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EL bullí 〜魔法のレストラン〜

 お客さんはただ、料理を食べにやってくるんじゃない。’’感動’’ を食べにやってくるんだ。そんな心構えでやっていた世界的なシェフである、Ferran Adria のお店がスペインにありました。名前はエルブリ。スペイン語で意味は小さなブルドックという意味です。これはスペイン北のカタルーニャにてブルドックがとても好きな女性が別荘風のレストランを持っていて、それをオーナーであるジュリ・ソレールという音楽プロデュースする仕事していた。音楽で人を喜ばせる代わりに、料理で人を喜ばせたいという想いでこの店を買い取ったそう。そこにシェフまで上り詰めたFerran Adria が見習いとしてやってくる。そんなこんなでこの世界的お店のストーリーは始まっていく。

 はい、さて今回ご紹介させていただくのは エルブリ という世界的に有名なレストランの話になります。なぜこの本に興味を持ったかというと現在の分子がストロミー界のトップと言われているからです。実は最新の科学や調理道具を使い、非常に創造的な料理が出てくると話題です。ただし、スペインの知り合いに聞くともう閉まっているそう、残念です。


 ▽この本から学んだ2つのこと
イントロの最初にもある通り お客さんは三つ星レストランに何を求めてやってくるか?それは感動である。人が何を求めているのだろう?そのような消費者の本質を突くような深い洞察が凄いです。似ている例で、ブックオフのビジネスモデルを考えた時も古本を売る人はお金を得たくて売っているんじゃない、もったいなかったり読んだ本が誰かのために役に立って欲しくて売っているんだ。という消費者インサイトを掴んでいました。

 二つ目はFerran はユーモアと遊び心を大切にしているということ。ぶっちゃけ、料理の技術は学ぼうと思えば学べちゃいます。しかし、ユーモアや遊び心といった感覚的なところは学びたくても難しいと思います。大人になっても、そのようなちょっとして遊び心は大切にしていきたいと思います。

▽内容 
① エルブリ
② Ferran adria 
この2本でいきたいと思います。


① エルブリ

エルブリにはdegustación という日本語で言うコース料理があります。その中でも3つの料理を紹介しようと思います。
1、gin fizz 
ジンフィズをウエルカムドリンクとして出すそう。エスプーマと呼ばれる泡の調理技術を使いアルコールを強めに仕上げているそう。ちなみにエスプーマは素材の味を生かしつつも相を変えるとても面白い調理法です。

2、pan con jitomate

-実は料理には皮肉を込めることもあるんです。- 

そう言ってニヤリと笑う、フェラン。実はこの パンとトマトとは、よくヨーロッパにあるパンにトマトをのせてオーブンでカリカリに焼く料理が元になっているのだが、フェランのpan con jitomate はパンにオリーブオイルを染み込ませ、トマトのエスプーマを使う。見た目では通常のものとかけ離れていて元々の料理を想像するのは難しい。しかし、どうだろうか。目を閉じて食べれば半分の人は言い当てることができるのではないだろうか。ここにフェランの皮肉が込められている。ものの実体と本質は掴めないことが多い。大切なことは目で見ることができないと。これは盲目の科学と言えるだろう。

3、グリーンピースのスープミント
実は暑いと冷たいの温度のコントラストとグリーンピースとミントの味わいのコントラストが光る一品である。温度差を利用して二曹構造にしている。最初飲むと熱いグリーンピースのスープである。徐々に冷たくなり、最後にはミントの香りがふわーと広がる。そんな一品である。飲んでみたい。


②Ferran Adria 

元々はサッカー選手を夢見ていたという彼。ひょんなきっかけでカタルーニャのエルブリの門を見習いコックとして叩いた。オーナーが音楽プロデューサーであり、人の才能を見ることに長けていたのだろうか、見習いのフェランをまさか1年でトップシェフを任せてしまう。それから有名なレストランに連れて行き、徹底的に味を覚えさせて、自分たちのレストランに帰り再現していたそう。これを何度も繰り返してスキルを上達させたそう。
 彼の根っこにある哲学は人のことを驚かしたい、という強い想いがある。少年のような、悪戯好きだ。料理を通して、自分を表現する。お客さんを驚かす。
 西洋料理と日本料理の違いは何か。西洋料理は味を重層的に構成し複雑な味を作り出す。それに対し、日本料理は素材の味を生かし、繊細な味を作り出す。どちらが秀でているというわけではない、このような哲学の部分で正反対である。西洋では昔新鮮な食材が取れなかったからソースの味でマスキングするという理由を聞いたことがある。香水をつけるのも体臭をマスキングするためという理由も一つとしてあるのだろう。対して、日本は海に囲まれ、山もあり、四季もある。新鮮な食材には昔から困らない。だからこそソースに頼らずに素材の味で勝負しても十分に美味しい。そんな背景があるんです。
 フェランから若い料理人にアドバイスは何か。レストランで学べないことを学ぶこと。それは ’’感じる’’ ということ。味を感じる、旅をしていろんな景色を食べる、歴史を知る、畑で生産者の声を聞く、とにかく感じるということを磨いてほしいと言う。
 また、革新的な料理を作るコツは色んなことを試すということ。飲み比べ・食べ比べという言葉があるが、同時間に条件を等しくして、異なる食材を試すというのは違いが際立ち楽しそう。また、同じ食材でも調理法を変えて比べてみるというのもまた良い。
 

最後に

いかがでしたか?スペインの分子がストロノミーの先端シェフを紹介しました。みなさん、ハロウィンは何か仮装してますか?コメント欄でお聞かせください!ちなみに僕は今年は何もしませんが、3年前はぐでたまをしました。

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