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長男の話10【プレ幼稚園】


めーくん ・・・当時2歳の長男。人への興味のなさやコミュニケーション能力の低さ、多動ぶりが気になっていた。 

むいちゃん・・・公園で出会った可愛い女の子。めーくんと誕生日が一日違い。 

めいみちゃん・・・めーくんとむいちゃんのお友達。少しだけ月齢が上。

まるくん・・・同じマンションに住む男の子。めーくんと似た特性を持ち、天才でもある。

親子教室に通うことを決め、
児童館や公園で浮いていても尚、
「ふつう」の道を諦めていなかった私。

まるくんママにも
「集団行動はじめたらお友達に興味を持って変わるかも」なんて言われたりもしていたので、
近所の幼稚園のプレに通ってみることにした。


むいちゃんとめいみちゃんも同い年なので当然プレに通う時期。
2人はめーくんが行くところとは別のエリートA幼稚園に通わせることにしたらしい。
集団行動が厳しく、座っていないと怒られると噂のA幼稚園。
でも通園バスがあるからか、私たちが住む地域では1番倍率が高く、プレすらもなかなか予約が取れない。


めいみちゃんママはむいちゃんのことを誘ったけれど、
うちには連絡はなかった。


多分もうめーくんにはエリート幼稚園は無理だろうと、
私以外は知っていたのだ。

結局選んだのは、まるくんが通うのびのび系のB幼稚園。


プレの存在自体知るのが遅れたので
周りよりも1ヶ月出遅れて参加した。

教室に入ると
「おはよーー♪」

もうママたちは全員タメ語で「○○ちゃん」呼びの世界だった。

むいちゃんママ、めいみちゃんママ、まるくんママ、ここまで知り合ったママたちは全員敬語だったので
あまりの馴れ馴れしさに最初は1歩引いてしまった。


それでもみんながタメ語なのにひとりだけ敬語を使うのは
なんだか歳下ぶってるみたいで感じが悪いし、皆に合わせて無理をしながらタメ語で会話。
当時はしょーもないこと気にする余裕があったのね。笑


最初はゆるい集団行動から始まった。

それが回を重ねるごとに名前呼びが始まり、椅子に座る時間が増え、
母子分離と進んでいく。

最初のゆるい段階から壊滅的に集団行動ができないめーくん。
皆名前を呼ばれたら返事をして手帳にシールを貼りに行くのに
全く耳に入っておらずおもちゃに夢中。

座って取り組む制作の時間は
ひとりだけうろちょろと動き回って全く課題に興味もない。


週に2回毎週通っているのに一向に変わる様子がない。
他の子はママが呼べばちゃんと来るし、
「ほら、ちゃんと片付けて」などの具体的な指示も通る。
中には反抗する子もいたが、めーくんは反抗どころか聞いてもいないし、意味もわかっていないのだ。
しまいには踊りの時間になると
笑いながら周りの子を突き飛ばすようになった。


通えば通うほど精神的に追い込まれて
やっぱり本当に障害があるのかもしれない。
まだ始まったばかりだから、
男の子だから、
言葉も出てるんだから、
徐々に徐々に安心材料の効果も薄くなり、
毎回毎回プレの後に鬱っぽくなる。
妊娠してるのに、お腹の子にも悪影響だ。


積み木のおもちゃを他の子たちから奪い取り、
ひとりで積み木に書かれたひらがなを読むめーくん。


クラスのママ「え!めーくんひらがな読めんの?すげ!」

私「あーこーいうのはね、好きらしい」


それでもなんとか通ってられたのは
クラスのママたちが結構いい人だったからだ。
サバサバしていたり、世話好きだったり、
めーくんが浮いていても明るく励ましてくれる。
昔から集団に入るのが苦手な私でも
思った以上に楽しくやれた。
同じく妊娠しているママも何人かいて、
生まれる時期も同じぐらい。
「性別どっちかな〜」って妊婦トークで盛り上がったり、
久々に学生時代に戻ったような不思議な感覚だった。


プレに通い始めて2ヶ月が経とうとした頃
普段あまり話したことの無いママが
突然私の隣に座った。


「うちさ、この子のお兄ちゃんが療育通ってるんだけどね」


のりちゃん。
この出会いから2024年現在まで、長い付き合いが続くことになる人。

上の子を育てた経験から
めーくんの特性にいち早く気がついたのだ。



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