。「可愛い」も「かわいい」も「カワイイ」も全部違う。同じ言葉でも、表記の違いで意味合いが変わってしまうなんて、日本語ってやっぱり楽しい。

ファッション雑誌やカタログによって、アイテムのキャプションではそれぞれ言葉の使い方が違う。同じ色の同じ形状のスカートを説明するのにも、あるブランドでは「綺麗」、また違うブランドでは「キレイ」と表記する。この2つの言葉を聞いて、読者さんが何を想像するのかをわたしはとても気になる。

漢字で書かれた言葉をひらがなにすることを、校閲の世界では「ヒラク」(可愛い→かわいい)、ひらがなを漢字にすることを「トジル」(かわいい→可愛い)というのだけれども、わざわざそんな校正があるのいうのも趣がある。きっと、他の言語ではできないことが日本語には詰まっているのだ。そして、読み手に想像を預けることができるこの表記の違いが、わたしはたまらなく好きだ。

感覚的にだけど。
わたしのなかでは、キティちゃんは「カワイイ」で、リラックマは「かわいい」で、ペコちゃんは「可愛い」だ。(完全に主観です)
これを聞いてきっと、「いやいや、リラックマこそ『カワイイ』でしょ」と言う人もいるのだろうから、ああやっぱりこの表記の違いって面白いなって思うのです。

#コラム #編集

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