普通の女の子に戻りつつある話

この春、環境を変えました。

専門分野である建築意匠の仕事をはなれ、公共施設の維持管理を行うことになりました。少し退屈な感は否めないのですが、中学の頃から利用してきた思い入れのある建物なので、気持ちも入ります。

そこで思うのが、というか社会人になってからずっと感じていた違和感でもあるのですが。建築で仕事をしてるときの自分って、なんか普通じゃないなと。建築で学生をしてたときの自分はこんなに非人間的じゃなかったはず(同級生からどう見えていたか、それはわからないけど)。

専門分野で仕事をしていることに対する自負があるからだ、と思う。「自分の師だったらどうするか」「建築家だったらどう考えるか」といった理想像をつくり上げて、実務とのギャップに、いつも怒っていた。

そんなとき、ちょうど1年くらい前だと思うけど、ある懐かしい映像作品と再会。これが自分にはグサグサ刺さってきた。
「美少女戦士セーラームーン」。
on Amazonプライム。

そしてこの4月24日から毎週10話ずつ、YouTubeで公開され、無料で見れるようになっています。

幼少の頃、リアルタイムでTVアニメが放映されていて、憧れていた。
当時は王道のうさぎちゃんは好きじゃなくて、ちょっとハズして亜美ちゃんとかまこちゃんが好きだった。けど改めて観ていると、大人になってようやくうさぎちゃんや他のキャラの良さもわかってきた。

運命に導かれた少女たちは、次々現れる妖魔を女の子たちだけのパワーで(タキシード仮面はアドバイスやきっかけをくれるだけで、手は下さない=女の子主体の映像作品!)退治していく。絵が美しいから憧れちゃうんだけど、じつは少女たちの本音としては「いやいや」やってることだったの。

第1シーズンの終わり、犠牲になっていったセーラー戦士達を「みんな、好きな人と手を繋ぐこともできないまま死んでいっちゃった」と悔やむシーンが印象的。
あぁ、そうか。
彼女たちに適性があったことは運命だったけど、
本当はみんな「普通の女の子」をやりたかったんだ。

そんな情緒にふれて、自分の「普通の女の子」のやっていなさ加減が気になり出して。いっかい建築を離れたら、拘りをなくしたら、楽になれるかな、と思うようになった。
昨年10月に吹奏楽団に加入したのもその一環。吹奏楽のような大人数の集団に入ることによって、人間らしい社会性を取り戻したいと思った部分もあるからだった。

さて。

「普通の女の子」ではないかもしれないけど、「なんでもない自分」として働き始めてもうすぐ1ヶ月。そのうちまた「拘る自分」が出てきてしまうのだろうか。そのときはそのとき考える。あきらめよう。

ということで、全てのStay Homeな女性のみなさん、
いい機会なのでおうちでセーラームーンをみて欲しい。
セーラー戦士はいつでも女の子の味方だから。

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?