つい１時間ほど前、夫と家で夕食を食べていた。
彼はいつも食事の時に自分のスマートフォンでYoutubeかTVerを見る。
今日も何やら見ているなと思ったら、知らないおじさんが車の中で一人でしゃべっている動画だった。
聞いてみるとそれは、長距離トラックのドライバーが車内での過ごし方を発信している動画らしい。

その人は自分が載せている荷物のことやパーキングエリアで会った同業者との会話、車内で食べるコンビニ飯のことなどを話していた。
正直何が面白いのだろうとはじめ思ったが、カップ焼きそばのお湯を車内で入れているのを見て一体どこに捨てるつもりなのかと、気付けば私も夢中になって動画を見ていた。

ここ１年くらいこの手のルーティン動画が流行っていると聞く。
CAの日常、一人暮らし大学生の日常、プロボクサーの日常…
有名な人ではないし特別変わった生活をしているわけでもないのに、何故か見入ってしまうことがあった。

他人の生活を覗き見ると言ったら嫌な響きだが、実際それに近いことをしているはずなのに見ているとなぜか落ち着く。
お酒を飲みながらポツポツと会話をする時の、背景兼BGMのような感じだ。
飾っていないありのままの姿を映しているのに惹かれるのだと思う。

テレビや雑誌のようないわゆる普通のメディアというものは、広告という観点から様々な脚色がされている。
もちろんそういう華やかで明るいものに気持ちが高まったり憧れることもあるのだが、一方でその脚色に疲れてきているも事実だと思う。
だからこそ、もっとリアルな人だったり暮らしだったりを見たくなるのでないか。

トラックドライバーのおじさんはとても楽しそうに仕事をしていた。
もちろん過酷な仕事だと思うので動画では見せていない部分もあるかもしれない。
でもどこにでもいそうな知らないおじさんの姿を見て少し元気を貰えたし、楽観的な気持ちになれた。
みんなそれぞれ自分の思う通りに過ごせばいい。
月曜から仕事頑張ろう。