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友は仕事を経て、仲間になる。

4年前の夏。友人の結婚式の前夜祭で福島弦(SANU CEO)に出会った。

美味しそうな肉を焼いていたら、向こうから姿勢正しくツカツカとやってきた。黒めの肌と短めのひげ。落ち着いた低い声の、くしゃっと笑うやつ。

この人と仕事がしたいと思った。友達にはなれる。それは会った瞬間わかる(そんなもんでしょ?気が合うな、みたいな感じ)。しかし彼とは、ただの友達で終わるのはもったいない気がした。

人は街で出会って知り合いになり、酒を飲んで友人になり(コーヒーでもいいが)、仕事をして仲間になる。

自分の良いところを見せ、相手の良いところを見るのが友人というものだろう。しかし人が持つものは、良さばかりじゃない。弱みもある。どうしょうもない所だってみんな持ってる。

仕事を一緒にするでしょう?特にしんどいけどやりがいがある仕事を。そうすると、ぎりぎりの所で誤魔化せなくなってくる。良いところを見せようと頑張っていた緊張の糸が切れ、しんどくなり、ダメなところを出してしまう。

でも、その仕事に想いがあれば、信じる理想があれば、それでも諦めない。自分の良さも悪さも曝け出して、それでもがむしゃらに、かつては友人だった職場の同僚と仕事に向き合っていく。

すると、ある時点で気づくのだ。この人の弱さの裏側に、強さがあるということを。

全ては繋がっている。生まれてから今までに起きた嬉しかったこと、悲しかったこと。コンプレックスや小さな自信。一生懸命やるってことは、生きてきた人生の全ての時間が今ココに集約されるということ。

弱さと、強さ。得意と不得意。

それがいっしょくたに見渡せる瞬間、きっと友を本当に理解することができる。そしてその日から、友は仲間になる。

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2006年。大学3年生だった私は人生初めての旅に出ることを決意し、一年間オーストラリアでバックパッカーをやった。シドニーから始めて半時計周りに28都市をグレイハウンドバスに揺られて旅をした。

詳細はまた今度に譲るとして、、、世界中の旅人たちと酒を飲み交わした旅は最高に楽しかった。しかし、旅の終わりを迎える2ヶ月前から私はとってもナイーブになっていた。

ここに来た意味ってなんだっけ?大学を休学して、皆から一年遅れて。

色んな街に行った。世界中に友達ができた。しかし、これから日本に戻って働くのだ。それになんの意味があるのだろうか。

真剣に悩んで、しかし当然そこに答えが出るわけもなく時が過ぎ、帰国の日を迎えた。英語が特段上手くなったわけでも、資格を取ったわけでもない。肩を落とし気味に空港へ向かった。

搭乗ゲートに向かうその時。当時いろんな街を一緒に旅していた友人たちがサプライズで見送りに来てくれたのだ。彼らが、別れしなに最高の笑顔を浮かべ、手を振りながら一言。

「お前に出会えてよかった!」

飛行機へと向かう通路でギャンギャン泣いた。なんで一年無駄にしちゃったんだろう、なんて気持ちは吹き飛んで、本当にここに来てよかったと思えた。

この時確信したんです。人生もこういうもんだって。人は生まれ、死へ向かう。そこに意味があるかなんて誰もわからない。

しかしそれでいい。その過程で友に出会い、一緒に旅をし、仕事をし、仲間になる。互いに「あなたに出会えてよかった」と言い交わせるのなら、きっとそれで充分だ。

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「Live with nature. / 自然と共に生きる。 」という大きな大きな理想を掲げる私たちSANU。

これからたくさんのことが起こるだろう。感動して涙するような景色に出会うこともあれば、夜眠れないほどの課題に悩むこともあると思う。

その中を皆で駆け抜け、一生懸命仕事して、自然の中で一緒に遊んで、得意不得意を理解し合い、そして最後には「君に出会えて、あなたに出会えてよかった」とお互いに思い合いたい。

2019年に創業したSANUは現在3期目。人数も20名に満たない。SANUの未来は、今ここにいるわたし達が作る。そして恐れずに言えば、人が自然と共に生きる未来の一部を、わたし達が作ることになる。

今月も新しく4人のスタッフがSANUに入った。彼ら、彼女らは何が好きで、どんなふうに世界を感じ、何を求めて生きるのか。仕事を経た先にはっきりと見えるであろう仲間たちの輪郭が、今から楽しみで仕方ない。

SANUでは共に「Live with nature. / 自然と共に生きる。」に向かう仲間を募集中!興味ある人はぜひ詳細をチェックして欲しい。

https://sa-nu.com/careers

ホテルの未来を考える。toco./Nui./Len/CITANを手がけるBackpackers' Japan代表、本間貴裕のノート。