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【戯曲】泣いた赤鬼と鶴の恩返し 第4話

ナレーターB  赤鬼は青鬼を探し、あちこちを歩き回りました。

赤鬼   ちょっと聞きたいんだが、ここいらに青鬼が来なかったかね

ナレーターB  赤鬼がそう尋ねようにも、人間は逃げるばかりで、なかなか
    手がかりを見つけることができません。

     ある村を通りかかった時、赤鬼は自分と姿がそっくりの守り神と
    出会いました。
    「泣く子はいねが」「悪い子はいねが」と言いながら村を守るその
    神は、「なまはげ」という名でした。

     なまはげは、青鬼についての噂を教えてくれました。
     赤鬼はなまはげに別れを告げ、青鬼の行方を探し続けました。



M9【木蓮の涙】スターダストレビュー

会いたくて会いたくて この胸のささやきが
あなたを探している あなたを呼んでいる

いつまでもいつまでも そばにいると言ってた
あなたはうそつきだね 心は置き去りに

いとしさの花かご 抱えては微笑んだ
あなたを見つめてた 遠い春の日々

優しさを紡いで 織りあげた恋の羽
緑の風が吹く 丘に寄り添って

やがて時は行き過ぎ 幾度目かの春の日
あなたは眠るように 空へと旅立った

いつまでもいつまでも そばにいると言ってた
あなたはうそつきだね わたしを置き去りに

木蓮のつぼみが ひらくのを見るたびに
あふれだす涙は 夢のあと先に

ナレーターA  赤鬼が歩いていると、道端に一人の男が倒れていました。

赤鬼   おい、あんたどうしたんだい

ナレーターB  赤鬼は駆け寄り、その男を助け起こしました。

よひょう 腹が減って動けねくなっちまっただ。一文無しで・・・

ナレーターA  赤鬼は持っていた食べものと飲み物をその男にわけてやり
    ました。男はよひょうと名乗り、妻を探す旅の途中なのだと
    話しました。


よひょう ありがとうごぜえました。なんとお礼をしたらええか

赤鬼   いや、お礼なんていいよ。それよりあんた、その包みにはなにが
     入っているんだ? 俺の目にはさっきからそれが光って見えるん
     だが

よひょう へえ、この中にはおらの妻が残してくれた特別な反物が入ってる
    んだず。こいつは旅の途中に何度もおらを助けてくれた。この反物
    を盗もうとしたやつがいたっぺが、こいつが急にものすごい強さで
    光りだして、そいつらはびっくりして逃げちまったのず

赤鬼   なるほど。その反物からは、確かに不思議な力を感じるよ

よひょう へえ、こいつはおらのことを守ってくれているような気が
    します

赤鬼   ところであんたは俺のことが怖くないのかい

よひょう 命を助けてもらったんに、怖いことなんてあるわげねえです。
    それにこの反物が、あんたは悪いもんじゃねえって教えてくれてる

赤鬼   面白いな、あんたも、その反物も。あんた、そういえば奥さんを
    探してるんだって言ったな。実は俺も友達を探して旅をしている
    ところなんだ

よひょう そうだか・・・友達を


ナレーターB  よひょうと赤鬼は、これまであったことをお互いに話して聞かせ
    ました。


赤鬼   それじゃあ、あんたの奥さんは人間じゃないのかい

よひょう へえ、今は鶴の姿をしています。飛ぶのもやっとの様子だった
    から、今ごろどっかで倒れているかもしれねえ

赤鬼   傷ついた鶴・・・待てよ・・・なまはげから聞いたんだ。
     俺の探している青鬼が、傷ついた鶴を連れていたって

よひょう なんだって? 今、青鬼って言ったべか。さっき村のもんに聞い
    たのす。
     青い鬼が、この山の上にある朽ち果てた神社のほこらに隠れ住ん
    でいるって

赤鬼   なんだって!?


ナレーターA  よひょうと赤鬼は競うようにして山の上の神社へ向かいました。

M10【リフレインがさけんでる】

どうしてどうして僕たちは出会ってしまったのだろう
壊れるほど抱きしめた
最後の春に観た夕日は うろこ雲照らしながら
ボンネットに消えってた

引き返してみるわ ひとつ前のカーブまで
いつか海に降りた
あの駐車場にあなたがいるようで

どうしてどうしてわたしたち離れてしまったのだろう
あんなに愛してたのに
岬の明かり 冴え始める 同じ場所に立つけれど
潮風 肩を抱くだけ


ナレーターB  神社のほこらには、つうが息も絶え絶えに床に伏し、そのとなり
    には悲痛な顔をした青鬼が座っていました。

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