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やっほー🌙エッセイや小説を書きます。

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その一杯とキャラメルソースに、愛を込めて

学生時代、3年間スターバックスでアルバイトをしていた。早朝4時半に起きて出勤し、6時半から15時まで働き、そのまま大学へ行くというなかなかドMな生活をしていたが、今思えばあの日々が一番の青春かもしれない。大人になって思い出を整理できるようになった今、改めて昔のことを思い出してみても、スタバに勝る熱い記憶はあまりない。 夢だった編集の仕事をし、こんなふうにつらつらと長ったらしい暗い記事を地味に書き続けるわたしだが、意外なことにも、めちゃくちゃ元気に働くキラキラした(今よりはだ

    • 3月31日のわたしへ。「今」があるのは、あなたのおかげです。

      早稲田大学教育学部卒業。頭が悪かったあなたは、誰にも期待なんかされずに、無謀にも早稲田を受けましたね。挑戦したそのほかすべての大学は落ち、最後に受けたこの学部だけ合格。高校2年までは部活、3年生は一年間死ぬほど勉強したあなたは、その発表を受けて馬鹿みたいに高校3年生の3月を謳歌します。受験前に振られた男の子を見返しましたね。誰もわたしが早稲田に行くなんて思っていなかったのでしょう、なんだか高校で少し人気者になります。インキャで戸惑ってますよね、それでいいです。今のわたしもそん

      • 笑福亭鶴瓶さんがくれた言葉

        その日は、わたしにとってとびきりの挑戦の日だった。 夢に向かってがむしゃらに動いては悩んでおり、ずっと燻っていた自分だけれど、行動しなければ何も変わらない気がして、その行動が思いっきり結果につながっていた時だった。 正直、何が起きているかわからなくて、心の中のモヤモヤやぐるぐるを抱えながら、いつもよりもオシャレをして外に出たものの、なんとなく上を向けないまま歩いていた気がする。 * わたしは出先でタクシーを待っていた。気づけば時間が過ぎていて、すこし急いでいた。 道路で

        • いつかやってくるその日まで。紡ぎ続ける、ひとつずつ。

          人の幸せには、総質量というものがあるらしい。なにかが突出してプラスに働くと、バランスを保つように不幸な出来事が起きるとのこと。 仕事がうまくいくにつれて私生活がボロボロになっていくわたしにとって、その話はとても納得がいくもので、聞いた時のわたしは頷いて情けない口の形で「ほ~」と言っていた気がする。実際は頭にグサリと矢が刺さったような音がするくらい、響いた言葉だったのだ。 総質量。人にはバランスがあるから、そういうものは、確かにあるのかもしれない。悲しい出来事が降りかかってき

        • 固定された記事

        その一杯とキャラメルソースに、愛を込めて

        • 3月31日のわたしへ。「今」があるのは、あなたのおかげです。

        • 笑福亭鶴瓶さんがくれた言葉

        • いつかやってくるその日まで。紡ぎ続ける、ひとつずつ。

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          SNSの勧誘に向き合ってみた結果と、割としょうもない自分の話。

          記憶ってやつは、不思議だ。 この冒頭は、あまりにもありきたりで、でもなんだかそれっぽい何かだから、修正するのはやめた。最初に浮かんだものは、大体意味がありそうでなくて、やっぱりありそうで。そんな感じでいい。甘ったるくて嘘くさいくらいの言葉選びが楽しい。格好悪いのが、格好良かったりする。ダサいのがちょうどいいのだ。 今日一日、頭の中でミニモニの曲が流れていた。タイトルは忘れた。20年以上前くらいの曲だろう。曲名を調べれば良いのに、歌詞も少しは覚えているのに、調べたら何か大切

          SNSの勧誘に向き合ってみた結果と、割としょうもない自分の話。

          「ありがとう」の花束を

          人生がひとつのドラマだとしたら、今のわたしは何話目にいるんだろう。毎週テレビの前で涙を流し、これでもかというほど夢中になって観ていたドラマが終わって、ふとそんなことを思った。余韻でまだ身体が火照っていて、喪失感を感じている。ドラマって、すごいな。一話一話に色があって、次を楽しみに一週間を過ごせる。泣かせたり笑わせてきたり切なくさせたり、忘れていた何かを思い出させてくれたり。心の琴線に触れてくるような言葉が不意にとんできたり。そんな作品をつくれることが、純粋に羨ましい。 世間

          「ありがとう」の花束を

          自分の愛し方を、やっと知ったんだ

          眠りから、目が覚める。先ほどまで脳内で強制再生されていた悪夢が終わって、ほっとする。それと同時に、また朝がきてしまったことに、小さい絶望を感じる。寝返りをうつと、ベッドが軋む。 布団から顔をだして、まだ重たいまぶたを無理やり開くと、見慣れた白い天井が目に入る。ゆっくりと窓を開けると、数秒後に入ってくる冷たい空気。 東京の冬の朝は、不思議だ。東京に染まってるくせに、未だに東京が嫌いなわたし。朝だけはこの都会の喧騒も少しだけ落ち着いているみたいで、牙の鋭いオオカミが幼い顔で眠っ

          自分の愛し方を、やっと知ったんだ

          それでもわたしは生きたくて、ヘルプマークを手にした

          一度目は、5年前。仕事でシアトルに出張に行った時だった。大事な取材が続く日々、突然今まで感じたことのないほどの強い吐き気とめまいで、立っていられなくなった。ホテルのトイレでひたすら吐いて、吐くものがなくなったら体液を出し続けて、それでも足りなくて目から血みたいに涙が流れた。回り続ける視界に困惑して、自分の身体もそれに合わせて傾いて、まっすぐ歩けなくなった。ひたすら寝て、それでも治らなくて、帰国して病院に行って、やっとおさまった。 二度目は、初めてコロナワクチンを接種した時。

          それでもわたしは生きたくて、ヘルプマークを手にした

          東京、レモンサワー・ミッドナイト

          都会が、好きじゃない。嫌いと言ってしまえばそれまでになりそうだから、あえて好きじゃないという表現をしてみる。この感覚をどう説明したらよいか、いまだにわかっていないのだけれど。なんとなく、息苦しくて、酸素が薄い気がしている。 通勤の満員電車には人がたくさんのっていて、その人の匂いにむせ返りそうになる。みんなそこでは目立たないように過ごしているくせに、指先から覗くその先はSNSで、ここにはいない誰かを求めている。その場では自分の姿を消すのに必死なのに、なんだかその世界自体が怖い

          東京、レモンサワー・ミッドナイト

          【短編小説】踊るわたしは、水の中から

          酸素が、薄いせいだ。照明が明るくなった瞬間、心の中にそんな言葉が降ってきた。まばらに響く拍手の中、深いお辞儀から顔をあげた自分の笑顔を想像すると泣きたくなる。 いつだってそうだ、こうやって自分は。浴びる拍手に罪悪感を覚えるのは、どこまでも自信がないせい。自信が発生する源がわからなくて、周りと比べては悲劇のヒーローみたいに恐れを抱く。 ダンスを極めたい故に身体を動かし続けていたら、自分の目指すものから反比例するようにわたしからしなやかさは奪われた。舞台に立ったというのに、今日は

          【短編小説】踊るわたしは、水の中から

          いつか、いつか。王子様に出会えるならば。

          【ご報告】の次に来る言葉は、大体お決まり。この年になると誰もが自分の意思とは反対に見ることになる結婚報告に、わたしはどうしても気が滅入ってしまう。滅入る理由を探してみてわかったことは、別にそれがどうでもいいわけではないということ。そこに至るまでの過程や、覚悟、心境を想像すると重たい気持ちになって、最終的には「おめでとう」という気持ちになるのだけれど、いつもどこか卑屈だ。 どうして現代人は、結婚を知らせるときに【ご報告】を使いたがるんだろう。SNSの使い方に性格がでるんだろうか

          いつか、いつか。王子様に出会えるならば。

          道端に生えている草の下には、野菜があると思っていた

          知らないことがなくなってしまったら、どうなるんだろう。最近ふと、そんなことを思う。好奇心は大事だけれど、それを使い果たすまでの何かに行きついてしまったら、人はどうなってしまうのだろうか。生きていくにつれて、どんどん世界の秘密を暴いていくようになり、歳を重ねるほど見える景色が違っていく。 昔は、何かを知ることで得る感覚の方が大きかったはずなのに、最近は世界を、人を、知れば知るほど怖くなるのはなぜなんだろう。知って得ること、知って失くすこと。人間にとって「知る」とはとても大切な経

          道端に生えている草の下には、野菜があると思っていた

          父とわたしを結ぶユーミンの歌

          父との思い出があまりない。全くないというわけではないけれど、「思い出」と語るくらいの何かは圧倒的に少ない。書き手のわたしは今年28歳になるが、幼いころの父との記憶を思い返すと、のどの奥がすこしツンとする。父は転勤族だったから、一緒に住むというのはあまりなかった。半年から一年間とか短期間こちらにいることはあったけれど、長い間一緒にいることはなかった。 * 全く愛されていないんじゃないかと思うくらい、わたしは父親に厳しく育てられた。3つ上の兄がいるのだけれど、父は兄にはわたし

          父とわたしを結ぶユーミンの歌

          命の数だけ「表現」がある

          りんごの色って、「赤」なのだろうか。真上にあるこの憎いほど綺麗な青空の「青」って、どこまで続いているんだろうか。そんな疑問を持ったのは、小学校低学年のとある日。月曜日だかなんだかに校庭で行われるやけに長い朝礼。炎天下の中垂れていく汗に、遠くの景色がユラユラ動いている、まさに真夏の空の下。少し遠くにいる校長先生の声を聴くことに必死だったわたしはまだ幼くて、乾いていく喉を潤したい気持ちでいっぱいだった。 ぼんやりする頭の中に浮かんだ疑問。「自分の見ている景色って、ほかの人もその

          命の数だけ「表現」がある

          大人でも子供でもないから、いっそ叫んでみようと思って

          歳を重ねるほどに思う。なんてことない時に、ふと思う。生きるって、めんどくさい。人生って、めんどくさい。ああ本当に、なんてめんどくさいんだ。生まれてから死ぬまでがゴールだと決まっているのに、毎日なにかしらの試練があって、笑ってしまうほど嫌になる。クエストが多い割に、自分のレベルがわからない。いまどこにいて、次は何を乗り越えて、あとどれくらいで死ぬのか。人にレベルなんてないから、見えなくて正解なんだろう。先がわからない暗闇を生きていく。そういうものなのだ。 朝。目が覚めて一番に

          大人でも子供でもないから、いっそ叫んでみようと思って

          【働くあのひと case.15】夢の実現

          15人目は、ファッションブランド「over print」の代表取締役兼デザイナーを務める、over printさん(通称:overさん)です。インスタグラムフォロワー数約8.9万人、「レトロ」と「ストリート」を兼ね添えたオール世代に大人気のブランドである「over print」。今回、奇跡的にその創設者であるoverさんに、インタビューすることが叶いました。素敵すぎるお洋服を作り続けるoverさん。ブランドを作ってきたその道のりに、ご注目ください。 ―まずは、お仕事内容につ

          【働くあのひと case.15】夢の実現