長男の話5【ママ友グループ】


めーくんとむいちゃん。
2人の姿は可愛らしく微笑ましかった。

コミュニケーションを必死で取ろうと
小さな葉っぱを渡してくれたりボールを渡してくれたり、顔を覗き込んだりするむいちゃん。
めーくんはむいちゃんのことをほとんど無視して自分のやりたいことをする。

自由に動くめーくんを必死で追いかけ回すむいちゃん。
なんだか片思いをしている女の子のようで、
いつもありがとうという気持ちと
いつもごめんねという気持ち。


私たちがよく遊びに行く公園に
女の子がもう1人いた。

月齢がめーくんとむいちゃんより少しだけ上で、学年は同じ。
その子もまたすごく可愛らしい顔をしており、幼い佐々木希みたいに目がクリクリの女の子だった。
名前を「めいみちゃん(仮名)」という。


むいちゃんとめいみちゃんは元々公園で遊んだことがあり、
私とめーくんを紹介してくれた。
それがきっかけで私たち母子6人で遊ぶことが増えた。


むいちゃんとめいみちゃんは
幼くともちゃんとしたお友達だった。

ときには手を繋いでキャッキャと走りながら笑ったり、
ジュースを買ってもらえば2人で乾杯したり、友達のいる楽しさを満喫しているようだった。


むいちゃんママ「めーくんも乾杯しよう」



可愛い女子2人が
乾杯のポーズをしてめーくんに向ける。

めーくんは当時アンパンマンにハマっており、
そのアニメのセリフをひとりで呟きながら
完全に無視。



あれ、、、?



むいちゃんとめいみちゃんは不思議そうにめーくんを見る。


母たちはその違和感にどんなリアクションをすればいいのか、
こういうことが起こる度なんとも言えない空気が流れた。


むいちゃんママ「むいだってこんなことしたの初めてですよ」


めいみちゃんママ「男の子は成長が遅いって友達も言ってた!」



毎回毎回苦しいフォローをしてもらい、
私自身もまだこれが障害かなにかだなんて思いたくはなかった。
そのうちできるようになる。
2人と会い続ければいつか興味を持つようになる。
そう信じるしかなかった。


だいぶ寒くなった12月。
めーくんとむいちゃんは2歳を迎えた。
誕生日プレゼントを交換したり、一緒に写真を撮ったり。
その時の写真もまためーくんはカメラ目線でなくそっぽをむいている。

私たちは互いの家を行き来するようにもなった。
めいみちゃんのママが手料理を振舞ってくれたり、
私の家でみんなでケーキを食べたり、
お友達と過ごす時間が増えることできっともっと周りが見えるはずだ。
でも2人がおもちゃを貸し借りしたり、一緒のものをもらって喜んだり、
そんなことがめーくんにはない。

公園で会うときも
私がめーくんを抱えてみんなを追いかけるか、
みんながめーくんを追いかけるか、
そんな状態ばかりで無理をして一緒に過ごしていた。



毎回会う度に
何故こんなにもちがうのだろう?


違いを見せつけられるようで
家に帰れば涙が溢れた。












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